2.毎月の返済を無理なく行えるか?金利ではなく実際の返済額で判断する
住宅ローンで家を購入するということは?と聞かれたら、私は次のように答えます。
35年ならば420回、銀行に決まったお金を払うことだよ。
これが正確な定義でないことは、百も承知です。しかし、住宅ローンで家を購入しているほとんどの人に当てはまる本質なんです。元利均等返済ならば、毎月同じ金額ですよね。それを最大420回クリアすれば、住宅ローンは終わりゲームクリアです。
問題になるのは、420回のミッションの中でミスをしてしまうリスクです。自分が420回ノーミスでできることを想像してみてください。縄跳びや住所のあて名書きのようによほどハードルを下げないと難しいんです。
じゃあ、金利が一番安いところにすればいい?
住宅ローンについて銀行のホームページ調べると一番目につくのは『金利』ですよね、一番目立つところに一番大きな文字で書かれています。
なので、金利の安さを追求するのが一番いいのか?
いいえ、必ず毎月の返済額にすると幾らになるか計算して判断するようにします。今は元々低金利なので、各行が低金利を競っているんですけど、金利が最安の銀行というのは大抵『融資手数料』が高いんです。
融資手数料は文字通り融資するための手数料ですから、最初に払って払いきりとなります。
これに対して毎月の返済額は毎月の支払いですよね。
毎月の返済は少なくなる代わりに最初に高い手数料を払うというカラクリなんです。
ですから、具体的に金額で把握する必要があるんです。金利だけに目を奪われて住宅ローンを決めると『安物買いの銭失い』になりかねませんよ。
3.60歳の時の残高は幾らになるか?1千万円を超えるなら要注意
不動産屋や銀行で住宅ローンのシミュレーションをしてもらうと、たいてい最長の35年で計算されますよね。なぜかというと、毎月の返済額の負担を減らしハードルを下げるためです。
毎月の返済額が少ないと、年収に対する住宅ローンの負担が小さくなりますから、金融機関の審査にも通りやすくなります。これ、まめ知識です。
しかしながら、です。
多くの人は住宅ローンのシミュレーションの年数より先に定年退職を迎えるはずですよね。ですから、実際には繰上返済することを前提にしたシミュレーションなんです。
ですから、定年の60歳の時の残高が幾らになるか?というのは重要です。その金額を60歳になるまでに繰上返済しないと、収入のある現役のうちに住宅ローンが終わらないからです。
退職金で払えばいいよ。親もそうして住宅ローンを完済したし…
もしもこのように考えているのであれば、今すぐ考えを改めてください。
親世代は良いんですよ。少子高齢化社会ですが、まだ働き手の方が多いですからね。団塊の世代の子供である団塊ジュニアが現役で働いて、税金や保険料を払っています。退職金を使い果たしても、年金で普通の生活ができているんです。
しかし、彼らがリタイアして年金を受け取る立場になったら?現在、よほどの高給取りで多額の年金を払っていない限りは、今の親世代が受け取っているレベルの年金はもらえません。
自分の親と同じ位の収入レベルだという場合は「親がそうしたから」という理由で、親が今の老後を維持するためにやったことと同じことをやっていると、我々の時は老後破産してしまうのです。
現役時代に稼ぐ給料を貯蓄して完済し、退職金には手を付けず、住宅ローンとは別に貯める老後資金にオンするような返済計画を立てましょう。
ですから、60歳のときの残高で1千万円を超えるというのは、結構危ないんです。老後の資金とは別に、一般的なサラリーマンの給料で1千万円を貯めるというのは結構な年数が必要です。
定年退職の直前期というのは、子どもの年齢的に大学進学などで出費がかさみ易い時期です。また自分の年齢的にも健康上の問題などが表面化しやすい時期でもあります。定年の数年前に何らかのアクシデントが発生して貯金が底を尽いた場合、そこからさらにどれだけの金額を貯蓄できるか?
不動産屋の営業マンや銀行の融資担当者が出してくる35年の住宅ローンシミュレーションをただ、受け身で眺めていてはダメなんですよね。自分が老後を生きるための繰上返済の計画をしっかり立てる必要があるんです。
それはシミュレーションでは提供してもらえません。
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