みなさんは住宅ローンを比較をする時、どこを見て決めますか?
大多数の方はまず金利を見ると思います。
しかし、金利だけを見ていると、後悔してしまうかもしれません。
重要なのは、金利だけでなく、諸費用や手数料、団信、繰上げ返済手数料などを総合的に比較することです。
そこで今回は、住宅ローンを比較する際に大切なポイントや疑問点を、住宅ローンスペシャリストの赤神が詳しく解説いたします。
- 住宅ローンを比較する際のポイント
- 住宅ローンを比較するときに疑問に思うこと
- まとめ
住宅ローンを比較する際のポイント
住宅ローンの比較は、以下の3つのポイントをおさえましょう。
- 同系列の商品タイプで比較をする
- 支払総額を比較する
- その他諸条件を比較する
住宅ローンの比較には、全てのバランスを考えることが重要です。どこの金額を下げれば無理せず住宅ローンが組めるのか検討することで、「こんなはずじゃなかった」という思いを抱く可能性が減らせるでしょう。
1.住宅ローン金利の比較は同じ商品タイプで行う
商品タイプとはなんですか?金融機関が売り出す住宅ローンの金利タイプのことです。金利タイプにはどんな種類があるか分かりますか?固定金利と変動金利ですね!正解です!また、固定金利の中にも2つの種類があります。- 最終返済までずっと金利が変わらない全期間固定金利型
- 当初の一定の期間だけ固定金利で支払い、その期間終了後は変動金利で支払う、もしくは再度固定金利で支払う再設定をする固定金利選択型
ということは、まず- 変動金利
- 全期間固定金利型
- 固定金利選択型
の3つを比較し、さらに同じタイプの住宅ローン商品を各金融機関で比べることが大切ですね。
そういうことです。
同じ商品タイプの住宅ローンを比べることで、金融機関ごとの違いがハッキリ分かりますよ。2.金利以外にも諸費用と支払総額を比較
住宅ローンの返済は、実際に借りた金額と金利の他、諸費用がかかります。
比較する際は忘れがちな諸費用も含めた総支払いをチェックするようにしましょう。金融機関によって違いはありますが、諸費用は主に以下のようなものがあります。
- 事務手数料
※1 保証会社利用時の事務手数料:平均33,000円(税込)
※2 保証料なしの、純粋な事務手数料:融資額の約2.2%(税込) - 住宅ローン保証料(保証会社を利用する場合)
- ローン代行手数料(住宅ローンの審査を不動産会社に任せる場合)
- 印紙代
- 団信の特約料(三大疾病保障特約等)
- 火災保険料・地震保険料
- 抵当権設定の費用(所有権移転費用の場合もあり)
- 固定資産税清算金(日割り)
諸費用の目安は、約200万円や物件価格の約1割と言われていますね。頭金も物件価格の1割ほどかかりますよね……。
つまり物件自体の予算は、諸費用と頭金を足して2割引いた金額を予算として考えた方が良さそうですね。はい、目安として良いでしょう。
しかし、近年では物件価格に対して100%の住宅ローンが組め、さらに諸費用ローンまで組める商品も少なくありません。あくまで目安として考えておくといいでしょう。3.団信や繰り上げ返済手数料などの諸条件を比較
団体信用生命保険(=団信)といわれる生命保険は、住宅ローンを組んだ本人が死亡または高度障害状態になった時に住宅ローンの残債がなくしてくれるという保険です。団信が生命保険であるということは、健康状態が悪いと加入できずに、住宅ローンが借りられないということもあり得るのですか?それはあり得ますね。
一方でフラット35など団信保険への加入が任意の住宅ローンもあります。また、団信の他に繰り上げ返済時にかかる手数料もチェックしておきたいですね。繰り上げ返済は毎月の返済以外に住宅ローンを返済する方法ですよね。その通りです。
繰り上げ返済する場合は利息がかからず、すべて元本の返済に充てられるので、かなりおトクなんですね。繰り上げ返済をする場合、住宅金融支援機構であれば「住・My Note」、みずほ銀行であれば「みずほダイレクト」などのサービスを利用すれば、繰り上げ返済の手数料は発生しません。
しかし、保証料を支払っている場合に繰り上げ返済をすると、戻し保証料として保証料が戻ってくることがあります。ただし、戻し保証料にも手数料が発生するのです。つまり、戻し保証料の手数料以上の繰り上げ返済をしないと、元本を減らすことができないといったこともあります。
注意してくださいね。確かにそれではおトク感が減ってしまいますね。住宅ローンを借りる時や借りた後の諸条件もしっかりチェックすることが大切なんですね!住宅ローンを比較するときに疑問に思うこと
地銀・都市銀行の住宅ローンを比較。選ぶメリットや理由は?
