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住宅ローン控除|住宅ローンを借りると税金が還ってくる?


住宅ローンの借入時に、金利が低いローンを選択することはもちろん重要です。しかし、住宅ローン借入後に賢く返済すれば、税金や利息が節約できるとご存じですか?

借入残高に応じて税金が控除される「住宅ローン控除」や、「繰上返済」を利用することによって、よりお得に住宅ローンを利用することができます。

この記事では、住宅ローン控除や繰上返済の仕組み、繰上返済を行うタイミング、住宅ローン控除と繰上返済のどちらが得になるのか、おすすめの返済方法などを解説していきます。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除される仕組みです。所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除されます。
控除される税額の計算や、手続き方法はとても簡単です。

住宅ローン年末残高の1%が税額控除される

1年間に控除される限度額は以下のようになっています。

1,認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は年間50万円
2,その他の住宅の場合には40万円

税額控除とは、支払う税金の金額から控除を行うことを示します。
所得税が30万円で10万円の税額控除を受ける場合には、30万円-10万円=20万円が支払うべき税金となります。

ちなみに所得控除とは、税金の計算のもとになる所得から控除を行ったうえで所得税の計算を行うというものです。(所得-控除額)×税率=所得税納税額となります。

税額控除は、所得×税率-控除額=所得税納税額となり、所得から直接控除されます。

●所得500万円、税率20%、控除額50万円の場合
所得控除後の所得税:(500万円-50万円)×20%=90万円
税額控除の所得税:500万円×20%-50万円=50万円

このように、税額控除のほうが節約できる税金が大きくなることになります。そのため、住宅ローン減税は個人が受けることができる税金控除の中で最も控除額が大きい税制なのです。

控除期間は10年間

住宅ローン控除は、借入後10年間にわたって住宅ローンの年末残高から1%の税額控除を受けることができます。10年間の合計でどれくらいの控除を受けることができるのでしょうか?

例えば、借入額3,000万円、借入期間30年、金利1%の住宅ローンを2017年10月に借りた場合の10年間の住宅ローンの年末残高と住宅ローン控除額は以下のようになります。※利用する計算サイトによって誤差が発生します。

この住宅ローンの借入後10年間の利息支払額の合計は2,399,965円ですので、住宅ローン控除によって還付される税金のほうが、18万円近く多くなることになります。このため、利息の支払額以上の税額の還付を受けられることになるのです。

ちなみに、金利の低い住宅ローンを借りた場合にはさらにこのメリットが大きくなります。
例えば金利0.7%の住宅ローンを同条件で借りた場合に、住宅ローン控除が受けられる税額は10年間合計で2,573,256円です。10年間の利息の支払額合計は1,669,916円になりますので、なんと90万円程度も住宅ローンを借りたほうが得になるのです。

会社員は、最初の年だけ確定申告が必要

会社に勤めている場合、住宅ローンを借りた最初の年だけは、自分で税務署に行って、住宅ローン控除を受けるための確定申告の手続きを行わなければなりません。今回は、会社員の人が必要になる書類をご紹介します。

1,確定申告書A(税務署や国税庁HPから入手)
2,住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署や国税庁HPから入手)
3,住民票の写し
4,建物・土地の登記事項証明書
5,建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
6,源泉徴収票
7,住宅ローン残高証明書(住宅ローン借入後に銀行から送付される)
※認定低炭素住宅、認定長期優良住宅の場合は、それを証明するための認定書等、別途用意する必要があります。

手続きが分からない人は、3~7の書類を持参すれば税務署員が作成を手伝ってくれます。また、銀行によっては、住宅ローンを新規で借りた人を対象として、税理士との税務相談会などを開催しています。そこで2と6の書類と印鑑だけ持参すれば、税理士が書類をすべてそろえてくれることもあります。
いずれにせよ、書類をそろえておけば、手続きは非常に簡単です。

また、住宅ローンを借りた最初の年だけ手続きを行ってしまえば、以後9年間は年末調整時に住宅ローンの年末残高証明書と税務署から送付される証明書を会社に提出するだけで済みますので、面倒な手続きは一切ありません。

控除がある期間に他の銀行に借り換えを行った場合でも、確定申告は不要です。

給与所得者は年末調整で所得税が還ってくる

会社員などの給与所得者は、毎月税金が源泉徴収されています。このため、年末調整時に生命保険の領収書などを提出することで、余分に徴収されていた税金が還ってきた経験がある人も多いのではないでしょうか?

住宅ローン控除も同じです。年末調整時に住宅ローンの残高証明書などを会社に提出することで、払い過ぎた税金が還ってくる仕組みになります。
住宅ローン控除によって還ってくる税金は、数十万円にもなることがありますので、かなり得をした気分になります。

所得税から控除しきれない分は住民税から

住宅ローンは所得税から控除を受けることができますが、支払った所得税が控除額より少なく、控除額が余ってしまった場合には住民税から控除を受けることができます。
住民税から控除を受ける場合、特別な手続きは必要ありません。行政側で把握しているため、住民税から税額控除を行ってくれます。

早期完済の秘訣、繰上返済とは?

