マイホームを購入する際には住宅ローンを利用する方がほとんどですが、高額かつ長期の返済を行うローンであるため、審査に落ちてしまうことがあるのも事実です。申し込みや手続きを負担に感じることもあり、とくに落ちた場合は時間も要してしまいます。
「事前審査は通ったのに、本審査で落ちた」「落ちた場合どうしたらいいのだろう」とお悩みの方は、プロに相談することもおすすめです。
この記事では、住宅ローンの本審査に落ちる確率や、落ちる理由について解説しています。また、審査項目とやってしまいがちなNG行為・落ちたときの対策も紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
本審査に落ちる確率
事前審査に受かった場合、本審査に落ちる確率は5%程度とされています。そのなかでも、半分ほどは虚偽の申告などが原因です。
確率は低いため、虚偽の内容がなく事前審査に通っていれば、本審査で落ちることはほとんどありません。
事前審査と本審査で落ちる確率は異なる
事前審査と本審査では、落ちる確率が異なります。落ちる確率は事前審査の方が高く、おおよそ10%です。
しかし審査基準でいえば、事前審査よりも本審査のほうが厳しいものとなっています。ただ、事前審査の時点で、収入や借入状況といった信用面での基準に満たない申し込みを先に落とすため、事前審査のほうが落ちやすい仕組みになっています。
本審査では落ちる確率は低いですが、金融機関によって審査の基準や傾向が異なる点や、それぞれの状況、物件の影響もあるため、必ず通るローンというものはありません。
事前審査に受かったにもかかわらず、本審査に落ちてしまうという場合に把握しておくべきなのは、事前審査と本審査の違いです。以下で詳しく解説します。
事前審査と本審査の違い
住宅ローンの審査は2段階になっており、事前審査のあとに本審査が行われるという流れです。
本審査を受けるには、事前審査の通過が必要です。住宅ローンは長期的かつ高額であるため、返済可能かどうかの審査は徹底して行われます。
事前審査は、金融機関ごとの基準と申告内容を照らし合わせる審査です。本審査も項目はほとんど事前審査と同じですが、提出するべき書類も多く、さらに詳細部分まで調査されます。
また、購入物件の担保価値も本審査では審査の対象です。担保価値は物件の資産価値となり、万が一住宅ローンの返済が難しくなった場合には、物件を売却することで残高を回収します。
金融機関にとっては、リスク回避において重要なポイントとなるので、担保価値に比例して融資金額が減額される場合もあるでしょう。
段階的な審査は、申し込む側としては負担に感じるかもしれません。しかし、審査基準から大きく外れる場合は事前審査で落とすことができるので、時間と手間を省く効率化にも有効な仕組みです。
本審査の結果が出るまでの期間
事前審査は数日から1週間ほどで結果がでますが、本審査の結果が分かるまでの期間は、1〜3週間が目安です。
本審査は、事前審査よりも詳しく審査を行うため、時間を要する傾向にあります。さらに時間を要する場合は、申し込みの多さや判断の難しいことが原因です。
本審査の審査内容
ここからは、本審査の審査内容について6つのポイントを解説します。
年収
事前審査と同様に、本審査でも年収は重要な審査対象です。借入希望の金額は、年収の5〜7倍程度が目安となります。
年収に対して、借入金額の倍率が高すぎると返済が難しくなるため、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。年収と借入のバランスを十分に考慮してローン審査に臨みましょう。
勤続年数
年収と合わせて、審査の対象になるのが勤続年数です。勤続年数が長ければ、安定して返済が見込める信用になります。2〜3年以上の勤続を基準にしている金融機関もありますが、多くの場合は1年以上が条件です。
フラット35は勤続年数を審査の基準にしていないので、転職直後でも借入できる可能性は高くなります。
雇用形態
勤続年数と合わせて、信用につながるのは雇用形態です。一定の収入が得られる会社員の方が、個人事業主よりも審査には有利といえます。個人事業主であれば、継続した黒字の利益が重要です。
また、会社員でも営業職など、歩合制の割合が高い場合も信用は下がってしまいます。安定した収入が得られる雇用形態も、住宅ローンの審査では確認されるポイントです。
信用情報
