日本一住宅ローンに詳しいと自他ともに認める住宅ローン博士「窪田光洋」が、住宅ローンに関する質問にお答えしているコーナーです。
今回はCASE26~30です。それぞれの質問と回答を参考にしてみてください。
CASE26:銀行と信金(信用金庫)の住宅ローンはどちらがいいですか?
銀行からは35年間で変動1.2%金利優遇してくれると案内されました。
その後、信金で事前審査を受けたら最初の10年は1.6%固定、その翌年から0.85%金利優遇してくれると言われたことがキッカケで、信金に心が傾きました。担当者さんの対応も良かったので。しかし、銀行から1.5%優遇できると再提案を受けました。もちろん、総返済額が少ない方が望ましいです。
どちらにしたらよいでしょうか?
(Aパターン)優遇金利1.2%
3,000万円・35年変動金利1.275%(2.475%-1.2%)
毎月87,510円、総返済額36,754,487円
(Bパターン)優遇金利1.5%
3,000万円・35年変動金利0.975%(2.475%-1.5%)
毎月84,336円
総返済額35,421,383円
【信用金庫】
3,000万円・当初10年固定1.6%+25年変動金利1.625%(2.475%-0.85%)
毎月(当初10年)93,331円+毎月(残期間25年)変動金利93,605円
総返済額39,281,355円
住宅ローン申込時の金利がやや高くても、金利が固定されているフラット35を選択肢の一つに挙げてみるのもアリですよ。
また、信用金庫は地域密着型サービスなどが手厚いケースもあります。
目先の金利だけではなく、総合的に自分に一番合った住宅ローンを考えましょう。
CASE27:信託銀行の住宅ローンとは?
そもそも信託銀行が何をしているところかも分からないので、ちょっと不安です。信託銀行の住宅ローンについて教えてください。
主に多額の財産を持つ年配の方々が信託することにより、信託銀行は低い金利で住宅ローンを貸し出すことができているとされます。
例えば三井住友信託銀行の住宅ローンの場合、手数料型か保証料型かによって金利優遇後の金利に差が生じます。
手数料型では融資金額に対し、2.16%の手数料を支払います。なお、手数料型の最優遇後の金利は0.475%です。一方の保証型の場合、融資金額と借入年数によって所定の保証料を支払うことになります。保証料型の最優遇後の金利は0.525%です。
同じ銀行でも申し込み方によって金利が異なります。
CASE28:不動産会社の提携住宅ローンはオススメですか?
不動産会社の提携住宅ローンは地銀ですが、そのまま不動産会社に勧められた住宅ローンに申し込んでいいのでしょうか。
勧められるがままの提携ローンを利用すべきか、仮に提携先の地銀であっても自分の足で申し込みに行くのがいいのか。提携先を考慮せずにメガバンクなどの銀行に申し込んでみてはどうか……。
どうすることが一番良いのでしょうか?
ちなみに一般的な不動産会社であれば、提携ローンではなくても、大きな金利優遇を受けることができますよ。
申し込む金融機関は不動産会社の営業マンによって懇意にしている金融機関が異なるかと思います。つまり、営業マンによってオススメの金融機関が異なることでしょう。ただ、不動産会社を経由して住宅ローンを申し込むか否かによって、金利優遇は大きく変わります。
金融機関でも個人で住宅ローンを申し込むより、不動産会社経由で申し込んだ方が金利優遇が大きく設定されています。
不動産会社を経由して住宅ローンに申し込むと、ローン代行手数料が別途発生しますが、不動産会社の営業マンと相談しながらどの金融機関に申込むかを決めることをオススメです。
金融機関によって、金利以外にも団信保険など様々な違いがあるので、金利以外でも比較検討してみると面白いですよ。
CASE29:中古物件で住宅ローンはネット銀行と地銀どっちがいいの?
インターネットの比較サイトで高評価だったので、ネット銀行に事前審査を申し込みました。
しかし、物件の金額の8割しか融資がおりませんでした。頭金として2割は出そうと思えば出せますが、中古物件ということが理由なのでしょうか?
また、一緒のタイミングで事前審査に出していた地銀では、フルローンで物件金額の10割融資で金利も0.75%という理想的な条件でした。
地銀は住宅ローンの比較サイトで情報があまり出てこないので不安ですが、実際に地銀は安心できるものなのでしょうか? そして、ネット銀行と地銀の住宅ローンはどちらが良いですか?
築年数が相当経っていたり、保留地(区画整理により提供された土地)であったりすると担保評価が低くなってしまい、ある程度の自己資金を捻出することを条件とされる場合がありますよ。
しかし、審査の方法や評価の仕方に違いがあるからこそ、満額で承認が下りる金融機関があるのかもしれません。つまり、一概に「中古物件だから」と言えないのです。
住宅ローンを借りる金融機関を決める際は、以下の4点を総合的に比較してみると良いでしょう。
(1)自己資金をどれくらい捻出できるのか(できない場合は満額で承認が下りた方が安心)
(2)変動金利を希望するのであれば、金利優遇幅に納得がいくものなのか
(3)住宅ローンの相談をしたい時に、すぐ相談できる環境にあるか(店舗のある銀行は、いつでも相談できるメリットがあります)
(4)金利以外のサービス(団体信用生命保険やポイント制度、買い物の際に常に割引が利く等)
CASE30:ネット銀行と信用金庫の住宅ローンはどちらがいいですか?
しかし、ハウスメーカーはネット銀行よりも金利の高い信用金庫を強く勧めてきます。ハウスメーカーからの説明ではネット銀行と信用金庫を比べても、金利や手数料はほとんど変わらないと説明されました。明らかにネット銀行のほうが安かったのですが、これはどういうことですか?
金利だけを切り取って考えれば、ネット銀行の方が安いと感じることでしょうし、ネット銀行の方が低金利であることが一般的です。
一般にネット銀行は金利が低い分、審査が厳しいと言われています。
例えば、年収が400万円未満であれば審査の土台に乗らないネット銀行があります。そういった事例を鑑みて、ハウスメーカー経由では信用金庫へ申込み、相談者様が直接ネット銀行に申し込んでみるのも良いのではないでしょうか?
ご自身が納得する形で住宅ローンを組み、夢のマイホームを手に入れましょう。
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