住宅ローンの借り換えを検討する際、住宅ローン借り換えにかかる事務手数料(諸費用含む)の高さに驚いた方も多いのではないでしょうか?
せっかく金利の低い銀行に借り換えても、高い事務手数料のおかげで借り換えのメリットがすべて吹き飛んでしまうこともあります。
つまり、住宅ローン借り換えを検討するときは、手数料・諸費用を含むトータルコストをしっかり比較することが大切なのです。
この記事ではこんな人におすすめ!
- 借り換え時に手数料がいくらかかるのか知りたい
- 借り換え手数料がお得な金融機関を知りたい
- 手数料が安い金融機関を利用して本当に大丈夫なのかを知りたい
を紹介します。
手数料といっても、様々な種類がある!
トータルコストで住宅ローンを比較する際、手数料は重要な指標の一つとなります。
しかし、一口に「手数料」といっても様々な種類があります。
「手数料が安い」と聞いても、1つの手数料が安いだけで他の諸費用が高く、結局は損をしてしまうかもしれません。
まずは手数料の種類を知り、それから手数料全体の比較を行いましょう。
一般的に借り換えに必要になってくる手数料は以下の通りです。
- 融資事務手数料
- 保証料
- 団信保険料
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士報酬
手数料の種類によっては、金融機関によってその金額に差があるものもあるんです!
順番に見ていきましょう!
ここで差がつく!金融機関によって差がある手数料!
金融機関によって差がある手数料は以下の3つです。
- 融資事務手数料
- 保証料
- 団信保険料
住宅ローンの借り換えで手数料で損をしないために、まずは銀行によって差がある手数料を解説していきますね!
融資事務手数料
融資事務手数料とは、住宅ローンを借り換えるための費用です。
融資事務手数料の相場は、
- ネット銀行系:借入額の2.2%(税込)
- 大手都市銀行:33,000円(税込)
となっております。
また、金利が低いほど、融資事務手数料は高い傾向があります。
保証料
保証料とは、万が一、住宅ローンが返済できなくなった場合に、あなたに代わって保証会社が住宅ローンを肩代わりするための費用です。
保証料は住宅ローンの借入額や審査結果により変動し、支払い方法は2つあります。
- 住宅ローンの金利に0.2%上乗せ
- 50~150万円、前払いする(借り入れ金額、審査結果による)
大手都市銀行では保証料が必要なケースが多いですが、ネット系銀行では保証料不要がほとんどです。
団信保険料
団信保険料とは、あなたが
- 死亡
- 高度障害(目が見えなくなった、手足が動かなくなったなど)
など、身体的な理由で住宅ローンが返済できなくなったときに、住宅ローン残高がゼロになる保険のことです。
多くの銀行が団信の保険料を負担してくれます。
しかし、以下のように銀行によって保証の内容に差があります。
- 保険料ゼロ(銀行負担)で、8大疾病(ガン・心筋梗塞など)まで対応
- 保険料金利0.3%上乗せで、死亡・高度障害のみ対応
住宅ローンで団信ほど差が出るものはありません。
団信を制する者は住宅ローンを制します!
保険料・保証内容をしっかりと比較しましょう。
どの金融機関でもほとんど変わらない手数料!
