千日の住宅ローンの選び方シリーズ、今回は全5回シリーズの3回目です。
住宅ローンの固定金利についてお話しようと思います。
第1回:自分にとっての住宅ローンとは何か?をあなたは知らない
第2回:変動金利とは何か?をあなたは知らない
第3回:固定金利とは何か?をあなたは知らない
第4回:「当初固定金利」とは何か?をあなたは知らない
第5回(前編):固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
第5回(後編):一定期間固定金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
2017年に住宅ローンを組む人はこの言葉を頭に刻んでおく必要があります。
✓変動する固定金利
✓変動しない変動金利
なんだか禅問答のようですが、これから住宅ローンを組む人にとっての超実践的なセオリーです。住宅ローンの金利は毎月初めに金融機関が発表する金利がその月に適用されます。固定金利についてはそれが毎月変動しているのです。
固定金利フラット35と楽天銀行の変動金利の推移を比較してみましょう。
年月 | フラット35 | 変動金利 |
---|---|---|
2018年12月 | 1.41% | 0.527% |
2019年1月 | 1.26% | 0.527% |
2019年2月 | 1.25% | 0.527% |
2019年3月 | 1.22% | 0.527% |
2019年4月 | 1.21% | 0.527% |
2019年5月 | 1.23% | 0.527% |
(2019年5月現在)
住宅ローンの固定金利は金融市場の長期金利(国債利回り)に連動して上がったり下がったりします。金融市場は常に動いていますので、住宅ローンの固定金利もその影響を受けて毎月上がったり下がったりしているんです。
住宅ローンの変動金利は銀行間で資金を融通しあう金利を短期プライムレートと言い、変動金利はこの短期プライムレートに連動して銀行が金利を上下させることが出来る金利タイプです。その短期プライムレートは日銀が市中銀行にお金を貸し付けるときの政策金利の影響を受けます。
住宅ローンの変動金利は政府の政策金利がリーマンショック以降、ずっと0.1%(ゼロ金利政策)なので、ほとんど変動しないんです。
✓固定金利は金融市場の影響を受けて毎月変動する。
✓変動金利は今のところは国が政策金利を上げないので変動していない。
たまに『変動金利が上がったらその時は固定に借り換えるさ』なんていう声を聴くことがありますが…
それは不可能です。
変動金利が低い理由の一つとして、リーマンショックで景気が後退したことから国が政策金利を引き下げた(ゼロ金利政策)ことがあります。景気が上向いて国が政策金利(≒変動金利)を引き上げる頃には、既に長期金利(≒固定金利)は上がり切っています。
時すでに遅しなんですよ。景気や為替という、いわば自然現象によって変動する長期金利(≒固定金利)の方が、人間によって決められる政策金利(≒変動金利)よりも遥かに早く反応するからです。
固定金利で住宅ローンを組む場合は何月に借りるかがとても重要になってきます。前述のフラット35の場合で考えると、2017年5月31日に借りたら5月の金利ですから1.06%の金利が適用されます。しかしその次の日の2017年6月1日に借りたら6月の金利ですから、1.09%の金利になります。
たった1日違うだけで、最長35年間払う利息が変わってしまうのです。
4,000万円を35年借りて、金利が0.03%上がると利息は総額で21万円も違ってきます。ですから、固定金利で住宅ローンを借りようとしている人は長期金利の動向をよく見ておかねばなりません。