手持ちの資金はそこまでないから、住宅ローンに申し込む流れかな・・・。
あれ?住宅ローンって何歳から借りたら良いんだろう??
マイホームへの夢ってどんどん膨らみますよね。
キッチン、お風呂、ベランダ、自分の部屋にお気に入りの家具を揃えた生活。
考えるだけでもワクワクしてきます!
でも、その夢を叶えるためには家を購入しないといけません。
一生で最も高い買い物と言われる住宅購入は想像以上にお金が必要となってきます。
できれば現金一括払いがスッキリするのですが、なかなか一括で払える人はいません。
そこで多くの人が住宅ローンを利用します。
借り入れる金額の上限は、返済が完了する年齢と今現在のあなたの年収が左右してきます。
中盤あたりでも再度言いますが、
住宅ローン利用開始のおすすめ年齢層は30代です。
年齢以外にも下記のような悩みもあるでしょう。
- 目安として幾らの借入額が妥当なのか?
- 住宅ローンをスタートする年齢別にどんな対策が必要なのか?
- おすすめの住宅ローンは?
そちらも踏まえて解説していきます。
無理の無い住宅ローン!借入金額は年齢と年収(世帯年収)で決まる
支払いが辛くならない住宅ローンの金額を決める基準となるのが次の2つの要素です。
- 現時点の年齢
- 年収(世帯年収)
現時点の年齢と年収をベースに、『返済完了時の年齢』と『借り入れたい総金額』が重要になってきます。
なぜ重要なのでしょうか?
それは、
銀行側はお金貸したのに返済完了されない可能性が高いとリスクになるので、返済完了時の年齢を非常に気にしているからです。
仮に返済完了時の年齢が80歳だと算出されたと仮定しましょう。
80歳までに何らかの病気で返済が滞ったり、健康であっても寿命でお亡くなりになる可能性が非常に高いため貸出に渋るわけです。
借りる側も80歳まで働き続けるかと問われるとかなり厳しい現実ですし、払いきれなかった場合は家族に迷惑もかかります。
裏を返せば年齢に関係なく、借入したい金額に対して安定した(世帯)年収があれば、銀行側に返済リスクも少ないと判断されます。
その結果、希望している金額の住宅ローン審査が通りやすくなります。
また、住居費に回せる金額が幾らか?という考え方でも毎月の返済額が決まってきます。
夫婦共働きである場合は、夫婦の収入を合算した世帯年収も参考となります。
繰り返しますが、年齢と収入のバランスが非常に大事ということです。
どうやったら審査に通るの?を説明すると長くなってしまうので、興味がある人はコチラの記事もどうぞ。
世帯年収によって決まる住宅ローンの金額
今から定年までの間に何年あるかというのは、借り入れる時の年齢によってある程度決まっています。
住宅購入した先輩や友人にこう言われた経験はありませんか?
これの真意は、住宅ローンを利用し始める年齢が遅いと月々の支払いが高くなるからです。
仮に4,000万円の住宅ローンを利用、定年を65歳としましょう。
その時の年間の返済額はこうなります。
4,000万 ÷ 35年 = 114.2万円(月々9.5万円)
▼40歳の場合▼
4,000万 ÷ 25年 = 160万円(月々13.3万円)
住宅ローンを組むのが10年遅いと月々の支払いが約4万円も差がでてきます。
年齢が若い時に住宅ローンを組むと月々の支払いが安くすみますが、支払い期間が長くなるので転職や転勤、病気になるリスクも上がります。
逆に、ある程度の年齢になれば支払い年数は短くなりますし、現時点の年収は若いときより高くなっているので支払い能力としては信用されます。
そして良くも悪くも、その後定年までの年数が短いため大幅に年収が下がったり支払いが困難になる可能性は、年齢が若い時よりは低い傾向があります。
借入年齢時35歳、定年60歳(返済25年)の場合
実際に何歳でいくら借りることができるのか早く知りたい!
