セミリタイアで後悔することなく生活するためには、先を見越した準備が重要です。とくに生活費を含む資金面は、入念に計画を立てて蓄えることが必要です。
しかし、実際には念願のセミリタイアを達成しても、後悔するケースがあります。そこで、今回はセミリタイアで後悔することを8つ紹介し、後悔しないためのポイントを解説していきます。
セミリタイアとは
セミリタイアとは、一般に確かな定義があるわけではないものの、フルタイムの仕事から離れて、自分のペースに合わせた働き方で暮らすことを指します。たとえば、アルバイトをする、個人事業主として自分の得意分野で仕事をすることも含まれます
なかには、不動産投資などで生計を立てる人もいますが、いずれの場合にも共通しているのは、仕事を通して社会とのつながりを維持しつつ、自分に無理のない範囲で働くということです。無理のない範囲で働くことで、時間や気持ちに余裕を持てるようになるともいえます。
よく似た働き方に、アーリーリタイアやFIREがあります。ここでは、セミリタイアとの違いについて見ていきましょう。
アーリーリタイアとの違い
アーリーリタイアは、定年前に早期退職することを指します。退職後は、仕事から離れて働かない完全リタイアと、自分のペースで働くセミリタイアに分かれるため、セミリタイアはアーリーリタイアに含まれるといえます。
また、生活費においては、退職するまでに蓄えた資金や預貯金で生活することが特徴的です。自分に無理のない範囲で働くとしても、足りない部分は資金や預貯金から捻出する傾向があります。
そのため、退職するまでの間に十分な蓄えをしておくことが重要なポイントになるといえるでしょう。
FIREとの違い
FIREとは、社会人になって早い段階で、経済的自由を手に入れた働かなくても生活できる環境を指します。さらに細かく分けると、以下の4種類となります。
- ファットFIRE
保有資産が多くリタイアしたあともお金の心配をしないで生活できる状態 - リーンFIRE
無駄だと思うものには一切資金をさかず、必要最小限のライフスタイルを維持する状態 - バリスタFIRE
金融資産などから得られる不労所得と、パートやアルバイトなどの労働収入を両立している状態 - コーストFIRE
リタイアする前と変わらず働き、生活費は労働収入から捻出し、資産は運用し続けて手をつけない状態
いずれの場合も、共通して資産の元本を維持するよう運用することで、老後の資金を備えることができます。
セミリタイアで後悔すること8選
セミリタイアをして時間や精神的な余裕を持って生活することは、毎日忙しく働く方にとって憧れのライフスタイルでもあります。しかし、実際は後悔することも少なくありません。
どのようなことで後悔するのか、その内容について解説していきます。
お金が足りなくなった
最も後悔することとして、お金が足りなくなることが挙げられます。セミリタイアをするまでの間に、預貯金などである程度のお金を準備する方がほとんどだと思いますが、想像していたよりも生活費がかさんでしまうことも考えられます。
たとえば、ケガや病気、物価の高騰など、思いもよらぬ事態で出費が増える可能性があります。事前に十分な生活費を蓄えていたとしても、こうした予想外の出費があれば、蓄えから費用を捻出しなければなりません。
蓄えが自分の予想よりも早く減った場合には、毎月の生活費を節約して暮らすようになります。出費の金額にもよりますが、自身の生活レベルを下げる選択も検討しなければならなくなります。
また、蓄えに余裕がない場合は、万が一の支払いに対応できない、といったケースも考えられます。
想像していた生活と違った
自分の得意分野や好きなことを仕事にして、時間や精神的に自由な暮らしを思い描く方は多いと思いますが、思い通りにいかない場合もあります。
たとえば、自分が得意な領域で商品を販売したけれど、期待通りに売上が伸びないために、アルバイトをせざるを得ないといったことが考えられます。
セミリタイアをして地方に移住したけれど地域になじめず孤立した、育児や介護などの都合で思うように働けない、といったように、自分が掲げた理想的な生活から離れた現実に、後悔することもあるようです。
社会的な信用が下がった
会社に雇用されない状態で働いている場合、社会的な信用が下がることもあります。個人事業主やアルバイトなどで生活費を捻出している場合は、毎月安定した収入を得ることができないため、どうしても会社員よりも信用度が下がります。
- 各種ローンの契約
- 賃貸物件の契約
- クレジットカード作成 など
どんなに潤沢な蓄えがあったとしても、過去に返済の延滞をしたことがなくても、大きな金額の契約などの場合は、審査に通りにくくなる可能性が出てきます。
セミリタイア後にアルバイトや非正規雇用となる場合は、住宅ローンの融資や銀行からの融資など、社会的信用が重要視される契約などを退職前に済ませておくことも必要です。
日々に刺激がなくなった
退職する前は、仕事をしてやりがいを感じたり、資産を増やすために努力したりと、ある程度の刺激がある生活を送っています。しかし、退職したあとは、これまでとは生活が一変して刺激も少なくなり、後悔するケースも少なくありません。
たとえば、納期までタイトなスケジュールでもチームで協力しあって納品した、資産を増やす方法を模索して努力し続けた、などが挙げられます。こうした刺激が少なくなれば、日々の張り合いも落ちてしまうでしょう。
また、セミリタイアすることを目標にしてきた場合、達成したことで目標を失い、抜け殻のようになってしまう可能性もあります。 刺激の多い日常に慣れている場合は、刺激の少ない生活に不安を感じたり、飽きたりすることも考えられます。
心が満たされなくなった
セミリタイアすると、毎日出勤する必要がなくなります。
会社員時代にあったリズム感のある生活がなくなると、メリハリがなく、休日を満喫できなくなることも考えられるでしょう。
適度なストレスを感じている状態で過ごす休日は、リフレッシュすることで心も満たされます。しかし、あまりストレスがない状態だと、以前のようにはリフレッシュすることができず満たされないと感じるようになります。