金融機関での信用情報も審査に影響します。過去の債務整理や支払いの延滞といった情報は、信用情報として記録されています。そのため、信用を損ねるような情報が残っている場合は、審査に不利な影響を及ぼします。
また、審査時の住宅ローン以外の借入状況も重要です。返済残額が多いと、金融機関にとってはリスクと受け取られてしまいます。住宅ローンを検討している場合は、ほかのローンやキャッシングも計画的に行ってください。
完済時・借入時の年齢
住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、審査では年齢も確かめられます。完済時期が定年から年月の経ってしまう借入予定では、利用者にとって負担となることを踏まえ、審査に影響が出るでしょう。
健康状態
申し込み希望者の年齢に加えて、健康状態も審査に影響します。住宅ローンで借入を行う、もしくは借換えを行う際には、団体信用生命保険(以下、団信)に加入することがほとんどです。
団信は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡などにより、返済できなくなった場合に生命保険会社が残高に相当する保険金を銀行に支払って、返済を行う保険です。団信は生命保険なので、加入するには、過去3年ほどの病歴や治療歴などの告知が必要となります。
団信への加入は必須ではありませんが、リスク回避の観点からも、多くの金融機関が加入を融資の条件としています。
フラット35は、団信への加入は任意となっていますが、加入しない場合はリスクを避けるために貯蓄を残したり、ほかの生命保険でカバーしたりといった対策を行うことになります。そのうえで、万が一の備えを金融機関に証明できる準備も必要です。
持病や過去に大きな病気の治療歴がある際は、団信への加入が難しくなることもあるため、健康状態は審査において重要なポイントです。
本審査に落ちる理由
ここからは、本審査に落ちる原因となる主な4つの理由を解説します。虚偽の申告を行っている場合は、審査に落ちてしまいますので、必ず正確な情報で申し込みをしてください。
事前審査と本審査で内容が異なる
1つ目の理由は、事前審査と本審査で申告した内容や提出書類の情報の内容が、異なってしまっていることです。事前審査に通った場合でも、本審査で異なった内容であることが分かると、落ちる可能性は高くなります。
本審査は、より細かな内容や数字の証明が必要です。上記で挙げたような、年収や雇用形態といった審査項目に加えて、借入希望額や物件情報が変わることも審査に影響します。
また、注意が必要なのが提出書類の不備です。詳細な内容を把握できるよう、十分に準備を行いましょう。事前審査と本審査の内容の不一致は、審査に落ちてしまう大きな原因となります。
借入希望額と年収のバランスが適切でない
2つ目の理由は、借入希望金額が年収に見合っていないことです。前述のとおり、借入希望の金額は、年収の5〜7倍を目安に設定しましょう。
また、審査は落ちるだけでなく、減額承認となるケースもあります。この場合、希望額には満たない融資となるものの、ローンの利用は可能です。
信用情報に金融事故の記載がある
3つ目の理由は、信用情報の記載に問題があることです。本審査でも、改めて金融事故などの信用情報の確認は行われます。こうした情報は、滞りのない返済を行える人物であるか判断する大きなポイントであるため、事故の記録は審査に落ちてしまう原因となります。
事前審査通過後から本審査までの間に、情報の記載がある場合にも注意が必要です。金融事故の情報は、発生から記載まで数か月の時間差が出ますので、延滞などが半年ほど前にあれば、審査に影響が出る可能性も考えられます。
審査期間中のNG行動をしている
4つ目の理由は、審査の期間内に問題となる行為があることです。事前審査通過から本審査までは、1か月近く期間があく場合もあります。
期間中に状況が変わることに加えて、審査において不利になる行為してしまうと、本審査で落ちてしまう可能性が高まるでしょう。考えられる2つの大きなNG行為について解説します。
新規借入やローンを組む
1つ目の行為は、新規の借入やローンを組むことです。事前審査を通過しても、その後新たな借入があると、金融機関にとってはリスクが上がってしまっているため、本審査で落ちることもあります。
携帯電話の端末を分割購入したり、リボ払いをしたりといった場合も、金額によっては影響がでるので注意が必要です。また、支払いの延滞は信用情報に傷がつく可能性もあるため、あわせて気を付けましょう。