住宅ローンを販売している金融期間はたくさんありますよね。その中でも銀行での借り入れが主流だと思いますが、地方銀行や都市銀行などで違いはあるんですか?ありますよ。
地方銀行のメリットの1つは地元にたくさん店舗があり、相談がしやすいことですね。また、融通が利きやすかったり、きめ細やかなサービスが取り揃えられているのも良い点です。ネット銀行にそれぞれ特徴などはある?
最近ではネット銀行での住宅ローン販売もよく聞きますが、それぞれの特徴や違いはあるのでしょうか?もちろんありますよ。
まずネット銀行の大きな強みは、来店する必要がなく、いつでも家で手続きを済ませられることです。そこにそれぞれの銀行の特徴がくっついているイメージですね。
それでは、いくつかのネット銀行の特徴を見てみましょう。特徴 住信SBIネット銀行 全疾病(※)保証が無料 ソニー銀行 手続き開始から終わりまで専任アドバイザーがサポート イオン銀行 契約してから5年間、イオンでの買い物が5%オフ 新生銀行 新規・借り換えともに柔軟なローンの組み合わせが可能 (※)全疾病…8疾病として定められている8つの病気(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)とそれ以外の病気やケガのこと。
病気に対する備えをしておきたい人は住信SBIネット銀行、ネットでの手続きに不安を覚えるのであればソニー銀行、イオンでよく買い物をするのならイオン銀行……。
このように自分に合った銀行を選ぶと良いですね。「金利引き下げタイプ」とは?
住宅ローンについて調べていると、「金利引き下げ」と言ったワードをよく見かけます。
これはどういう意味なのでしょうか?これは決められた期間、金利が一定の幅で引き下げられるタイプの金利プランです。各金融機関がそれぞれ定める条件を満たしている場合に利用でき、2種類あります。- 支払い当初期間の金利を大幅に下げる
- 全期間の金利引き下げ幅が同じ
1は返済スタート時の負担は軽くなり、当初期間終了後にその時の金利で返済額が決まる仕組みです。こちらは安定した収入が見込める人や一時的にお金の支出が増える人にオススメです。始めの負担こそ軽いのに、当初期間終了時に金利が高くなっていると損をしてしまうんですね……。そのような金利情勢に左右されたくない人、金利予測がしづらい返済期間の長い人には、2がオススメですよ。
返済期間全体を通して、金利の引き下げ幅が一律なので、マネープランの計画にもピッタリです。「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いとオススメは?
返済方法も2種類あります。
元利均等返済は月々の返済額が変わらず、元金と利息の割合が変化していく方法です。そしてもう1つは元金均等返済といい、返済期間内で均等に割られた元金に対し、残高に応じた利息を上乗せしていく方法です。
それぞれのメリットとデメリットをご案内しましょう。メリット デメリット 元利均等返済 返済額が一定 元金の減りが遅い元金均等返済より総返済額が多い 元金均等返済 返済が進むほど月の返済額が少なくなる元利均等返済より総返済額が少ない 払い始めは返済額が多い 返済終了時の収入・支出、定年などまで見据えた選択が大切ですね!不動産会社から提案される住宅ローンの金利が比較的高い?
不動産会社では家を買った時に住宅ローンを勧められるという話を聞きます。そのような住宅ローンは自分で探すよりも金利が高いのですか?不動産会社が勧める住宅ローンが、自分にとって一番金利の低い住宅ローンであるという保証はありません。
自分で住宅ローンを選ぶことで、低い金利の商品やトータルの返済額が安い住宅ローンを見つけられることもあると思いますよ。ということは、住宅ローンを選ぶ時には自分で調べた方がいいのですか?必ずしもそう言い切れる訳ではないですね。提携住宅ローンは不動産会社が扱い慣れているため、手続きがスムーズなことが多く、自分で調べるよりも簡単にできます。
大切なのは何を重視するのかですね。それが金利の低さや柔軟さなのか、それとも手続きのスピードを重視するのか。まとめ
住宅ローンの比較には、以下の3つがポイントでしたね。- 金利の比較は同じ商品タイプで行う
- 諸費用と支払総額をチェック
- 団信・繰り上げ返済手数料などの諸条件をチェック
その通りです。
また、住宅ローンとは長い付き合いになるので、将来を見据えた比較が大切になってきます。ライフプランを基に、まずは「これだけは譲れない!」という軸を決めてから選べば、自分にピッタリの住宅ローンが見つかるでしょう。ぜひ、こちらの記事も参考にして、住宅ローンの比較を行ってみてくださいね。
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