そう思いますよね。
当たり前ですが、年齢と年収によって借入可能額は異なってきます。
ここでは、無理なく返済できる住宅ローンの金額を算出するために4つのルールを設定します。
- 毎月の返済は手取り月収の40%以下でボーナス払いなし
- 返済額が一定になる元利均等返済方式
- シミュレーションの金利は固定金利(1.38%)
- 定年(60歳)時のローン残高は1,000万円以下
これを当てはめてシミュレーションすれば「自分に幾らの家が買えるのか?」が計算できます。
借入年齢時35歳:定年60歳(支払い25年)の場合は下記のイメージです。
残り25年 | 年収500万借入26年 | 年収600万借入31年 | 年収700万借入35年 |
月収の40% | 10万 | 11万8,000円 | 13万4,000円 |
毎月返済額 | 9万3,856円 | 11万7,348円 | 13万4,908円 |
25年後残高 | 1,051万4,543円 | 810万4,228円 | 781万7,199円 |
借入金 | 3,125万円 | 3,550万円 | 3,975万円 |
年齢と年収から適正な借入シミュレーション金額を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
住宅ローンの利用開始年齢は30代がおすすめ
結論として、利用開始年齢層は30代が一般的とされています。
- 安定した収入の見込みが立つ時期
- 無理なく現役で働ける年齢が見えやすい時期
上記条件を満たしやすいのは、30代となります。
また、このような世間的な印象も多少影響します。
- 家庭を持ち転職も繰り返さず年収も安定する時期
- 35年ローンが組みやすいので月々の支出が少なく返済が滞りにくい
世間的に『30代は家を購入する年代』と言われるのも頷けますよね。
もちろん30代でなければ住宅ローンを利用してはいけないということではありません。
収入があれば20代でも40~50代でも住宅ローンを利用することができます。
住宅ローンの手引きによれば、主要金融機関では申込時の年齢が20歳以上かつ64~71歳の方が利用開始可能なようです。(平成28年3月時点)
⇒ 住宅ローンの手引き
借入時の年齢よりも返済完了時の年齢を意識しよう!
ずばり・・・
70代前半までに返済完了を意識しましょう!
70代前半までの完済をお勧めする理由は、安定的な収入が得られるのは一般的に健康寿命前後までとされているからです。
(参考:RENOSY)
日本は長寿の国と言われており、平均寿命は男女ともに80代を超えますが、健康寿命は70代前半~中盤となっております。
そのため70代中盤以降に安定収入を得ることは難しく、完済時期に設定するのはリスキーといえます。
20代は将来の流動性と期間の長さがポイント
年収に対して購入する物件価格の倍率が高いのが20代の特徴です。また20代は社会に出てから期間が経っていないので、他の年収と違って年収のバラツキが少ないのも特徴ですね。
ご相談される20代の方の平均では、世帯年収のおよそ6.5倍の物件を購入し、5.8倍の住宅ローンを借りています。
社会に出てからまだ数年で収入はまだ少ない一方、不動産の価格はそれなりにするからですね。
また、マイホームの購入にあたり親の援助なども受けやすい年齢だということもあります。
なので、金利面についてはリスクを取らない住宅ローンを選ぶ人が多いです。ずばりおすすめは固定金利、とくにフラット35がおすすめです。
20代から組む住宅ローンについて、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
30代は世帯年収で1,000万超でも50:50共働き夫婦のリスクに注意!
30代から徐々に年収のバラツキが大きくなります。
400万から1,000万超まで幅広いのが特徴で、30代はコレというようなおすすめの金利タイプが一見ないとも言えます。
敢えて今(2019年2月)ということでは長期金利が歴史的に低いので固定金利がおすすめしやすいですね。
さらに最近の30代夫婦は、妻もフルタイムの正社員として働く50:50の共働き夫婦で、かつ世帯年収が1,000万円を超えるケースが多くなってきています。
ご相談される平均的なグループでは概ね世帯年収の4.6倍くらいの住宅ローンを組む人が多いです。
一人の年収で1,000万円を超える場合も、夫婦の合算で1,000万円を超える場合も、借りる住宅ローンの金額に差はありません。
しかし両者を同じには扱うことは出来ません。
リスクの総質量としては同じでも、それに対する傾向と対策が異なります。
50:50の共働きでの世帯年収が1000万円を超えているケースでは、実は潜在的に危険な住宅ローンを組んでいる人が多いのです。
35歳の各年収で無理なく完済できる住宅ローンの金額として、表にすると以下のようになります。
年収 | 月収 | 借入金額 |
---|---|---|
400万円 | 20万円 | 2,663万円 |
600万円 | 25万円 | 3,250万円 |
700万円 | 30万円 | 3,755万円 |
900万円 | 35万円 | 4,255万円 |
1000万円 | 40万円 | 4,714万円 |
1,200万円 | 50万円 | 7,031万円 |
例えば年収600万の人は3,250万円の住宅ローンであれば無理なく返せそうです。
年収1,000万の人は4,714万円です。
では、共働き夫婦で1,000万円(夫の年収が600万円で妻の年収が400万円)が、無理なく返済できる住宅ローンは4,714万円なのか?
それとも3,250万円+2,663万円=5,913万円になるのか?
