家を購入をする際にまず考えるのは資金のことですよね。1つの金融機関から住宅ローンを組んで買う場合がほとんどだと思います。
しかし、住宅ローンを複数組むことはできないのでしょうか?
一言に住宅ローンといってもそれぞれいいところがあります。そこで今回は住宅ローンを複数組んでいいとこどりできないのか?できるとしたらどうするのか?
そんな疑問について住宅ローンスペシャリストに聞いてきました。CONTENTS
- そもそも住宅ローンの審査ってどういう手順なの?
- 住宅ローンの審査って複数できるの?
- 住宅ローン正式審査は複数受けないほうがいい
- 住宅ローンを複数契約するやり方
- 1人で借り入れる場合:ミックスローン
- 複数人で借り入れる場合:ペアローン
- 今回のポイント!
- 正式審査・事前審査どちらも複数受けることはできるが、正式審査を複数受けるには時間も、お金もかかるためメリットはないと考えていい。
- 住宅ローンを複数組む方法は3つ。夫婦で組むペアローンと、別々の金利タイプで組むミックスローン、フラット35と民間金融の住宅ローンで組む協調融資。
そもそも住宅ローンの審査ってどういう手順なの?
赤神さん!今日はよろしくお願いします。
住宅ローンって金融機関によってさまざま種類があると思うんですが、住宅ローンを組む手順自体に大きな差はないですよね?
住宅ローンって金融機関によってさまざま種類があると思うんですが、住宅ローンを組む手順自体に大きな差はないですよね?
そうですね。今回、複数の住宅ローンを組むことについて説明していきますが、まずは住宅ローンを組んで家を購入するまでの手順からおさらいしていきましょう。
ぞれぞれの手順で並行して進まなければならないところもあるんですね。
家を購入するために住宅ローンを借りるので同時並行で行わなければならないんですよ!今回はザックリと流れをつかんでもらえればOKです!
住宅ローンの審査って複数できるの?
早速本題なんですが、契約する住宅ローンの数だけ審査も行う必要がありますよね?『事前審査(仮審査)』、『正式審査(本審査)』どちらも複数違う金融機関に申し込んでいいのでしょうか?
問題はありません。では複数申し込むことについて詳しく見ていきましょう
住宅ローンの事前審査を複数受ける場合
そもそも、事前審査がなぜ必要かご存知ですか?
うーん。住宅ローンは大きな金額を借りるから借主がしっかりと返済できるか調べるためとかですか?
正解です!より詳しく言うと先ほど確認した手順で事前審査の後に売買契約を組む流れになっていますが、これは借主が事前審査を行うことで住宅ローンが借りられるか目星をつけるために行われるのです。
売買契約したのに住宅ローンを借りられなくて買えませんでしたってなると売主さんも困ってしまいますね。事前審査だとどのようなことを審査されるのですか?
大きく、上記のようなことが聞かれます。ここでは借主が住宅ローンを借りてもしっかり返せるのか個人の返済能力が判断されます。
事前審査を複数受けるメリット
落ちてしまうことも考えたら複数受けて審査に通るかどうか確認した方がいいですよね!
基本的には、2~3の金融機関で事前審査を受けるといいと思います。メガバンクの場合や、地方銀行の場合だと、審査結果によってはインターネットに掲載されている金利より優遇される場合があります。
事前審査を複数受けるデメリット
逆にデメリットってあるんですか?
強いて言うならば少し手間がかかってしまうくらいですかね。あと注意しなければいけない点は、あまりにも多くの金融機関に事前審査を申し込むことです。これは正式審査に影響が出る可能性があります。
多く受ければいいってことじゃないんですね。でも、大きな金額を長い時間かけて返すからこそ候補はたくさんあった方がいいんじゃないですか?
もちろんたくさんの住宅ローンを候補として出すことはすごく大切です。しかし事前審査を行う前2~3社に絞ることをおすすめします。事前審査を行うときに信用情報機関で個人信用情報というものを審査先に見られます。申し込みをするたびに参照履歴が残りますので、この回数が多いと何社も不承認になったのかと不審に思われてしまい正式審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
※個人信用情報:氏名、住所、生年月日、勤務先、をはじめその人がいつ、どこで、どのような借入や、借入の申し込みを行ったのか、正常に返済できているのか等、あらゆる借入(カードローン、分割払い、住宅ローン等)に関する情報
確かに、なんでこんなにたくさんって不審に思ってしまいます!まずは自分にメリットの大きなものからピックアップしてから審査に出すものを選ぶことが大切なのですね。
住宅ローン正式審査は複数受けないほうがいい
住宅ローンの正式審査は複数受けられます。しかし、複数受けてもメリットはないと考えていいでしょう。事前審査と違い正式審査は時間も用意する書類など手間もお金も多くかかってしまいます。
これを何回も用意するとなると苦労しそうですね。でも、事前審査が承認されても正式審査は不承認になる可能性もありますよね?
