マンションや一戸建てなど、マイホームを購入した際にどうしても気になるのが、固定資産税です。
今回はマンションや一戸建ての固定資産税の金額や計算方法などを、いえーる 住宅ローンの窓口 ONLINE編集部の大学生インターンが日本一住宅ローンに詳しいと自負する住宅ローン博士「窪田光洋」に質問しました。
マンションや一戸建ての固定資産税っていくらぐらいか?
住宅ローン返済費、管理費など色々とお金がかかるので購入前に目安を知りたいです。
マンションなどの不動産を購入すると、固定資産税を支払う必要があります。とくに住宅を購入する前に、住宅ローンや管理費などとあわせて、いくらぐらい支払う必要があるのかを把握することはとても大切です。
固定資産税について知っておきたい5つのポイント
1.誰が固定資産税を支払わなければいかないのか
納税しなければならない人は、1月1日時点での、その不動産の所有者です。
そのため、1月15日に不動産を売却して他人の手に渡ったとしたとしても、1月1日に所有していればその年に支払う義務があります。
2.誰に対して支払うのか
固定資産税の納付先は、市区町村です。但し、東京都の23区は「都」が課税します。
3.いつ固定資産税を支払うのか
基準となる1月1日時点の所有者に対して納付書が送付されます。各地方自治体によって納付書が送られる時期が異なりますが、一般的には毎年4~6月の間が多いです。
納付書が届くと、年額を第1期から4期の4回に分けて納付するようになっています。この4回の納付期限についても各自治体で異なります。
納付期限の期日を過ぎ、一定の期間が過ぎると督促状が届き、超過した期日分の延滞金を追加納税しなければならなくなりますので、「忘れていた!」ということがないように気をつける必要があります。
4.固定資産税はずっと支払う必要があるのか
固定資産税は、その不動産を所有している限りずっと支払わなければなりません。ただし、同じ額を毎年支払う訳ではありません。
地価の変動により、3年ごとに評価が見直されます。地価が急激に上がれば高くなる可能性もありますが、安くなればそれに応じて納税額が下がります。
また、基本的に住宅は古くなれば評価が下がるので、固定資産税の納付額は安くなる傾向にあります。
5.一戸建てとマンションの固定資産税はどっちが高いのか
築年数が経過した場合は、マンションの方が固定資産税の課税金額が高めになっています。
なぜなら、一戸建てとマンションでは建物の構造が違います。税法上では一般的な木造の一戸建ては法定耐用年数が22年であるのに対し、鉄筋コンクリートのマンションでは、47年とされています。
つまり、木造住宅では22年経過すれば建物の評価がなくなってしまうのですが、マンションは建物の評価が無くなるまでの期間が長いので、固定資産税額も長く払い続けなければなりません。
固定資産税の軽減措置とは
固定資産税には優遇制度があります。新築の場合には減価率が低いため、固定資産税が高くなってしまいます。そのため、新築の場合には固定資産税は所定の期間優遇されるという措置があります。
長期優良物件の場合
- マンション:築後7年→固定資産税が2分の1
- 戸建て住宅:築後5年→固定資産税が2分の1
一般住宅の場合
- 3階建て以上の耐火構造、準耐火構造住宅:築後5年→固定資産税が2分の1
- その他の一般住宅:築後3年→固定資産税が2分の1
ご自身が購入しようとしている物件がどの建物の属するのかはハウスメーカーに聞いてみましょう。
宅地
宅地についても軽減措置があります。
- 小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)→固定資産税評価額が6分の1になる
- 一般住宅用地(200平方メートル超の部分)→固定資産税評価額が3分の1になる
つまり、300平方メートルの土地(路線価10万円、評点1(100%))に長期優良の戸建て住宅(再調達価格3,000万円)を建築した場合の初年度の固定資産税です。
(小規模部分)200平方メートル×10万円×6分の1=333万円
(一般部分)100平方メートル×10万円×3分の1=333万円
土地固定資産税=(333万円+333万円)×1.4%=約93,000円
建物固定資産税=3,000万円×1.4%÷2分の1=21万円
合計で30万3千円程度の固定資産税となります。
新築の住宅を購入した場合、最初の数年間は軽減してもらえるのは助かりますね!
固定資産税の計算方法
固定資産税は、
◎固定資産税 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)
という方法で求めることができます。
固定資産税評価額、標準税率ってなんでしょうか。
固定資産税評価額とは
固定資産税評価額は、固定資産税を算出するための不動産の基準価格です。なぜ、そのままの不動産価格ではないんだ?と疑問に思われたかもしれません。
◎固定資産税評価額 = 固定資産税路線価 × 土地面積 × 評点
路線価ニュースとかで聞いたことがある気がします!
固定資産税路線価とは
固定資産税路線価とは、道路に付けられた価格を示します。その道路に接している土地の1平方メートルあたりの価格を示しています。
路線価10万円の道路に接している土地は1平方メートルあたり10万円の評価額となり、路線価5万円の道路に接している土地は1平方メートルあたり5万円の評価額となります。
固定資産税路線価は市区町村が定めているため、役所に行けば知ることができます。また一部の地域の固定資産税路線価はインターネットでも確認することができます。
土地面積とは
面積は登記簿謄本に登記されている面積です。
評点とは
評点とは、路線価から土地の立地や形状などによって路線価から加減を行い、補正を行うことを示します。評点の決め方は間口の広さなど、さまざまな条件によって決められます。
つまり、3年に1回決まる路線価や評点を出して固定資産税評価額というものが決まるのですね。
固定資産税額を把握して計画的な生活設計を
住宅ローンを購入すると、固定資産税を毎年支払っていかなければなりません。計画的な生活設計を行うためには、自分が購入しようとしている物件の固定資産税がいくらくらいになるのかを事前に知っておくことが重要です。
固定資産の税率は1.4%です。
建物や土地の固定資産税評価額に1.4%を乗じることで、固定資産税を求めることができます。固定資産税評価額の計算はやろうと思えば自分で行うことも不可能ではありませんが非常に複雑です。
不動産屋さんやハウスメーカーや役所の税務課などに聞けばおおよその金額を教えてくれます。購入前には1度、評価額を試算してみましょう。
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