住宅ローンには、契約時に決めた返済額を毎月1回(およびボーナス時)返済する約定返済に加えて、お金に余裕がある時だけ任意に返済を行うことができる繰上返済という返済があります。
繰上返済を効率的に使用すると、「利息の負担が少なくなる」「返済期間を短縮できる」というメリットがあります。

繰上返済に利息はかからない

毎月1回の約定返済時には1か月分の利息と元金の返済を行います。
このため、約定返済とは別に行う繰上返済には利息は発生しません。1万円返済すれば1万円住宅ローン残高が減少することになります。

繰上返済は、コツコツ行うのがおすすめ

繰上返済は返済額がダイレクトに元金の減少につながるため、たとえ1,000円でも返済をコツコツ行っていけば元金はそれだけ減少することになります。そのため、多くの人が毎月の節約によって生まれた数千円~数万円を繰上返済に充てています。

繰上返済無料の住宅ローンを選択しよう

コツコツ繰上返済を行っても、手数料が取られてしまっては意味がありません。そのため、繰上返済手数料無料の住宅ローンを選択しましょう。住宅ローンの中には5,000円~1万円程度の繰上返済手数料が発生する商品もありますが、そのような住宅ローンはおすすめしません。

平均的には繰上返済で10年程度完済期間を短縮している

住宅ローンの平均的な借入期間は26年程度と言われていますが、平均的な完済までの期間は13年〜16年程度と言われています。期間を10年程度短縮している人の多くは繰上返済をコツコツと行い、繰上返済の原資は「節約」と答えています。このため、繰上返済手数料無料の住宅ローンを借りて、毎月コツコツと繰上返済を行うことが重要なのです。

おすすめの返済方法

おすすめの返済方法は、住宅ローン契約時にボーナス返済を設定せずに、ボーナス時に繰上返済をするという方法です。筆者は今まで、多額のボーナス返済を設定したものの、会社の都合でボーナスが無くなり、ボーナス返済ができなくなった人を何人も見てきました。

ボーナスはあくまでも会社の余剰利益を社員に還元するものですので、それほどアテにすべきではありません。ボーナス時には繰上返済を行うとしたほうが、余裕を持った返済ができます。

住宅ローン控除中の繰上返済は得になる?損になる?

繰上返済は、住宅ローンの残金をダイレクトに減らせるとてもお得な返済方法ですが、住宅ローンの残金を減少させてしまったら「住宅ローン控除で還付される税金が少なくなるのでは?」と思った人も多いでしょう。
実際その通りで、繰上返済によって住宅ローン残金が減少すれば、減少した分の1%は住宅ローン控除で還付されないことになります。

では、住宅ローン控除がある借入後10年間は繰上返済をしないほうがよいのでしょうか?

借入期間全部の利息との比較が必要

繰上返済と住宅ローン控除のどちらが得になるのかを比較を行う場合には、繰上返済によって節約できる利息額と、控除される税額のどちらが多いのか比較を行う必要があります。

住宅ローン控除によって控除される税額は住宅ローン年末残高の1%ですので、繰上返済によって控除される予定の税額は、繰上返済額×1%で求めることができます。

年間10万円の繰上返済を行うのであれば、10万円×1%=1,000円の税額控除が受けられないことになります。
しかし、繰上返済によって節約できる利息は、残りの借入期間すべてに対して支払う予定の利息ですので計算が少し複雑になります。

「ローン電卓」で簡単計算

繰上返済によって節約できる利息がいくらになるのかは、「ローン電卓」という機能によって簡単に求めることができます。
サイト例:http://www.f-ichiba.co.jp/calc1.htm

ここで「借り額の欄に、繰上返済額」「金利」「残り期間」を入力すると、毎月返済額が計算されます。毎月返済額×残り期間(返済回数)-繰上返済額によって節約できる利息を求めることができます。

10万円の繰上返済を行う場合に、残り返済期間が30年として、いくらの利息を節約できるのか計算してみました。※利用する計算サイトによって、細かい誤差が発生します。

金利0.7%の場合:10,880円
金利1.0%の場合:15,920円
金利1.3%の場合:20,960円

期間が短くなれば、この利息額は少なくはなりますが、ほとんどの場合では繰上返済を行ったほうが得になります。繰上返済は住宅ローン控除を気にせずに、どんどん行ったほうがよいでしょう。

まとめ

住宅ローン控除は金利が低ければ低いほど、利息支払額よりも還付される税金のほうが多くなるお得な税制です。つまり、住宅ローンを組んだ方が賃貸物件に居住しているよりも得をすることができるのです。しかも住宅という資産を手にすることもできます。

とはいえ、得をするのは借入後の10年のみで、その後は利息負担が生じることになります。利息負担を少しでも軽減するために、繰上返済手数料無料の住宅ローンで繰上返済をコツコツと利用しましょう。また、繰上返済を行っても住宅ローン控除で損をすることはないため、気にせず毎月コツコツと繰上返済を行いましょう。

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