フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、金利が変動しない全期間固定金利の住宅ローンです。今回はフラット35利用に必要な適合証明書の発行方法と、金利優遇を受けるためのポイントを解説していきます!
フラット35を利用するには、購入、建築する住宅が一定の技術基準を満たしている必要があり、「適合証明書」の発行が必要です。また、適合証明によってより優良な住宅と認められると、住宅ローンの金利優遇が受けられます。
適合証明書は発行場所、発行されるまでの流れが、購入する住宅の種類によって異なります。物件の種類別にまとめたものがこちらです。
新築住宅 (一戸建て) |
新築住宅 (マンション) |
中古住宅 | |
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発行場所 | 指定確認検査機関 登録住宅性能評価機関 |
指定確認検査機関 登録住宅性能評価機関 |
指定確認検査機関 適合証明技術者 |
発行までの流れ | 設計検査 ↓ 中間現場検査 ↓ 竣工現場検査 ↓ 適合証明書発行 |
設計検査 ↓ 竣工現場検査 ↓ 適合証明書発行 |
書類審査 + 現場検査 ↓ 適合証明書発行 |
有効期限 | 竣工から2年以内に借入の申し込みを行った場合のみ有効です。 | 竣工から2年以内に借入の申し込みを行った場合のみ有効です。 | 【一戸建て】 現地調査実施日から6か月 【マンション】 |
実際に適合証明書発行を依頼したい場合は、住宅金融支援機構のHPでお近くの検査機関を検出できます。お申込方法は依頼する先により異なりますので、確認が必要です。
【適合証明書お問い合わせ窓口(http://www.flat35.com/kensakikan/index.php)】
適合証明書の発行にかかる料金は依頼する先で多少差がありますが、新築住宅の場合は3~4万円、中古住宅で5~6万円が相場です。また後述する【フラット35】Sを利用することによっても、料金は変わってきます。
適合証明書は発行後、借り入れをする金融機関に提出します、金融機関によっては融資実行の◯営業日前までと決まっているところもありますが、大抵の場合は住宅ローン借入の契約時に提出をします。
フラット35には【フラット35】Sという優良な物件に対して、一定期間金利を引き下げる制度があります。プランが2種類あり、当初10年間が0.3%引き下げとなるAプラン、当初5年間が0.3%引き下げられるBプランがあります。
AプランはBプランより厳しい技術基準クリアした場合のみ適用可能で、おもに新築物件に適用されます。
では【フラット35】Sが適用される基準はなにか。ポイントを見てみましょう。
耐久性・可変性 | 省エネルギー性 | 耐震性 | バリアフリー | |
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定義 | 長く安心して暮らせる工夫 | 夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるように | 地震に強い家 | お年寄りにも優しい住まい |
Aプラン | 長期優良住宅の認定 | 認定低炭素住宅である | 建築基準法で求める地震力の1.5倍に対して耐えられる | 高齢者等配慮対策等級4 |
Bプラン | 基礎の高さや床下の通気性等 | 開口部の断熱性能等 | 建築基準法で求める地震力の1.25倍に対して耐えられる | 高齢者等配慮対策等級3 |
これらすべてに当てはまる必要はなく、4項目のうちのいずれか一つに該当すれば金利優遇を受けられます。
【フラット35】Sの適用ができない住宅でも、簡単な追加工事を行うことにより適用ができる場合があります。
金利の差額にもよりますが、フラット35をそのまま借り入れするよりも、追加工事を行い【フラット35】Sを適用する方が、工事費を含めても総額が抑えられてお得なプランにできることがあります。
詳しい基準については、住宅金融支援機構HPに記載がありますのでご確認ください。
【フラット35】S技術基準について(http://www.flat35.com/download/dl_tech.html)
すでに物件検査が行われており、適合証明がされている中古マンションは住宅金融支援機構のHPにある「中古マンションらくらく【フラット35】」に一覧で記載されています。検討している物件がらくらくフラットに登録されていると、適合証明省略に関する申出書がHPから印刷することができ、わざわざ検査を依頼する必要がありません。また、【フラット35】Sが適用される物件であるかもわかりますので、金利優遇が受けられるかどうかも同時にわかります。
検討している物件が、登録されているか一度確認してみましょう。
らくらく【フラット35】検索(http://www.flat35.com/f35ums/)
フラット35の基本から気になる情報までまるっと知りたい方は、こちらの記事も合わせて読んでみましょう。
フラット35を検討する場合には、住宅を購入する販売会社、請負会社の方に相談してみて下さい。
懇意にしている検査会社を紹介してもらえる場合や、手続きを代行してくれる会社もあります。
手続きには時間がかかることもあるので、余裕をもってスケジューリングをしましょう。
文:白石恵