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【中級者に贈る】住宅ローン選びの重要性をあなたは知らない|住宅ローンの選び方

住宅ローンに関するブロガーとして著名な千日太郎さん。過去にお話しいただいた「ボーナス払い ダメ、絶対」「今の低金利時代に定期預金なんて勿体ない?ならば住宅ローンを繰上返済しよう」が大変好評だったため、今回はシリーズで住宅ローンの選び方について語っていただきます。自身がマイホームを購入した経験と、ブログで受け付ける住宅ローン相談に答えることによって蓄積される知識を元に編み出された「千日メソッド」を大公開。(いえーる 住宅ローンの窓口 ONLINE編集部)

お久しぶりです、千日です。今回は全5回のシリーズで、住宅ローンの選び方についてお話しようと思います。

第1回:自分にとっての住宅ローンとは何か?をあなたは知らない
第2回:変動金利とは何か?をあなたは知らない
第3回:固定金利とは何か?をあなたは知らない
第4回:「当初固定金利」とは何か?をあなたは知らない
第5回(前編):固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
第5回(後編):一定期間固定金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない

このくらいのことはさすがに知ってるよ、と思われる方もいるかもしれません。でも実際は多くの人がこれらの事を知らずに住宅ローンを組み、家を買っています。知らなくても、不動産屋や銀行の担当者が言う通りにすれば家を買えるからです。

1.あなたはまだ住宅ローンとは何かを知らない

そろそろ自分の家を持とうと思いたった初期に、多くの人がまず取る行動は住宅雑誌を購読したり、モデルルーム、住宅展示場などへ行って情報収集することだと思います。それが家を買う方法だ、という人が大勢を占めているからですよね。

まずは、どんなものか知っておかなくちゃ。

ということです。その段階では住宅ローンはまだ本当の姿を見せません。不動産屋や住宅展示場で感じる住宅ローンの存在は、「代金の支払い方法」のようなニュアンスです。買い物の価格としては高価な宝飾品や高級車を購入するのに近いかもしれません。しかし、マイホームの購入対象となる家は不動産であり、生活の基盤です。これまで経験したことのある、いわゆる高価な買い物とは一線を画するものです。

そして、家探しと同時進行で住宅ローンの相談もするでしょう。この値段なら、毎月の返済はこのくらいです、といったシミュレーションを見せてもらうんですよね。多くは不動産屋の提携ローンの中で一番金利の低い変動金利でのシミュレーションです。

「私どもの提携ローンで審査に通るならこの家を買えますよ。」

その通り、銀行の審査に通れば、誰でも家を買うことが出来ます。しかし、審査に通っても誰もが不安に思うんです。

この住宅ローンは本当に返せるのか?

この不安の正体は何か?わたしは本能が鳴らす警鐘なのだと思います。住宅ローンを選ぶときに、本当に考慮しなければならない情報が与えられていない、というリスクに対する危険信号です。
しかし、誰もそれについて懇切丁寧に教えてくれません。全くノータッチなんです。

そんなことをしても、一銭にもならないと思っているからです。本当はそんなこと無いんですけどね。そして多くの人は、本能の警鐘にフタをして、だましだまし家を買っているのが現状です。心配なことは心配だけど、それでも家が欲しいと思った人達で、千日もまたその一人です。

経営学者のトーマス・ドラッカーの言葉にこういうのがありますね。

客はドリルが欲しいのではない、穴が欲しいのだ。

この言葉は売る側に対して発せられているメッセージですが、買う側の我々にとっても有益な言葉だと思います。我々はドリルが欲しいのではなく、穴が欲しいんですよ。

この例えを住宅ローンに当てはめてみましょう。

『ドリル』とは融資される家の購入資金や表面的な金利です。では、『穴』とは?

住宅ローンで家を買うことで、即金では購入できない家に住み、さらに老後に不安の無い人生を手に入れることではないでしょうか。これをさらに具体的に言葉にすると以下の2点にまとめられます。

✓毎月の返済を無理なく行えること
✓住宅ローンを完済した上で老後の生活資金を残せること

住宅ローンについて、調べ始めるとそれこそ多くの情報の渦に巻き込まれます。考慮すべき事項が多すぎて、何を軸に判断すればいいのか分からなくなってくるんですよ。千日もそうでした。考えすぎて知恵熱を出しました。人間、考えすぎると本当に熱が出るんですよね(笑)。

しかし、売り手である金融機関がアピールしているのは、全てが『ドリル』のスペックなんです。我々は『穴』に集中すれば良いんです。

大事なことなので、もう一度書きます。

✓毎月の返済を無理なく行えること
✓住宅ローンを完済した上で老後の生活資金を残せること

2.毎月の返済を無理なく行えるか?金利ではなく実際の返済額で判断する

住宅ローンで家を購入するということは?と聞かれたら、私は次のように答えます。

35年ならば420回、銀行に決まったお金を払うことだよ。

これが正確な定義でないことは、百も承知です。しかし、住宅ローンで家を購入しているほとんどの人に当てはまる本質なんです。元利均等返済ならば、毎月同じ金額ですよね。それを最大420回クリアすれば、住宅ローンは終わりゲームクリアです。

問題になるのは、420回のミッションの中でミスをしてしまうリスクです。自分が420回ノーミスでできることを想像してみてください。縄跳びや住所のあて名書きのようによほどハードルを下げないと難しいんです。

じゃあ、金利が一番安いところにすればいい?