転職や退職をする
2つ目の行為は、転職や退職です。転職や退職は、主に年収や勤続年数に影響します。信用の度合いも変化し、改めて審査が必要になるため、落ちる可能性は高まります。
本審査の審査項目でも挙げたとおり、勤続年数の条件を設けている金融機関が多く、ほとんどの場合は基準から外れてしまいます。また、本審査に落ちたことでローンが組めない場合、住宅契約で違約金が発生してしまう可能性がある点にも注意が必要です。
住宅ローン審査に落ちた場合、違約金なしで契約を解除できるローン特約がついているかどうかも検討の要素となります。ただし、対象とならない理由もあるため、事前によく確認しておきましょう。
審査に通った後は別の借入をしたり、転職したりしても大きな影響はないとされています。思わぬことで落ちてしまうケースもあるので、住宅ローンの申し込みを検討し始めたら、審査前と事前審査後はとくに気をつけてください。
本審査に落ちたときの対策
ここからは、本審査に落ちてしまったときにとるべき3つの対策について解説します。
借入額を減らす
1つ目の対策は、借入金額を減らすことです。ほかでの借入がある場合は、収入に対しての返済額の割合が高くなってしまいます。可能であれば、完済してから審査に望むようにしましょう。
借入額の目安として参考になるのが、年間返済額を年収で割ったものに100をかけて求める返済比率です。多くの金融機関では、30〜35%程度を上限としています。
住宅ローンの頭金として資金を用意している場合は、審査時の年間返済額を下げるためにも、ほかでの借入の返済に当てることもひとつの方法です。
住宅ローンは、比較的金利の低いローンです。ほかのローンの借入額を減らすほうが、支払いの負担を減らせる可能性もあるでしょう。ほかのローンも改めて整理し、借入金額を減らすことは、審査に落ちた場合の重要な対策です。
他の金融機関も検討する
2つ目の対策は、別の金融機関で申し込みを行うことです。住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なり、同じ状況や条件でも審査結果に差がある場合があります。そのため、別の金融機関を検討するのも有効な手段です。
ただし注意が必要なのは、短期間で多くの申し込みを行っていると、審査に落ち続けているという印象から不利になる点です。審査に通りそうな金融機関を探して、挑戦するというのもおすすめでしょう。
住宅ローンの専門家に相談する
3つ目の対策は、住宅ローンのプロに相談して進めることです。これまでにも記述したとおり、住宅ローンの審査に通るには、対策が必要なケースもあります。また、金融機関選びも重要なポイントであるため、専門家に相談すれば、効率よく動くことが可能です。
「住宅ローンの窓口」は、ネット銀行から地方銀行までそれぞれの住宅ローン情報を把握しており、金利以外の条件も含め、ベストな金融機関を提案してくれます。
電話やメールで気軽に相談しながら、申し込みから手続きまでのサポートが受けられるので、住宅ローンに関する負担が大きく軽減できます。とくに、一度審査に落ちてしまった場合は、専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
住宅ローンを組む際、多くの場合では保証人が不要です。こちらの記事では、住宅ローンにおいて一般的に保証人が不要な理由や、必要となるケースを詳しく解説しています。
まとめ
住宅ローンの審査には、状況や金融機関ごとの条件など、さまざまなポイントがあります。落ちてしまった場合には大きな負担がかかるので、効率化のためにもプロに相談するのがおすすめです。
審査に通る確率を上げられるだけでなく、知識の豊富な専門家に相談できるので、納得のいく住宅ローンに申し込むことができます。
いえーる 住宅ローンの窓口 ONLINEでは、専門家に金融機関の無料相談ができるだけでなく、申し込みから手続きまでのサポートを行っているため、時間や手間の負担の軽減が可能です。
さらに、中立的な立場からのご提案や、ご相談者様に寄り添った親身なやり取りから、安心して住宅ローンが選べます。一度審査に落ちてしまった、不安に感じるという方は、ぜひ一度ご相談ください。
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