事前審査に通過することができればほとんどの場合、正式審査も承認されると考えていいと思います。ただし事前審査と正式審査の申し込み内容に変わりがないことが条件になりますが。
事前審査で承認になったからと気を抜かない方がいいですね。
住宅ローンを複数契約するやり方
住宅ローン自体も複数組むことは可能ですよね?
1つの物件に対して複数の住宅ローンを組むということですよね?1人で複数借りる場合のミックスローンと夫婦それぞれで借りる場合のペアローン2つがあります。
それぞれで呼び方が違うんですね!ぜひ教えてください!
1人で借り入れる場合:ミックスローン
そもそも、1人で複数同時に組むことをミックスローンといいます。
なんで複数なのに『ミックス』なのですか?
『変動金利+固定金利』だけでなく『10年固定+長期固定』、異なる金利タイプの商品の組み合わせをするからミックスローンと言うんですよ!
じゃあ、『固定金利+固定金利』と『変動金利+変動金利』の場合はないのですか?
金融機関によってはその場合もミックスローンということがありますが、契約書を2枚書かなければいけないなど手間が掛かってしまいます。同じ金利タイプで複数借りる場合のメリットは印紙税の節税ができるところですね。本来のミックスローンは金利をミックスしてお互いのメリット、デメリットを補うためにあるんですよ!
そういうことだったんですね。ほかに注意する点は何かありますか?
借り入れ先は同じ金融機関じゃないとミックスローンは組めない点があります。抵当権の問題上、違う金融機関で住宅ローンを組んでしまうと金融機関が債権の保全ができず返済のリスクを回避できなくるのが主な理由です。
抵当権:借主が住宅ローンの返済をできなくなった場合に金融機関が、借主の家を売りそのお金を住宅ローン残高の返済に充てることができる権利。
例外はないのですか?
協調融資といってフラット35と民間金融の金融機関の住宅ローンを合わせた借り方の場合なら別々の金融機関で借入ができることがありますが、ほとんどの民間金融機関でフラット35の取り扱いがあるためこういったパターンはあまりないです。
複数人で借り入れる場合:ペアローン
ミックスローンの場合と違いはありますか?
ペアローンは夫婦それぞれで住宅ローンを借ります。個人の年収で借入可能額が決まるため、一人で借りる場合よりも借入可能額が増える場合が多いところが特長です。
ある程度の妥協をして無理な住宅ローンを組まない方がいいのは当然だと思いますが、理想の家を購入するためにペアローンを組むのはいいですね!ペアローンを組む際に注意する点はありませんか?
そうですね!お得に借り入れたいと考えているなら、住宅ローン控除(※)を気にする必要があります。利用条件に建物の所有権を持っている必要があるため「土地は夫、建物は妻」というように土地と建物で所有権を分けていると土地の所有権だけを持っている方は住宅ローン控除を受けられないので注意が必要です。
※住宅ローン控除:年末に住宅ローン残高の1%が所得税から引かれる制度
詳しくはこちらをご覧ください。
住宅ローン選びをするときは金利以外にもたくさんの要因を確認する必要がありますね。
住宅ローンの正式審査は同時に行うの?
ミックスローン・ペアローンが何なのかわかったのですが、どちらも2つの住宅ローンを組みますよね?そうなると住宅ローンを組むための手順も同時進行で行っていけば借り入れができますよね?
ペアローンで組んだ時、同時並行で行います。しかし、ミックスローンに関しては通常の手続きと変わらず、金消契約が2本に増えるだけなので代金支払いの時に支払いができれば大丈夫です。例えば、3000万円の家を買う場合に1500万円ずつ別々に住宅ローンを組んでタイミングがずれていたら、物件引渡しの際に1500万円の融資しかおりず物件引渡し時に残代金を支払えない可能性が出てきてしまうためペアローンは同時進行で行います。
今回のポイント!
それぞれの住宅ローンの組み方にメリットがあるのでしっかり比較することが大切です。
金利の安さだけを見ないで自分にあった住宅ローン選びをして欲しい家を買いたいですね!
住宅ローンについてもっと知りたい・・・
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