答えは、4,714万円でも5,913万円でもなく、4,714万円と3,250万円の間くらいです。
まず、5,913万円だと60歳のときの残高は夫婦あわせて2,000万円になる計算です。
これはちょっと厳しいので、老後破綻するリスクの高い住宅ローンになります。
では、4,714万円ならば大丈夫なのか?というと、これも決して楽ではありません。
夫婦が二人とも住宅ローンの完済までフルに勤め上げることが前提になります。
見落としがちな点ですが、片方の収入が減る(時短勤務になったり転職したりする)ことは想定されていないのです。
それにこれからは少子高齢化で右肩下がりの低成長時代が続くと言われています。
収入が不安定になるリスクは最初から想定しておいた方が良いでしょう。
30代から組む住宅ローンについて、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
40代の住宅ローンは定年時残高金額に注意!
40代の人が借りる住宅ローンの金額は30代とそんなに変わりません。
ご相談者の平均では概ね年収の4.5倍くらいの金額の住宅ローンを組む人が多いです。
年収が同じで年は10歳取っているのに、住宅ローンの金額が同じということは、40代の人は相対的に30代よりも危険な住宅ローンを組んでいる人の割合が多いということです。
そのリスクの特徴は定年時の残高が少なくなりがちということです。
毎月の返済はそれほど問題ありませんが、定年時の残高が許容範囲を超えているという状況になってしまう人が多いのも特徴です。
40代ということは定年の60歳まであと20年を切っています。
残りの年数は短くなっているという点に注意が必要です。
30代までなら、最長の35年の返済期間をとって、自然体で返済していけば定年時にはそれなりに残高も少なくなっているので完済しやすいという見込みを立てやすいです。
しかし40代からは自然体で返済するのでは危なく、計画的に繰上げ返済資金を貯めていかなければ危ないのです。
そこで!
一般的な40代におすすめする住宅ローンとしては、20年固定です。今(2019年2月)は長期金利が低くなっていて20年固定も歴史的な安さです。
さらに定年で完済する計画であれば、金利を固定する期間は20年で必要十分です。
40代から組む住宅ローンについて、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
50代の住宅ローンは自己資金の多寡によって決まる
ご相談者の平均では、50代から年収に対する住宅ローンの倍率が下がる傾向にあります。
年収の大小にかかわらず、平均で世帯年収の約2.6倍の住宅ローンを借りているという結果となりました。
なんと40代の約半分です。
定年までの残り年数が短く、目視可能な期間のレンジになっているためです。
住宅ローンよりも貯蓄が主な財源となります。
なので、50歳代の年齢層に適した住宅ローンは自己資金によって、2つのタイプに分かれます。
- 自己資金に余裕のあるタイプ:定年までの約10年での利息の負担を減らし、住宅ローン控除は満額受けて、最も有利かつ確実に完済する住宅ローン。
- 自己資金に余裕のないタイプ:虎の子の老後資金にはできるだけ手を付けず、定年後のローン残高を年金で返済可能な金額に調整する。細く長く持続可能な住宅ローン。
自己資金に余裕があるタイプにおすすめ
現金で買おうと思えば、現金でも購入できるけど、住宅ローン減税を受けるためにあえて住宅ローンを借りる人ですね。
支払う利息が少ない方がおトクですので、変動金利がおすすめです。
また、長期金利が下がっていて今(2019年2月)は10年固定もかなり安くなっていますので10年固定も良いですね。
そして、ゆとりのある老後生活をするためには、リバースモーゲージもおすすめです。
自己資金に余裕がないタイプにおすすめ
これから、年金の支給開始時期はドンドン後ろ倒しになり、支給額も減っていくでしょう。
収入が少なくなる環境で、虎の子を全て完済にあててしまうと、定年後も長く続く人生のアクシデントに対応できなくなってしまいます。
なので、自己資金に余裕が無い場合は、できるだけ今ある自己資金を温存しつつ、定年退職後の支払いを少なく抑えて、細く長く継続するという作戦をおすすめしています。
『細く長く』ということは、利息を長く払うということにもなります。
いわゆる損得勘定の物差しで考えたら損な方法ということになるのですが、家の購入については、損得よりも持続可能性が優先されると考えています。
10年固定と20年固定をミックスする住宅ローンや、リバースモーゲージで利息だけを払う住宅ローンがおすすめです。
50代から組む住宅ローンについて、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
住宅ローンを始めるのは収入と借入期間が最長となる30代がおすすめです。
近年、不景気が続いていますがマイホームはやはり手に入れたいところですね。
失敗・後悔しない住宅購入に最適な住宅ローンを見つけるには最適なアドバイザーが必要です。
お近くの友人や先輩、相談窓口に聞いてみると良いでしょう!
住宅ローンについてもっと知りたい・・・
この記事は役に立ちましたか?
もっと知りたいことがあれば、お気軽にお問い合わせくださいね。