一般的に、自営業の方は住宅ローンを借りづらいと言われています。なぜなら多くの金融機関は、安定した収入が継続的に得られるかを重視して審査しており、収入が毎月変動してしまう自営業は不利に働くとされているからです。
そんな自営業の方にオススメの住宅ローンがフラット35。
今回はフラット35が自営業の方にオススメできる理由、そして借りる際のポイントを住宅ローンスペシャリスト「田辺」に教えてもらいます!
自営業の方にフラット35がオススメの理由
職業で落とされることはない
住宅ローンのことを調べていると、自営業の方は住宅ローンの審査に通りづらいという情報を目にします。それは本当なのでしょうか?
本当です。民間金融機関では、自営業は安定した収入が見込めないと判断されてしまうのです。しかしフラット35であれば職業・雇用形態にかかわらず申し込みができます。
雇用形態は無関係ということであれば、フラット35なら学生でも審査に通過する可能性はあるのでしょうか?
通常は難しいと思います。ただし、フラット35の場合、就職先が決まっている大学4年生や教職(教員免許)などの就職に直結している資格を有している大学生であれば、後継者として親子リレーというプランに申し込むことができます。
開業して1年たっていなくても大丈夫
金融機関の多くは2年以上の事業歴を必要としますが、フラット35は1期目の確定申告を終えていれば審査ができます。ここは金融機関によって違うので、審査を考えている金融機関の条件をしっかり見ておきましょう。
開業2年目の自営業の方でも、安心して審査を受けることができるんですね!
所得の額よりも借入金額とのバランスが大切
住宅ローンの審査に通る条件で、重要なことは何だと思いますか?
そうですね……。所得が多いほど審査に通りやすいイメージはありますが。
所得が多いに越したことはありませんが、それよりもフラット35では所得額と借入金額のバランスを重視します。
自営業としての売上や利益より、自分の所得額と借りたい金額が釣り合っているかどうかが大切なポイントだということですね。
赤字計上と利益圧縮は気をつけよう
自営業の方がフラット35を借りるためには、赤字計上と利益圧縮にも気をつけなければいけません。
赤字計上と利益圧縮とは何でしょうか?
赤字計上とは赤字を決算書の売上高に含めること、利益圧縮とは節税対策のために本来の利益よりも少なく計上することを指します。
フラット35の審査は前年の収入で行われます。確定申告の時に本来よりも少ない収入を申告してしまうと、申し込みができません。
家を買おうとしている自営業の方は、確定申告の際に節税対策をせず、ありのままの収入を申告した方がよいということですね!
各種支払い・税金の支払いが遅れていないか
カードローンの支払いが遅れたら住宅ローンの審査に通りにくいという話を聞いたことがあるのですが、税金の支払いなども審査に関わるのですか?
大いに関係します。フラット35は半官半民である住宅金融支援機構が販売する住宅ローンです。そのローン審査の時に納税が遅れていると厳しくなります。
それは自営業の方に限ったことなのでしょうか?
そうではありませんよ。自営業でもサラリーマンでも納税が遅れたことがあると審査に影響するのは一緒です。ただ、所得税に関してはサラリーマンの場合は給与支給時点で源泉徴収されており、納税が遅れることがないんです。
もし納税が遅れたことがある自営業の方は、一度相談してみるといいですね。
本人名義の事業性借り入れがあるケース
事業性借り入れとはどういったものですか?
正式には「事業性評価融資」と言います。
普通の融資は財務状況や担保などで融資ができるかどうかを判断します。一方、事業性評価融資は事業内容や成長する可能性なども含めて審査します。
なるほど。つまり財務状況が少々悪くても、事業の内容次第で借り入れができるということですね!
フラット35の場合、自営業者は確定申告書の提出が必須です。
事業性借り入れの金額を除いて、審査を受けることができますよ。
住宅ローン借り入れのために修正申告はしない
修正申告とはどのような申告なのでしょうか?
確定申告の期限が過ぎた後、税額などが少なかった場合に行う申告のことです。
住宅ローン審査を通過する目的で修正申告をしてもいいのでしょうか?
住宅ローンのためではなく、節税のために経費を過剰申告しているようでしたら、修正申告は当然必要です。修正申告は「修正申告書」という新たな書類を作って金融機関に提出します。この書類を出した場合、なぜ修正したのかを質問されます。その時に「経費にならないものまで誤って計上していたので修正申告した」といったような、適切な理由を用意しておかなければいけません。
正当な理由がないのであれば、修正申告はしない方が良いですね。
フラット35ではどのような項目が審査されるのか
まず主に以下のような申し込み要件があります。
・申込時の歳が満70歳未満の方
・日本国籍の方や永住許可を受けている方・総返済負担率が年収:400万円未満→30%以下、400万円以上→35%以下
・過去の借り入れで延滞したことがない
項目の中にある「総返済負担率」とは何ですか?
自分の年収に対する、住宅ローンやその他の分割払いの年間返済額の割合のことです。
例えば年収が350万円だとすると、負担率の上限は30%以下なので年間返済額は最高でも105万円になります。総返済負担率は「年間返済額÷年収×100」で求めることができますよ。
つまり、年収に応じて無理のない返済額を決めることが大切なんですね。
住宅ローンの専門家に相談する
自営業とひとくくりに言っても、その内容はさまざまですよね。
自営業の方はどんな場合でも、この記事で学んだことを満たしていればフラット35を借りられるんですか?
はい。個人事業主とは飲食店やブティック経営、フリーランスなどいろいろな職業がありますが、これまでのことをすべて満たしていれば、フラット35の審査を受けることができます。
フラット35の基本から気になる情報までまるっと知りたい方は、こちらの記事も合わせて読んでみましょう。
【超絶まとめ】フラット35の仕組みと金利を徹底解析! 銀行系ローンとの違いとは!?
まとめ
いかがでしたか?
記事の中で挙げたポイントを考慮すれば、自営業の方でも住宅ローンを組むことができるでしょう。
最後に攻略法をまとめておきました。
■自営業がフラット35を借りるための攻略法
・所得額と借入額のバランスを取る
・赤字計上と利益圧縮に気をつける
・税金、ローンなどの支払いは期日を守って遅れない
・事業性借り入れがある場合は確定申告書も一緒に提出する
・住宅ローン借入目的の修正申告はしない
・住宅ローンの専門家に相談する
こちらを参考にして、賢くフラット35の審査を通過しましょう!
住宅ローンスペシャリスト
「日本一住宅ローンに強い会社」iYell株式会社に在籍する住宅ローンスペシャリスト。
大人の色気を漂わせて、住宅ローンを手取り足取り教えてくれる。
なお、紙面では公開しがたいあらゆる経験をしてきているため、社員からは住宅ローンはもちろんのこと、恋愛相談されることもしばしば。
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