住宅ローンのボーナス払いは、ボーナスが出る月に支払い額を増やす返済方法のことです。
人によってボーナスの出る時期や金額等が違うので、支払い額を増やす月(ボーナス月といいますね)とボーナス返済の額を自由に設定できます。ただし、ボーナス返済の額には限度がある金融機関が多いです。限度額は金融機関によって異なりますが、40%程度が目安となります。。住宅ローンの申し込みを検討している金融機関に確認してみましょう。
以前はボーナス返済の割合が高い方も多かったですが、最近は減ってきているという話も聞きます。ボーナスは会社の業績等の影響を受けやすいため、不安定な要素が強いからでしょう。
でも、そもそも、ボーナス払いにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
ボーナス払いのメリットは、毎月の返済額を下げたり、借入期間を短縮したりできること
毎月の返済額の軽減
ボーナス払いをすることによって毎月の返済額を抑えることができます。
【例】借入金額3000万円、ボーナス払い金額300万円、期間35年、金利1.0%の場合
月払いのみ | ボーナス払いあり | |
---|---|---|
毎月の支払額 | 84,686円 | 76,217円 |
ボーナス月増額金額 | 0円 | 50,900円 |
月々▲8,469円軽減できるので、毎月の支払が楽になりますね。ただ、ボーナス時には月々の76,217円にボーナス増額分の50,900円を足した127,117円の支払いとなります。
借入期間の短縮
毎月の支払額を軽減せず同程度の額に据え置いた場合は、返済期間を短縮することができます。
【例】借入金額3000万円、ボーナス払い金額300万円、金利1.0%の場合
月払いのみ | ボーナス払いあり | |
---|---|---|
借入期間 | 35年 | 30年 |
毎月の支払額 | 84,686円 | 86,842円 |
ボーナス月増額金額 | 0円 | 57,998円 |
総返済額 | 35,567,998円 | 34,743,266円 |
月々の返済額に差がなくても、ボーナス返済をすることで5年間期間を短縮することができます。期間を短縮することで、総返済額は▲824,772円少なくなります。
ボーナス払いのデメリットは、総返済額の増加と将来の不安
ボーナスが将来下がるかも?
ボーナスが支払われることを前提に返済計画を組んでいるので、勤務先の業績等によりボーナスが支払われなくなったり、減額されたりすると大変です。こつこつとボーナス時までにお金を貯めなければならず、なんのためのボーナス支払いか分からなくなってしましますよね。
総返済額が増える場合がある
返済期間が同じ場合、ボーナス返済の比率が高ければ高いほど総支払額が増えてしまいます。
これは月々払いの方で減るはずの元金が、ボーナス払いの分は半年間据え置きになってしまうため利息の額が大きくなってしまうのです。
数十万円単位の差になることは少なく、数万円の差なのでそこまで大きな影響ではありません。しかし、年間数万円を浮かせるためにあれこれ節約するよりもこういった支払を予め検討しておいた方が簡単で楽にお金を貯金にまわすことはできるかもしれません。
ボーナス払いは絶対ダメ!というご意見の専門家も・・・
もしもボーナス払いができなくなったら?!
デメリットにも記載た通り、ボーナスが出なくなったり、大幅に減額されたりしたらどうしたらいいでしょうか。やりくりをして調整できればいいですが、それでもどうにもならない場合はボーナス払いをやめる方法もあります。
金融機関にもよりますが、「ボーナス払いあり」から「月払いのみ」への変更をすることができます。その際には、変更手数料がかかるケースが多いです。しかし返済が滞ったり、生活がひっ迫したりすることを考えれば、手数料を支払ってでもボーナス払いをやめたほうがよい場合もあります。
但し、1回できたからといって、自由にボーナス払いの有無を短期間で変更できるわけではないなので、よく考えてから行いましょう。
なお、先ほども記載しましたが、年間の返済額が同じ場合はボーナス返済をした方が総返済額が多くなってしまうので、ボーナス払いをやめたからといって総返済額が増えるわけではないのでそこは安心して下さい。
ボーナス払いは上手に利用することができれば、家計に負担が少ない返済方法になりますが、勤務先の業績等に大きく左右されやすいものでもありますので、いくらボーナス時に支払えるかをよく検討してから契約しましょう。
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千日 太郎 (著) / 日本実業出版社
文:
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