4.将来の金利動向ではなく残高に集中する
『もし、固定期間が終わったその時に金利が上がってたら怖い…』
こんな風に不安に思われるかもしれませんが、固定期間が終わった時には借入残高を安全圏まで減らせるようにしておけば良いのです。何年も先の金利動向を読もうとしてはいけません、そんなの誰にも分かりません。
金利動向ではなく、その時に自分がローン残高を幾らまで減らすことが出来るか?を考えるのです。
利息=ローン残高×金利
こんな計算ですよね。金利は予測できませんし、まして自分でコントロールすることもできません。しかし、ローン残高は貯蓄の計画を立てて予測することが出来ますし、自分でコントロールできる要素なんです。
当初固定金利を選ぶ時に軸になるのは『金利ではなく残高』です。その固定期間が終わった時に安全圏まで元本を減らせるか?これが当初固定金利タイプを選ぶ人が返済計画を立てる軸なんですよ。
5.当初固定金利はどんな人に向いているか?
住宅ローンの金利タイプについて、正しい認識を持つことが最も失敗の無い選択につながると思っています。
今後金利動向はどうなるんだろう?とりあえず当初固定金利にしておけばそれまでは安心か…
もしも、こういう認識であったのなら、ひとつレベルアップできたのではないかと思います。金利タイプというのは銀行が売り出す住宅ローンという『商品の種類』です。銀行の説明を鵜呑みにすることなく、自分に合った商品なのか?という判断をする必要があります。
当初固定金利タイプが合っているのはどんな人か?どんな人に当初固定金利がお勧めかを最後にお話ししておきましょう。
(1)10年固定のリスクをメリットに出来る人
✓経済の動向や住宅ローンの金利情報を抜け目なく収集する情報にマメなタイプ。
✓今後の仕事でのキャリアアップ、収入アップに強いモチベーションがあるタイプ。
どちらかに当てはまるなら、10年固定のリスクをメリットに出来る人です。10年経過後には金利の引き下げ幅が1%前後減ってしまいます。ですから借り換えたり、金利の交渉をしたりするんですが、そういう時に自分の利益を最大化出来るような情報収集と交渉力が鍵になるんですね。
今、銀行と交渉するのに気おくれしてしまうという人でも10年といえば10歳の少年が成人する期間です。今よりも銀行に対する信用力は上がっていて、電器屋さんで家電を値切るような感覚で銀行と交渉出来るようになっているかも知れません。
『値下げしないんだったら他行を利用するからイイよ。』
実際、金利の交渉はこんなノリなんですよ。
(2)10年固定のリスクにデメリットが無い人
✓お金持ちです。
例えば1億円の現金を持っている人が3千万円の住宅ローンを10年固定で組んだら、いつでもローン残高をゼロに出来るんですから、リスクは低いです。
それだけ現金があるなら、借りなくてイイじゃん。と思うかも知れませんが、住宅ローン控除があるので住宅ローンを借りた方がお金が儲かるという理由でそうしているお金持ちも多いのです。親から多額の贈与が見込めるような人も同じです。
(3)自己資金ゼロで家を購入する若い人
お金持ちに向いていると言った後ですし、基本的に十分な自己資金無く家を購入することはお勧めしません。しかし、自己資金ゼロのフルローンで家を購入する若い世代には、10年固定が一つの活路になることは確かです。
✓それまで、計画的に貯蓄をしてこなかったことを反省している。
✓しかしこの家を購入したい。これから計画的に貯蓄していきたい。
当初の10年間は金利が固定されていて、住宅ローン控除があります。その安全な10年の間に後から頭金プラスαの自己資金を貯めて、10年後にそれを繰上返済するのです。その時に上がっている信用力をもって金利の安い他行に乗り換える、ないしは、銀行に対して金利交渉して金利を引き下げるようにするんですよ。
努力によって『(1)10年固定のリスクをメリットに出来る人』のタイプに自分を高めるということです。
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