マイホームの購入を検討していると頭金という言葉をよく耳にしますよね。頭金は事前に準備が必要な資金ということは何となく分かっているけれど、いつまでにどれくらい用意しておくべきなのかよくわからない方も多いようです。
そこで今回は住宅ローンを組む際「いったいどれぐらい頭金を用意するべきなのか?」と悩んでしまうという方からのご相談に、日本一住宅ローンに詳しいと自負する住宅ローン博士「窪田光洋」がお答えします。
住宅ローンの頭金は目安としていくら必要なのか?
色々な家を見ているだけでテンションが上がり、家が欲しい気持ちが高まりました!
色々調べると、2割の頭金が必要とか、低金利だから0円でもいいという情報があります。先輩がどう考えればいいのか迷ってしまっていて。
住宅ローンの頭金をみんなどれぐらい用意してる?
フラット35について詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
頭金を多く用意するメリットとは
1. 毎月の返済額や総支払額を減らすことができる
例えば、下記の条件で実際にどれぐらい違うのかをみていきましょう。
【条件】
・マンション価格:5,500万円
・金利:1.2%
・借入期間:35年
●頭金0円
・住宅ローン額:5,500万円
・毎月返済額:160,436円
・総返済額:6,738万円
●頭金700万円
住宅ローンは4,800万円
・毎月返済額:140,017円
・総返済額:5880万円
毎月の支払額の差額は20,419円、総支払額は約857万円の差額がでます。借入金額が少なくなることで借入にかかる諸費用も少なくて済みます。
また、頭金の分だけ借入額が減るため審査にも通りやすくなります。審査に落ちた方で、頭金を用意して再審査したらローンの承認がおりた事例などもあるんです。
2. 購入できる家の選択肢が増える
頭金が多ければ、住宅ローンの借り入れ限度額以上の予算で家を選ぶことができるので、選択肢を増やすことができるのです。
住宅ローンは、無制限に借りられるわけではありません。年収や勤続年数などによって借りられる金額の上限があります。また住宅ローンの審査で希望金額の全額が借りられず、一部だけしか借りられなかった場合(減額承認といいます)にも頭金は役に立ちます。
欲しい家が4200万円だった場合、住宅ローンを全額借りられればいいのですが、借りられる金額の上限が3800万円だった場合、頭金がなければ購入する家を変えるしかありません。しかし、頭金があれば足りない分を補填して希望の家を購入することができます。
3. 住宅ローンを有利に借りられるかも
実は、頭金の比率によって住宅ローンの金利が下がる金融機関が多いのです。
各金融機関には基準となる金利があり、優遇できる条件がそろえば基準金利から何%かの金利優遇が受けられます。頭金の比率で優遇幅が増え、金利を下げられるのです。
頭金による金利優遇は0.1%~0.2%ですが、住宅ローンは返済期間が長いので、差額は大きくなります。
例えば35年元利均等で2000万円借り入れした場合、金利1.2%だと総返済額は24,502,991円ですが、1.1%だと24,105,486円となり差額は約40万円(397,505円)にもなります。
住宅ローンの頭金の考え方
それは、下記の3つのポイントです。
(1)フラット35なら頭金2割以上がオススメ
(2)ライフイベントに影響がでるくらい大きな金額の頭金の額はさける
(3)毎月の返済額に無理がないならフルローンもアリ
フラット35ならば頭金2割以上がオススメ
たとえば住宅ローン専門金融機関ARUHIの場合ですが、2017年10月では約0.1%金利がお得になります。
出典:https://www.aruhi-corp.co.jp/rate/
ライフイベントに影響がでない範囲で頭金を用意
毎月返済額に無理がない金額ならば、フルローンも有り
たとえば毎月の手取り30万円の35歳の方が、フルローンで支払額が6万円なら大丈夫だと思いますが、これが18万円だと、さすがにリスクが高いんじゃないかと思います。大切なのは、毎月無理なく支払いできる金額なのかどうかです。
住宅ローン控除の恩恵を受けるため頭金をおさえる
例えば、
・住宅ローン残高が返済開始から10年間4,000万円を超えている
・年間の所得税と住民税で40万円以上支払っている
上記の条件を満たしていれば、年間で40万円が戻って来る可能性があります。
住宅ローン控除のメリットを最大限うけるために、年末ローン残高上限をあえて10年後まで4,000万円以上残すという選択肢です。そして、10年間は金利の低い変動金利で金利をおさえて、毎月の支払額に余裕をもたせる。
そして住宅ローン減税がおわるタイミングで繰り上げ返済を行う。
変動金利は金利が上昇するリスクはもちろんありますが、住宅ローン控除のメリットを活用するにはこちらの方法がおすすめです。
世帯年収が高く、5000万円以上の物件を検討されている方々などは、メリットを最大限受けられる可能性が高いですね。
都内23区でマンションを検討している方々などは確認してみてください。
住宅ローンには諸費用がかかることを忘れないで
頭金の額を考える際に忘れてはいけないのは「諸費用」です。具体的には、金融機関に支払う手数料や保証料、そして物件を登記する費用などをいいます。
諸費用は物件価額の1割ほど必要です。仮に物件価格の1割を頭金として用意する場合、諸費用でも1割程度の現金が必要なため、手元の資金としては物件価額の2割を用意しておくと良いでしょう。諸費用に関しては、諸費用ローンを申し込める場合もありますので、まずは1割以上の頭金を目安に貯金していくとマイホーム購入が現実的になります。
諸費用についてのお悩みを専門家による無料相談で解決!
物件価格とは別に必要となる諸費用。物件価格は分かっているものの、どのくらい用意するべきなのか不明な点も多くあると思います。
マイホームを購入するために必要な資金についてのお悩みを、専門家が無料相談でサポートします。
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