住宅ローンについて銀行のホームページ調べると一番目につくのは『金利』ですよね、一番目立つところに一番大きな文字で書かれています。

なので、金利の安さを追求するのが一番いいのか?

いいえ、必ず毎月の返済額にすると幾らになるか計算して判断するようにします。今は元々低金利なので、各行が低金利を競っているんですけど、金利が最安の銀行というのは大抵『融資手数料』が高いんです。

融資手数料は文字通り融資するための手数料ですから、最初に払って払いきりとなります。
これに対して毎月の返済額は毎月の支払いですよね。

毎月の返済は少なくなる代わりに最初に高い手数料を払うというカラクリなんです。

ですから、具体的に金額で把握する必要があるんです。金利だけに目を奪われて住宅ローンを決めると『安物買いの銭失い』になりかねませんよ。

3.60歳の時の残高は幾らになるか?1千万円を超えるなら要注意

不動産屋や銀行で住宅ローンのシミュレーションをしてもらうと、たいてい最長の35年で計算されますよね。なぜかというと、毎月の返済額の負担を減らしハードルを下げるためです。

毎月の返済額が少ないと、年収に対する住宅ローンの負担が小さくなりますから、金融機関の審査にも通りやすくなります。これ、まめ知識です。

しかしながら、です。

多くの人は住宅ローンのシミュレーションの年数より先に定年退職を迎えるはずですよね。ですから、実際には繰上返済することを前提にしたシミュレーションなんです。

ですから、定年の60歳の時の残高が幾らになるか?というのは重要です。その金額を60歳になるまでに繰上返済しないと、収入のある現役のうちに住宅ローンが終わらないからです。

退職金で払えばいいよ。親もそうして住宅ローンを完済したし…

もしもこのように考えているのであれば、今すぐ考えを改めてください。

親世代は良いんですよ。少子高齢化社会ですが、まだ働き手の方が多いですからね。団塊の世代の子供である団塊ジュニアが現役で働いて、税金や保険料を払っています。退職金を使い果たしても、年金で普通の生活ができているんです。

しかし、彼らがリタイアして年金を受け取る立場になったら?現在、よほどの高給取りで多額の年金を払っていない限りは、今の親世代が受け取っているレベルの年金はもらえません。

自分の親と同じ位の収入レベルだという場合は「親がそうしたから」という理由で、親が今の老後を維持するためにやったことと同じことをやっていると、我々の時は老後破産してしまうのです。

現役時代に稼ぐ給料を貯蓄して完済し、退職金には手を付けず、住宅ローンとは別に貯める老後資金にオンするような返済計画を立てましょう。

ですから、60歳のときの残高で1千万円を超えるというのは、結構危ないんです。老後の資金とは別に、一般的なサラリーマンの給料で1千万円を貯めるというのは結構な年数が必要です。

定年退職の直前期というのは、子どもの年齢的に大学進学などで出費がかさみ易い時期です。また自分の年齢的にも健康上の問題などが表面化しやすい時期でもあります。定年の数年前に何らかのアクシデントが発生して貯金が底を尽いた場合、そこからさらにどれだけの金額を貯蓄できるか?

不動産屋の営業マンや銀行の融資担当者が出してくる35年の住宅ローンシミュレーションをただ、受け身で眺めていてはダメなんですよね。自分が老後を生きるための繰上返済の計画をしっかり立てる必要があるんです。

それはシミュレーションでは提供してもらえません。

4.まとめ~自分にとっての住宅ローンとは何か?

自分にとっての住宅ローンとは?という命題に対して、ちゃんとした答えを持つことが最も失敗の無い選択につながると思っています。

ちなみに、不動産屋にとっての住宅ローンとは『審査を通すもの』です。彼らにとっては家を売ることがゴールだからです。『家売るオンナ』っていうドラマがありましたよね。千日はドラマの内容より、北川景子さんの顔を見るためにドラマを見てました(笑)。

ドラマの中での北川景子さんの決め台詞『この家、買っていただけますか?』は実に象徴的です。これが不動産屋の全てです。ドラマもお客が家を買ったところがゴールで、大団円を迎えるんですよね。

しかし、我々にとって審査はゴールではなく、そしてスタートですらありません。

銀行にとっての住宅ローンとは『利息と元本を回収するもの』です。彼らは融資したお金の利息で儲けているからです。退職金でもなんでも最後まで元本と利息を回収できれば、めでたしめでたしですよね。

その後、貯金を使い果たした利用者が老後破産しても、それは彼らのあずかり知らないことなんです。

我々にとっての住宅ローンは、『即金では購入できない家に住み、さらに老後に不安の無い人生を手に入れること』です。家族の生活と人生を守る堅牢な容れ物を手に入れ、維持し続けるには十分な貯蓄と収入が必要です。

住宅ローンで家を買うというのは、ただ審査を通してお金を借りるということだけではなく、完済までの資金計画、完済後の老後資金も含めて、家族と自分の人生を守る計画を含むものなのですよ。

家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本
千日 太郎 (著) / 日本実業出版社

文:

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人生の一大イベントであるマイホーム購入。後悔したくないですよね。そして、マイホーム購入をするにあたり必要不可欠な住宅ローン選びも非常に重要です。
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住宅ローンの選び方【中級編】by 千日太郎
第1回:自分にとっての住宅ローンとは何か?をあなたは知らない
第2回:変動金利とは何か?をあなたは知らない
第3回:固定金利とは何か?をあなたは知らない
第4回:「当初固定金利」とは何か?をあなたは知らない
第5回(前編):固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
第5回(後編):一定期間固定金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない

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