(2) 変動金利の元利均等返済額の25%を貯蓄出来るだけの収入が無い若い人
若くてまだこれから収入の伸びしろがあるが、現時点ではまだ変動金利の元利均等返済額の25%を貯蓄にまわす収入の余裕が無いという人にも固定金利はお勧めです。若いということは、その分定年までの返済期間も長くなります。変動金利を選択すると金利の変動リスクを負う期間が長くなるということでもあります。
金利変動リスクに備える貯蓄が出来ない状態で変動金利を選ぶのはお勧めしません。
一方で固定金利ならば金利変動リスクは無く、支払がずっと一定になります。一定額の負担に対して収入はこれから伸びていくわけです。最初はしんどいですが、後になるほど楽になっていくという返済計画なんですよね。
固定金利の方が、先の長い将来に待ち受ける様々な人生のリスクに強い金利タイプと言えるでしょう。
5.まとめ~歴史的な低金利時代に万人向けの固定金利
住宅ローンの金利タイプを選ぶのに『何となく』は禁物です。
✓何となく金利が安いから…という理由で変動金利を選ぶと金利上昇に耐えられないリスクを負います。
✓金利上昇リスクが怖いから…という理由で固定金利を選び、その後数年で買い替えたならその分割高な利息を払ってしまったことになります。
住宅ローンの金利タイプをちゃんと把握し、自分のライフプランに合った商品を選ぶ必要があります。ただ、今の金利情勢は歴史的とも言える低金利で特に固定金利が低いですよね。
確かに変動金利と固定金利を比べると、相対的には変動金利の方が安いのです。しかし、自分がだれかにお金を貸す立場になって考えてみてください。35年もお金を貸して年間の利息が1%程度、というのはちょっと安すぎるとは思いませんか?
千日がどちらかというと固定金利をお勧めする傾向があるのは、そういった絶対的な感覚があるからなんですよね。
家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本
千日 太郎 (著) / 日本実業出版社
文:
住宅ローンの選び方【中級編】by 千日太郎
第1回:自分にとっての住宅ローンとは何か?をあなたは知らない
第2回:変動金利とは何か?をあなたは知らない
第3回:固定金利とは何か?をあなたは知らない
第4回:「当初固定金利」とは何か?をあなたは知らない
第5回(前編):固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
第5回(後編):一定期間固定金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
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