マイホーム購入は人生で1番大きな買い物ではないでしょうか。高額なお買い物であるからこそ、少しでもお得に住宅ローンを利用したいですよね。
そんなみなさんに朗報です!実は住宅ローン控除で住民税が戻ってくることがあるんです。
今回は住宅ローン控除で住民税が還付される条件や具体的な計算方法について、日本一住宅ローンに詳しいと自負する住宅ローン博士「窪田光洋」に教えてもらいましょう。
住宅ローンを組むとお金が戻ってくる!?
そもそも住宅ローン控除の仕組みとは
住宅ローンを組むときには金利が発生します。その金利を安くできるのが住宅ローン控除です。もう少し詳しく言うと、家に住み始めてからの10年間、住宅ローン年末残高の1%分の所得税が安くなる制度のことです。
控除される最大の金額は10年間で400万円です。また買った家が長期優良住宅(※1)や低炭素住宅(※2)なら最大で500万円もの控除がされます。
住宅ローン控除は、家を買った次の年に税務署に書類を出す確定申告をすることで受けられます。
※1長期優良住宅→あらゆる面から長期にわたって住みやすいと認められた住宅のことをいいます。
※2低炭素住宅→法律で定められた基準以上に環境面に特化していると認められた住宅のことをいいます。
住宅ローン控除で住民税が控除される条件
所得税で控除がしきれないとき
住宅ローンの控除は、まず所得税から差し引かれるのが決まりです。でも、控除額が払った所得税よりも大きい場合がありますよね。その時に住民税から残りの控除額が差し引かれる、という仕組みです。
住民税の控除できる金額限度は最大で136,500円
- 居住年が平成21年~平成33年12月31日の間
- その住宅が特定取得(※4)である
上の2つに該当する場合に、所得税の課税総所得金額(※3)が7%を超えたとき、控除の額は136,500円となります。課税総所得金額が7%を超えないときの控除の額は、課税総所得金額の7%が適用されます。
※3課税総所得金額→税金を課せられる所得の金額(総収入から控除を差し引いた金額)。
※4特定取得→消費税が増税されたことにより、建物の金額に含まれる消費税が8%から10%の場合のその建物の取得等のことを言います。
住宅ローン控除で住民税が還付される対象の人って
まず、住民税が戻ってくる人は、下の2つに当てはまることが前提です。
- 所得税の住宅ローンをすでに受けている
- 所得税から控除しきれなかった額がある
これらに該当した中で、いつ入居を始めたのかによって還付されるかが変わってきます。
平成18年末までに入居した方
翌年度の住民税から控除できます。
平成19年、20年に入居した方
住民税の控除はありません。
平成21年〜平成33年12月31日までに入居した方
翌年度の住民税から控除できます。
住宅ローン控除で住民税の還付について
いつ戻ってくる
前年分の所得税において控除しきれなかった金額がある場合は、翌年度の個人住民税で控除されます。
どのように戻ってくるのか
住民税から控除額を引いてもらうための特別な手続きはありません。今まで通り確定申告や年末調整の手続きを行っていれば、翌年度の住民税から差し引かれます。
住宅ローン控除の計算方法
まず、年収から給与所得控除額を引きます。表の通り、年収によって掛ける金額が異なります。
給与所得控除額(平成29年分)
給与などの収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額×40% 65万円に満たない場合には65万円 |
180万円~360万円以下 | 収入金額×30%+18万円 |
360万円~660万円以下 | 収入金額×20%+54万円 |
660万円~1,000万円以下 | 収入金額×10%+120万円 |
1,000万円~ | 220万円(上限) |
次に社会保険料を控除します。社会保険料とは、雇用保険や健康保険などのことを言い、会社員の場合は給料から天引きされます。したがってこの金額も控除できるのです。(日本年金機構より)保険料率はおよそ15%です。
この課税総所得金額に税率をかけ、対応する控除額を引くことによって所得税を出すことができます。
下の表を使って税率を調べましょう。
所得税の速算表(平成27年分以降)
課税総所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330万円以下 | 10% | 9.75万円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 42.75万円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 63.6万円 |
900万円~1,800万円以下 | 33% | 153.6万円 |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 279.6万円 |
4,000万円~ | 45% | 479.6万円 |
この計算で出てきた所得税が、年末の住宅ローン控除の金額よりも小さい場合、その差額を住民税から差し引くことができるというわけです。
住民税の住宅ローン控除の計算例
年収500万円、ローン残高3000万円の場合
- 500万-(500万×20%+54万)=346万
- 346万-(346万×15%)=294.1万
- 294.1万×10%-9.75万円=19.66万円
よって住宅ローン>所得税
ローン残高3000万円のローン控除額は3000万円*1%=30万円ですが、所得税額が19.66万円なので、ここでの上限は19.66万円です。
そして住宅ローン控除30万円から所得税19.66万円を差し引いた10.34万円が住民税から控除されます。
年収900万円、ローン残高5000万円の場合
- 900万-(900万×10%+120万)=690万
- 690万-(690万×15%)=586.5万
- 586.5万×20%-42.75万=74.55万
住宅ローン控除額は5000万×1%=50万なので、所得税からそのまま50万円が差し引かれます。
住宅ローン控除で住民税が還付されるか一度チェックしてみよう
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