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公開日:2024/05/23
更新日:2024/06/17

住宅ローンの審査基準!年収はどのくらいあれば問題ない?

公開日:2024/05/23 更新日:2024/06/17

CONTENTS

マイホーム購入では、多くの方が住宅ローンを活用します。住宅ローンは思いどおりの金額を誰でも借りられるわけではなく、年収やその人の勤務先や経済的・社会的な背景など、さまざまな要因によって限度額や借り入れ条件が変化します。
住宅購入を検討するうえで、住宅ローンの借入れ可能額は重要な判断材料となります。 自分がいくらまで借りられそうか、目処を付けておくとよいでしょう。

今回の記事では、住宅ローンの審査基準について、年収やそれ以外の審査基準について解説します。これから住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンの審査基準|年収について

住宅ローンの審査基準において、重視される属性のひとつが年収です。年収が高ければ月々の生活に余裕があり、より大きな金額を安定して返済できると期待できます。しかし、住宅ローンの審査において重要視されるのは年収に対する返済の割「返済比率」です。年収が高くても多額のローンを組んでいると審査に通りにくくなってしまいます。 一般的に返済比率は25%以内が無理なく返済が出来るとされています。年収が高い方が借入れ限度額も多くなりますが、他のローンとのバランスも意識するようにしましょう。

審査に通過する年収の下限:100~300万円

さまざまな金融機関が許容しうる年収の下限という意味では、300万円がひとつの目安です。300万円を上回ってくると、多くの金融機関の最低限の条件を満たし、他の要素に問題がなければ審査を通過できる可能性が充分にあります。

2022年度住宅金融支援機構が調査したところによると、フラット35利用者のなかにも世帯年収400万円未満の方が20%前後います。フラット35では借入れにあたり最低年収などの制限は設けられていないため年収が低くても融資を受けられる可能性がありますが、多くの金融機関が 年収の下限を設けています。300万円以上の年収があれば住宅ローンを選ぶ際の選択肢が広がるので、ひとつの目安になるでしょう。

借入額の目安:年収の約7倍

借入額の条件は、他に借入れがない場合のおおよその目安は年収の約7倍と言われています。たとえば年収300万円なら2,100万円、年収500万円なら3,500万円となります。
年収に対する倍率は、購入する物件のタイプによっても異なります。2022年度の住宅金融支援機構の調査によると、物件タイプ別の平均の年収倍率は次のとおりです。

  • 土地付注文住宅:7.7倍
  • マンション:7.2倍
  • 建売住宅:6.9倍
  • 注文住宅:6.9倍
  • 中古マンション:5.9倍
  • 中古戸建:5.7倍

中古よりも新築の方が、年収対比で高い倍率となる傾向があります。なお、こちらの数値は全国平均値であるため、地域や地価、具体的な立地(駅までの距離など)などさまざまな要因で、借入れ額の目安は変化します。

年収別|住宅ローンの借入目安

年収別の住宅ローンの借入目安をまとめると、次のとおりです。今回は、年収の7.5倍で計算しています。

世帯年収 住宅ローンの借入目安
300万円 2,250万円
400万円 3,000万円
500万円 3,750万円
600万円 4,500万円
800万円 6,000万円
1,000万円 7,500万円

さらに、それぞれの世帯年収別の目安額と返済総額、月々の返済額について紹介します。ローンの借入期間は35年、毎月の返済額の計算に使用する金利は0.7%を前提としてシミュレーションしました。また、倍率は先に紹介した住宅金融支援機構の調査結果を使用しています。

なお、ここで紹介するのは、あくまで一般的な目安です。限度額いっぱいまで借りると、手取り給与に対する返済額が高くなり、返済に苦慮するリスクも懸念されます。
限度額だけを前提とするのではなく、あくまで自分が返済しきれる金額をもとに借入額や購入する物件を検討してください。