どの金融機関でも金額がほとんど変わらない手数料は、以下の3つです。
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士報酬
借り換えを行う際に必ずかかってくる費用なので、しっかりと押さえておきましょう。
印紙税
印紙税は、住宅ローンの金銭消費貸借契約書に貼付際に必要になる費用です。
印紙代の費用は以下の表のように、借り入れ金額によって異なります。
100万円超〜500万円以下:2,000円
500万円超~1000万円以下:1万円
1000万円超~5000万円以下:2万円
5000万円超~1億円以下:6万円
例えば、住宅ローンの借り入れ金額が3,500万円の場合は、印紙代が2万円になります。
ただし、ネット銀行などのWeb上で金銭消費貸借契約が締結できる場合には、印紙代は不要です。
登録免許税
借り換えをするには、抵当権の抹消と新たに抵当権の設定が必要となります。
その際にかかる手数料のことを、登録免許税といいます。
抵当権抹消登記にかかる費用は、1つにつき1,000円です。
ただし、土地と建物それぞれに費用が発生するため、合計2,000円が必要となります。
不動産設定登記には、借り入れ金額×0.4%の登録免許税が必要です。
借り入れが3,000万円の場合には、登録免許税が12万円となります。
司法書士報酬
借り換えをする際には、司法書士が抵当権抹消などの登記手続きを行います。
そういった手続きに対する報酬を司法書士報酬といい、一般的には5万〜10万円程度が相場です。
ただし、金融機関によっては上記のような諸費用をまとめて借り入れすることが可能ですので、どこまでを借り入れに含めることが可能なのか、相談してみると良いでしょう。
借り換え手数料は実際いくらかかるの?
では、実際に借り換えをする場合、手数料はどのくらいかかってくるのでしょうか?
今回は、
- 保証料が不要な場合
- 融資手数料が不要な場合
の2つのモデルケースで比較してみました。
順番にみていきましょう!
なお、今回は借り換えによる借り入れ金額が2,500万円、借り入れ期間を20年とします。
保証料不要 | 融資手数料不要 | ||
---|---|---|---|
【ケース1 定率型】 | 【ケース2 定額型】 | 【ケース3 】 | |
融資手数料 | 550,000円 融資手数料は借り入れ金額×2.2% |
330,000円 融資手数料は一律33万円 |
ゼロ |
保証料 | ゼロ | ゼロ | 370,850円 借り入れ金額100万円につき14,834円 |
印紙代 | 20,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
抵当権抹消費用 | 2,000円 | 2,000円 | 2,000円 |
抵当権設定費用 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
司法書士報酬 | 80,000円 | 80,000円 | 80,000円 |
合計 | 752,000円 | 532,000円 | 572,850円 |
保証料が不要の場合には、融資手数料が借り入れ金額に対して一定割合の金額を支払う「定率型」なのか、借り入れ金額に関わらず一律の「定額型」かによって、手数料に差が生まれます。
ケース1は、融資手数料が借り入れ金額に対して一定割合の金額を支払う「定率型」なので、合計の手数料は752,000円です。
ケース2は、借り入れ金額に関わらず一律の「定額型」なので、合計の手数料は532,000円となります。
借り入れ金額が大きくなる場合には、ケース2の「定額型」がお得になります。
融資手数料が不要なケース3の場合にかかる手数料の合計は、572,850円です。
また、今回は借り入れ期間と借り入れ金額に応じた保証料が必要となるケースを想定して計算しています。
こちらは借り入れ金額によって金額が変わってくるため、借り入れ金額が多くない方にオススメです。
今のローン状況ではどのパターンが有利になるのか、ぜひチェックしてみてくださいね。
自分にはどのパターンがいいのか、検討しなくっちゃ。
借り換え手数料がお得な金融機関はどこ?
借り換え手数料を比較する際に、融資事務手数料・保証料・団信保険料の3点を中心に比較することが重要なのね。
それを踏まえたうえで、手数料が安い金融機関ってどこなのかしら?
手数料が安い銀行は、以下の3行になります。
- 楽天銀行
- ソニー銀行
- みずほ銀行
融資事務手数料 | 保証料 | |
楽天銀行 | 330,000円 | ゼロ |
ソニー銀行 | 44,000円※1 | ゼロ |
みずほ銀行 | 33,000円 | あり 金利上乗せの場合、+0.2% |
※2021年4月5日時点
※1 住宅ローンの場合。変動セレクト住宅ローンでは、借り入れ金額の2.2%
楽天銀行の融資事務手数料は330,000円と一見高く見えますが、ネット銀行の融資事務手数料の相場が借入額の2.2%〜であることを考えると、結構お得なんです。
例えば、住宅ローンの借り換えで3,000万円を借りるときの融資事務手数料を比べると、
楽天銀行:330,000円
その差額はなんと33万円!!!!
