50代からの住宅ローンは効率性よりも貯蓄と持続可能性
50代から住宅ローンをスタートする場合、普通に完済できるという人は少数派ですよね。
そして、年金収入で住宅ローンの利息を払い続けるのは損だということで、何が何でも完済しようとするのは危険だと思っています。
定年後に両親の介護費用が必要になりますし、民間の老人ホームに入るのにも最初にまとまった現金を保証金として納める必要があります。
支給される年金が減ることが分かっている状況では、支払う利息の節約よりもまとまった貯蓄を残しておくことの方がより重要なのです。
年金と介護費用のリアル
例えば、親が認知症になっても、以下の状態であれば『要介護2』です。
✓立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄、入浴、衣類の着脱などで介助が必要。
✓日課や直前に何をしていたのかが部分的にわからないため、生活に支障をきたす。
✓他人とのスムーズな対応が困難。
要介護2は公的介護保険の施設サービスを利用して、介護施設に入所することができますが、特別養護老人ホームへの入所が出来るのは原則として要介護3からです。
要介護2では、週に2~3回の訪問介護や通所介護が基本となり、介護の負担は家族に重くのしかかります。
老齢年金の受給権を持つ人の平均年金月額は約20万円ほどですが、民間の介護付き有料老人ホームの平均的な費用(30日換算、要介護3の場合)は28万6千円かかります。
内訳は以下のとおりです。
食費 73,500円
その他費用 69,000円
介護サービス費 22,701円
サービス加算 1,567円
平均的な金額ですので、具体的な費用は老人ホームのホームページで確認して下さいね。
調べてみたら分かりますが上記に加え別途、入居一時金として300万円程度のお金が必要です。
とてもじゃありませんが、年金で賄えるものではありません。
ちなみに特養老人ホームの費用は8万8千円からで入所一時金などの初期費用無しです。
全然違いますね。
年金で持続可能ならあえて完済しないのが正解
例えば、定年の時点で1000万円(金利1.2%)の住宅ローンが残ってしまったとします。
貯蓄は1000万円です。
これを完済したら手許の貯蓄がゼロになります。
完済せずに継続したら、貯蓄は手許に残りますが、1カ月に1万円(以下)の利息を元本とは別に払うことになります。
単純な損得勘定ならば前者の一括返済が正解になるのですが、それはあまりに危ないですよね。
年金で返済を継続できるのなら、無理に一括返済せずに後者の継続を選ぶべきでしょう。
金利が上がって支払いが辛くなったら、その時には繰上返済して毎月の返済額を減らす調整をすれば良いのです。
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