住宅ローン控除が終わった後の繰上返済は?
じゃあ、10年経って住宅ローン控除が終わったら積極的に繰上返済すべきなのか?
確かに住宅ローン控除が無くなれば、ローン残高を減らしておく方が有利ですね。繰上返済して元本を減らせば「確実に」儲かります。これはもともと銀行が儲けようとしていた利息なんです。
でも、待ってください。単純に費用の損得だけで判断してはいけません、その後にどんな出費が控えているかによって考え方は変わります。
その後に子供の大学入学などの多額の支出を控えている場合は、貯金を確保しておく必要があります。確実に儲かる代わりに「引き出せない」というのが繰上返済のポイントなんですよ。
学費を銀行で借りようとすると、住宅ローンの金利よりも遥かに高い利率となります。2%から3%位です。「安い利率の借金を返済して高い利率の借金をする」なんて、本末転倒ですよ。
なんだかんだ言って、住宅ローンの金利って安いんです。
住宅ローンの残高は何千万という単位になりますから、どうしてもビビッてしまうんですけど、こんなのタダの数字なんです。よほど延滞しない限りは、それを一時に払えなどと言われることはありません。
ただ、毎月やってくる返済日に約定で決めた返済額を払い切れば終わるものなんですよね。
特に出費の予定も無く貯金がそこそこ貯まり、銀行から「投資信託」をお勧めされたら、繰上返済を考える…こんな感じで良いと思います。
投資信託が全てダメというわけではありませんが「何となく」「お任せ」で投資信託を選ぶのは危険です。また「人気商品ですよ」という言葉にも注意が必要です。銀行の利益(わたしたち消費者の不利益)が大きい商品を熱心に売っているから、結果的に人気になっているだけかもしれません。
住宅ローンの繰上返済は確実にわたしたち利用者の利益になりますが、銀行の不利益になるので勧めてこないワケですから、その裏返しということです。
老後破産しないために後半にかけるラストスパート
千日のブログでは、住宅ローンを60歳までに完済することをお勧めしています。
年金の支給開始が65歳からになったことに伴い、65歳定年制が義務づけられていますが、実際は旧定年の60歳を過ぎると大企業でも年収が6割位に減ってしまうそうです。それに法律で義務化されても実際問題、それがある程度約束されるのは大企業に限られるでしょうし、公務員は依然として60歳定年です。
そして65歳になってから支給される老齢年金だけでは、もはや普通の生活は出来ないレベルにまで減ってしまうと言われています。60歳以降は基本的に貯金を取り崩す生活になるんですよ。
長生きし過ぎて貯金が無くなると待っているのは老後破産か、という厳しい未来が待っているのです。
子どもが独立して次は定年だ、という状況になったらいよいよ住宅ローンのラストスパートです。積極的な繰上返済にシフトします。こうなると、いくら安い金利だといっても、老後資金を減らす要素でしかないからなんですよね。
まとめ
いかがでしょうか。繰上返済って、結構奥が深いです。目先の損得だけで判断するのではなく、
✓いざという時のリスクに備える貯蓄
✓子どもの独立までに必要な学費
✓来るべきリタイア後の老後資金
これらを考えて返済していく必要があります。
「貯金のままで眠らせておくのは勿体ない」と言われても、それは「銀行にとって勿体ない」と言っているワケであって、必ずしも親身になって言っているとは限らないということを肝に銘じておきましょうね。
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