心が満たされない状態になると、満足感を得たいという思いに駆られたり、セミリタイアしたことを後悔したりするケースもあるでしょう。
人間関係が希薄になった
セミリタイア後にどんな仕事をするかにもよりますが、退職前に比べると、人とのつながりや人間関係が希薄になる傾向があります。
これまで多くの社員がいる会社で働いていた場合は、年間を通して上司や部下、異動による人間関係の変化など、様々な人とのつながりがあったといえます。
しかし、セミリタイア後は働いていたときほどの人間関係は期待できず、場合によっては会話するのが家族だけ、バイト先の人だけといったようにコミュニティの幅が狭くなることも考えられます。
また、以前勤めていた会社の同僚や友人と、話が合わないと感じることも出てくるため、セミリタイアしたことを後悔するケースもあります。
世間体が悪くなった
セミリタイアした後は周囲から無職の人だと認識されることがあります。
とくに既婚者の場合は、近所付き合いや親戚関係など横のつながりもあるので、毎日のように家にいる生活に対し、なにかあったのか?と注目されることも考えられます。
無職であると噂になれば、その地域で生活しにくくなることもあるでしょう。
再就職が難しくなった
セミリタイア後の生活がうまくいかない場合、再就職を検討する方もいます。しかし、一般的に再就職は無職の期間が長いほど不利になるため、長くセミリタイア生活をしていた方ほど厳しい道のりになります。
また、再就職は年齢があがるほど厳しくなる傾向があるので、前職でよほど専門特化した技術や知識がある、大きな実績を残したなど、採用担当者の目にとまるキャリアがなければ難しいといえるでしょう。
セミリタイアで後悔しないために
セミリタイアという選択肢は、自由度が高い暮らしに見えて、後悔することもあることが分かりました。しかし、今後の働き方としては魅力的な選択でもあります。
そこで、セミリタイア前からやるべき準備をいくつかピックアップしてみました。将来的にセミリタイアを予定している方、後悔することなくエンジョイしたい方はぜひチェックしてください。
セミリタイア後の生活をイメージしておく
これからセミリタイアをしたい場合、退職後の生活をしっかりとイメージすることが大切です。ポジティブな意味合いだけでなく、ウィークポイントになるところも踏まえて考えてみてください。
たとえば、今と変わらない場所に住むのか、移住するのか、仕事はなにをするのか、働き方はどうするのかなどが挙げられます。もしも、移住するなら、家賃や物価の相場なども調べておく必要があります。
地域によっては食べ物や味付けなども異なるので、移住を検討する地域について詳しく調査する必要があるでしょう。
また、働き方によっても生活は変わります。投資などの不労所得で生活するのか、アルバイトで生活費を補填するのかでは、ライフスタイルは大きく異なります。
セミリタイア後の生活をしっかりとイメージして、入念に準備しておくとよいでしょう。
十分な資金を用意しておく
生活費や車の維持費、住居費、スマホ代といった固定費など、十分なお金を用意しておくことも大事なポイントです。
加齢とともに病院へ行く回数が増えることも想定し、車を手放したあとの交通費、そのほか予期せぬ事態も含め、余裕をもった金額で計算してみてください。
「家計調査 2022年(令和4年)平均」によると、二人以上の世帯の平均支出は月290,865円です。29万円として計算すると、30年間で1億440万円の支出が発生することになります。
何歳からセミリタイアをするかによっては必要資金も変わりますが、将来の支出を想定してしっかりと準備しておく必要があります
十分な資金を用意するためには、若いうちから投資や貯金などをしてコツコツ資産を増やしましょう。
参照:総務省統計局
社会的な信用を積みあげておく
仕事を辞めて無職や非正規雇用となる場合、社会的な信用はどうしても低くなってしまいます。そのため、できるだけローンなどは、退職前に組んでおくことをおすすめします。
また、若いうちからクレジットカードを活用して支払うことで個人信用情報に期限を守って支払いをしてきたという記録を残すことも重要です。こうした与信取引での信用を積みあげることで、セミリタイア後に与信取引が必要となった場合も、信用性をアピールすることができます。
加えて、退職後に住宅ローン契約や不動産投資を検討している会社経営者や自営業者は、法人決算や確定申告の3期を終えてから経営を退くというのもひとつの方法です。不動産ローンの審査の際、3期分の法人決算書や確定申告書の提出を求められるケースが多いことがその理由です。
金融機関によっては決算1期でもローンが組めるところもありますが、決算3期を基準としているところが多いので覚えておきましょう。
人間関係を良好にしておく
家族や仕事はもちろん、友人・知人とのつながりを広めておくことも大事なポイントです。セミリタイアをすると人との交流が少なくなる傾向があります。
セミリタイア後の生活を心地よく過ごすためにも人間関係を良好にするよう心がけましょう。
また、セミリタイアを目指している人や実際に実践している人とのつながりも欲しいところです。SNSを使っての人脈づくりは拡散力も強く、情報交換しやすいこともメリットでしょう。
セミリタイアの準備として不動産投資を始めるケースもありますが、成功率はどうでしょうか?こちらでは、不動産投資の成功する人の特徴について解説しております。
まとめ
セミリタイアは、自分の好きなことや得意なことを仕事にできる、無理のない範囲で働くといった、魅力ある人生の選択肢です。家にいる時間が増え、精神的・時間的な余裕を持てるメリットもあります。
しかし、実際にセミリタイアした方のなかには、自分の選択を後悔する人も少なくありません。その理由として、セミリタイア後の生活がうまくいかないことが挙げられますが、
事前準備や退職後の働き方次第では、自分が思い描く理想のライフスタイルを手にできる可能性は十分あります。
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