世帯年収300万円

世帯年収300万円の場合の物件タイプ別借入額・返済額の目安は次のとおりです。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合)
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 2,310 万円 26,051,666円 62,028円
マンション(7.2倍) 2,160 万円 24,359,982円 58,000円
建売住宅(6.9倍) 2,070 万円 23,345,000円 55,583円
注文住宅(6.9倍) 2,070 万円 23,345,000円 55,583円
中古マンション(5.9倍) 1,770 万円 19,961,596円 47,528円
中古戸建て(5.7倍) 1,710 万円 19,284,925円 45,917円

毎月の返済額は、中古戸建てや中古マンションなら4万円台、土地付注文住宅なら6万円台となります。借りられるかだけでなく、返済可能かもふまえて借入れ金額を検討してください。

世帯年収400万円

世帯年収400万円のケースでは、次のとおりとなります。土地付注文住宅なら、3,000万円台の借入が実現する可能性もあります。月々の返済額は6万円台から8万円台です。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合)
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 3,080 万円 34,735,620円 82,704円
マンション(7.2倍) 2,880 万円 32,480,085円 77,333円
建売住宅(6.9倍) 2,760 万円 31,126,729円 74,111円
注文住宅(6.9倍) 2,760 万円 31,126,729円 74,111円
中古マンション(5.9倍) 2,360 万円 26,615,599円 63,370円
中古戸建て(5.7倍) 2,280 万円 25,713,361円 61,222円

世帯年収500万円

続いて世帯年収500万円のケースです。自己資金を用意すれば、4,000万円台後半~5,000万円台の物件も検討可能になります。東京の都市部など極端な高地価な地域でなければ、物件の選択肢は広がってくるでしょう。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合)
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 3,850 万円 43,419,591円 103,380円
マンション(7.2倍) 3,600 万円 40,600,138円 96,667円
建売住宅(6.9倍) 3,450 万円 38,908,459円 92,639円
注文住宅(6.9倍) 3,450 万円 38,908,459円 92,639円
中古マンション(5.9倍) 2,950 万円 33,269,506円 79,213円
中古戸建て(5.7倍) 2,850 万円 32,141,726円 76,528円

世帯年収600万円

世帯年収600万円のケースでは次のとおりです。東京都内以外であれば、比較的物件の選択肢は広がってくるでしょう。東京都内でも郊外を選択すれば戸建てやマンションの購入余地が充分にあります。
一方で、限界まで借り入れると毎月の返済額は10万円を超えます。堅実な返済計画を立てましょう。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合)
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 4,620 万円 52,103,565円 124,056円
マンション(7.2倍) 4,320 万円 48,720,227円 116,000円
建売住宅(6.9倍) 4,140 万円 46,690,197円 111,167円
注文住宅(6.9倍) 4,140 万円 46,690,197円 111,167円
中古マンション(5.9倍) 3,540 万円 39,923,452円 95,056円
中古戸建て(5.7倍) 3,420 万円 38,570,078円 91,834円

世帯年収800万円

世帯年収800万円の借入額目安は次のとおりです。相応に高額の融資が受けられるようになるため、東京都内で一軒家やマンションを検討する際にも選択肢が広がってくるでしょう。
一方、返済額が15万円を超えてくるケースも出てきます。月々の手取りの給与額をきちんと把握して、返済できる範囲で借りるようにしましょう。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 6,160 万円 69,471,505円 165,408円
マンション(7.2倍) 5,760 万円 64,960,363円 154,667円
建売住宅(6.9倍) 5,520 万円 62,253,653円 148,223円
注文住宅(6.9倍) 5,520 万円 62,253,653円 148,223円
中古マンション(5.9倍) 4,720 万円 53,231,368円 126,741円
中古戸建て(5.7倍) 4,560 万円 51,426,896円 122,445円

世帯年収1,000万円

世帯年収1,000万円の借入額目安は、次のとおりです。頭金をしっかり用意すれば、9,000万円~1億円台の物件も視野に入ってきます。都内の好立地でも検討の余地が出てくるでしょう。
一方、返済額は20万円近くになるケースも出てくるので、今だけでなく将来も払い続けられるか慎重に試算してください。