この手数料の安さは、ネット銀行ではトップクラスといって良いでしょう。
ソニー銀行の特徴は、
- 金利が低いけど、手数料が高い「変動セレクト住宅ローン」
- 金利は高いけど、手数料は安い「住宅ローン」
の2種類あることです。
変動金利と融資事務手数料をそれぞれ比較すると、
変動セレクト住宅ローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
変動金利 | 0.507% | 0.807% |
融資事務手数料 | 借り入れ金額の2.2% | 44,000円 |
※2021年4月5日時点
同じ銀行とは思えないほど、まったく内容が違う住宅ローンになっています。
借り入れする金額にあわせて、ベストな住宅ローンを選べるのが嬉しいですね。
みずほ銀行は、保証料がある(金利上乗せの場合、+0.2%)ものの、融資事務手数料はネット系銀行よりもはるかに安くなっています。
保証料は完済したタイミングで一部返還されるので、返済プランによっては「保証料あり」の方がお得になるケースもあります。
注意!手数料が安い金融機関の落とし穴
ここまでの記事を読んで、「手数料の安い金融機関で借り換えをしたい!」と思ってる方も多いと思います。
確かに、手数料が安いというのは、金融機関を選ぶ上での重要なポイントです。
しかし、手数料の安さだけを見て住宅ローンを決めるのは、少々危険かもしれません。
なぜなら手数料が安い銀行には、落とし穴もあるからです。
手数料が安いと、金利が高くなる傾向がある
手数料が安い銀行にある落とし穴、それは金利です。
手数料が安いと金利が高くなる傾向があります。
例えばソニー銀行では、
変動セレクト住宅ローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
変動金利 | 0.507% | 0.807% |
融資事務手数料 | 借り入れ金額の2.2% | 44,000円 |
※2021年4月5日時点
あからさまに、「手数料が安いと金利が高くなる」傾向があります。
住宅ローンの金利は変動セレクト住宅ローンの1.5倍。
また、手数料の安い楽天銀行ですが、金利は一番低いわけではありません。
楽天銀行 | PayPay銀行 (旧ジャパンネット銀行) |
|
---|---|---|
変動金利 | 0.537% | 0.38% |
融資事務手数料 | 330,000円 | 借り入れ金額の2.2% |
※2021年4月5日時点
圧倒的な手数料の安さを誇る楽天銀行ですが、住宅ローンの金利では、2021年4月5日よりジャパンネット銀行から名称変更したPayPay銀行に完敗しています。
手数料は安いに越したことはないですが、安さだけで決めてはいけません。
手数料の安さと金利、そして利便性のトータルコストで比較することが大切なのです。
団信の保証内容は充実してる?
団信は銀行が保証料を負担してくれるケースが多いので、実質ゼロ円です。
しかし、その中身はまったく違い、同じゼロ円でもどんな保険に加入させてもらえるのかはそれぞれです。
- 楽天銀行:団体信用生命保険+がん50%保障+全疾病特約(一部保障の対象とならない病気等がある)
- ソニー銀行:団体信用生命保険+がん50%保障
- みずほ銀行:通常の団体信用生命保険のみ
ゼロ円はゼロ円なのでそれ以上比較できませんが、ゼロ円だからこそ中身にはこだわりたいですよね。
手数料が安いのは、いわば当たり前かもしれません。
手数料が安いのに、団信が充実している、そんな住宅ローンを狙うべきでしょう。
団信が充実しているかも大切ね。
直接的なメリットではないけれど、将来の安心への投資だわ。まさに、団信で安心ね。
まとめ
この記事では、住宅ローンの借り換え手数料の安さに着目して比較してみました。
しかし、住宅ローンの借り換えは、
- 金利
- 団信の保障内容
- うれしいサービス(繰り上げ返済手数料、窓口サービスの有無)
などなど、手数料以外を比較することも大切です。
借り換え先は、手数料を比較するだけで選べるほど単純なものではないのね。
不安になってきたわ…どこかに相談できる相手はいないかしら。
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