2.複数の収入がある人なら良いけれど
これまでの4回のシリーズで、変動金利が向いている人、固定金利が向いている人について書いてきました。
固定金利が向いている人は、公務員など収入が景気の影響を受けにくい人です。
好景気のインフレ時には金利は上がり、不景気のデフレ時には金利は下がる法則があります。今は不景気のデフレで低金利なので、公務員のように収入が景気の影響を受けにくい人にとっては、固定金利で借りることでとても有利に働きますね。公務員のように、収入が景気の影響をあまり受けない人にとって、ローンの負担を一定にする効果があるということです。
なので、固定金利に変動金利を混ぜると、せっかく一定にしたローンの負担を変動させてしまうことになります。
一方で変動金利が向いている人は、収入が景気の影響を受けやすい業種のサラリーマンや自営業の人です。
不景気でデフレの時は収入が減りますが、金利が低く抑えられているので負担は軽減されます。逆に好景気でインフレの時は収入も増えてますので金利が高くても負担は大きくありません。
今は不景気でデフレ、超低金利です。かつて日本がインフレでバブル期だった頃の住宅ローンの金利は7%位でしたがその負担は同じなんです。かえって今は先行きの暗さがある分だけ負担感が大きいともいえます。変動金利は景気と連動する傾向があるので、収入が景気の影響を大きく受ける人にとっては負担を一定にする効果があるのです。
なので、変動金利に固定金利を混ぜると、景気で上下する収入に関係なく一定の高いローン負担を負うことになります。
つまり、金利タイプをミックスすることで『それぞれのデメリットを相殺している』という面もありますが、同時に『自分の収入タイプに合っていない金利タイプを混入させている』という面もあるのです。しかし、自分の収入が固定と変動のミックスになっているのなら良いのではないでしょうか。
3.家を二つに分けられるんだったら良いけれど
さっきは住宅ローンを『借りる人の収入面』から金利タイプをミックスする意味を説明しましたので、今度は住宅ローンの『担保に入れる家の面』から考えてみましょうか。
変動金利が向いているのは、これから家族が増えるかもしれない、また海外への転勤などで家を手放す可能性もある。こういった理由から、この家にずっと住むとは限らない。という人です。なんと言っても、金利が一番低いのが変動金利ですから、売却するまでの利息の負担が最も軽くなる可能性が高いです。
一方で固定金利が向いているのは、基本的にこの家にずっと住み続けるつもりなので、この住宅ローンを長く借りるという人です。固定金利にはその期間の金利を固定するというコストが乗っているんです。住宅ローン契約の全期間にわたって金利が変わらないのが固定金利ですから、買い替えなどによって大幅に早く完済するというのはロスになるんです。
家は一つしかありません。
変動金利の部分だけを売却して完済し、固定部分には長く住むので借り続ける…?不可能です(笑)。つまり、形だけ金利タイプをミックスしたところで、家についての方針は一つしかありえません。けして馴染むことのない水と油だということです。
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