住宅の種類 借入額の目安 返済総額
(35年の場合)
毎月の返済額
土地付注文住宅(7.7倍) 7,700 万円 86,839,432円 206,760円
マンション(7.2倍) 7,200 万円 81,200,506円 193,334円
建売住宅(6.9倍) 6,900 万円 77,817,113円 185,279円
注文住宅(6.9倍) 6,900 万円 77,817,113円 185,279円
中古マンション(5.9倍) 5,900 万円 66,539,221円 158,427円
中古戸建て(5.7倍) 5,700 万円 64,283,691円 153,056円

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年収が高くても審査に落ちるケース

次のようなケースでは、年収が高くても審査に落ちる可能性があります。

  • 返済比率がぎりぎり
  • 勤続年数が短い
  • 自営業や非正規雇用として働いている
  • 信用情報に問題がある

これらの要因に当てはまる方は、審査に落ちるリスクも念頭に置いたうえで、慎重に金融機関と相談してください。近い将来状況が好転する余地がある方は、しばらく待ってから住宅購入の検討を本格化するのも一案です。

勤続年数が短い

正社員でも勤続年数が短いと、年収が高くても審査に落ちるケースがあります。国土交通省の令和4年度の調査によると、調査対象となった金融機関の93.2%が勤続年数を審査において加味しており、基本的な条件として以下のような勤続年数を必須としています。

  • 3年以上:130行
  • 2年以上:39行
  • 1年以上:589行
  • その他:215行

おおむね「1年以上」と「3年以上」を条件とする金融機関が多くみられますそのため、勤続1年未満では審査落ちするリスクが高いといえるでしょう。
なお、勤務先によって勤続の条件が変わるケースも考えられます。たとえば、公務員や大手上場企業の正社員であれば、勤続年数の要件が緩和される可能性もあります。

自営業や非正規雇用として働いている

自営業や非正規雇用者は、ローン審査を通過するのが一般的に難しい傾向にあります。正社員の給与所得者は、働き続けていればある程度安定した収入が手に入ります。
もちろん個々の事情によるものの、一般的には一定の年齢までは賃金が横ばい、もしくは緩やかに上昇すると期待できるでしょう。

これに対して、自営業や非正規雇用者は月収や年収に波があると考えられがちです。金融機関は、住宅ローンの審査において「返済を継続できるか」を重視します。その点でいえば、年収や月収に波があることは、返済の継続性という観点で不安要素とみられる可能性があります。

自営業や非正規雇用者でローン審査通過の可能性を高めるためには、過去の数年の売上や収入の安定性を証明する必要があるでしょう。

信用情報に問題がある

信用情報に問題がある方も、審査通過は難しくなります。まず、過去数年のうちに延滞や未払いなどでブラックリスト入りした方は、少なくとも5年間はローン審査を通すのが困難です。最近ではスマホの料金未払い、端末料金の分割返済の未払いなどにより信用情報に傷がつく方もいます。

また、返済自体に問題なくとも、車のローンをはじめ他の借入があれば、これも審査をするうえで重視されます。とくに消費者金融の借入があると、元利金返済が家計の圧迫要因となるとみなされ、たとえ返済が進んでいても審査に落ちる可能性 が高くなるでしょう。

住宅ローン審査の前に、ご自身の信用情報は大丈夫だろうかと不安になる方は少なくありません。そんなときに利用したいのが、信用情報開示です。こちらの記事では、信用情報開示にデメリットはないのか解説します。

年収以外に審査で重要な要素

住宅ローンの審査では、年収や「年収が高くても審査に落ちるケース」で紹介した要因以外にも、次の要因が評価上重要です。審査結果のほか、借入れ上限額に影響を与える可能性があります。

勤続先返済負担率年齢健康状態担保価値資産状況連帯保証

あくまで、年収はローン審査で重視されるポイントのひとつにすぎません。以上のようなポイントでも、返済における安定性や継続性をアピールできると、審査において好印象となるでしょう。
改善できるところがあれば、住宅購入の前から準備をしていきましょう。

まとめ

今回は、年収を中心とした住宅ローン審査の借入目安や、最低限求められる年収を紹介しました。また、年収以外が原因で審査に落ちるケースや、審査における重要な要素もまとめています。これから住宅購入を検討している方は、今回の記事を参考にご自分の借入れ限度額の目安を確認し、物件選びを進めてください。

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