(2)今決められないことは、当初固定期間が終わっても決められない
方針 | 選択肢 |
---|---|
借り続けない | 他行への借り換え |
多額の繰上返済 | |
家の買い替え | |
高い金利に甘んじない | 他行への借り換えをちらつかせての金利交渉 |
『今後どうするか分からないから、とりあえず』当初固定金利にする人が、銀行にとって最高のお客さんなんですよね。『とりあえずビール』はアリですけど、『とりあえず当初固定金利』はナシですよ。今のこの最初が大事です。住宅ローンの問題意識もプレッシャーも時を追うごとに薄まっていきます。
今決められないことが、3年後、5年後、10年後に決められるわけがない。そうは思いませんか?
2.10年固定金利と住宅ローン控除の相性はバツグンです
当初固定金利タイプにはいろいろな固定期間の商品が用意されています。3年、5年、10年、15年、20年、25年、30年などが主な設定期間です。中でも千日がおすすめするのは10年固定金利です。
(1)10年間の『利回り』が確定した投資のような効果
10年固定金利は当初10年間の金利が固定されている金利タイプです。
そして、住宅ローン控除は当初10年間にわたり、12月31日時点の住宅ローン残高の1%を納めた税金からマイナスする減税措置です。
例として3千万円を10年固定金利0.65%で35年元利均等返済で借りる場合にどんな感じになるかお見せしましょう。
借入3,000万円 | 説明 | 返済金額 |
---|---|---|
10年固定金利0.65% | 毎月0.65%の利息を払う。 | 958 |
住宅ローン控除1% | 12月31日のローン残高の1%が返金される。 | △257 |
10年後残高 | 全額繰上返済する。 | 2,211 |
返済合計(単位:万円) | 約0.35%儲かる | 2,912 |
極端な例ですが、3,000万円借りたのに返済するのは2,912万円になり、88万円の利益が出る訳です。払う利息よりも還付される(返金される)税金の方が大きくなるからこういうことになるのです。10年固定金利ならば、文字通り10年間は金利が固定されていますから、住宅ローンを完済しさえすればこの『利益』は確定的なものになるんですね。
借金なのに、投資のように利益が出る。それもほぼ確定した利回り。こんな嘘のような本当の話が、今の住宅ローンの『常識』なのです。
(2)10年固定は銀行間の競争が激化している金利タイプ
このように、10年固定金利は住宅ローンとの相性が抜群に良いので、人気の金利タイプなのです。ですから、銀行間も競って金利を下げて利用者の獲得に乗り出しています。10年固定は銀行が売りたい金利タイプであり、他の期間よりも割安な金利設定になっていることが多いということですね。
3.計画的な繰上返済、定年までの期間でロスの無い固定期間を選ぶ
繰上返済と固定期間の選び方についてお話します。例として10年固定に力を入れている三井住友信託銀行で見てみましょう。長期間金利を固定する商品ほど金利が高くなります。この表を見たら、2年固定を選ぶ人はいないでしょうね。
固定する期間 | 金利(2017年6月) |
---|---|
変動金利(半年) | 0.6% |
2年固定 | 0.35% |
3年固定 | 0.35% |
5年固定 | 0.45% |
10年固定 | 0.65% |
15年固定 | 0.9% |
20年固定 | 1.00% |
30年固定 | 1.05% |
中心に考えるのは10年固定です。前述したように、住宅ローン控除の恩恵をフルに受けてからその時のローン残高の大部分、ないし全額を繰上返済しようと考えているなら、10年固定です。
そしてもう一つ、定年までの年数です。毎月の返済額のハードルを下げるために最長の35年で住宅ローンを組むのですが、固定期間は定年までで必要にして十分です。上記の表で見ると30年固定がオトクに見えますよね?プラス10年固定するのに0.05%のアップで済むのですから。
しかし、定年退職までの期間が20年前後である場合は固定期間を30年にする必要はありません。千日メソッドでは定年時の完済を目標にします。つまり、定年以降の固定期間はいくらオトクであっても、オーバースペックなんです。
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