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団体信用生命保険に入れないケースや病気は?入れない場合の対処法

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住宅ローンを組む際には、団体信用生命保険(団信)への加入が必須条件となっている場合があります。 しかし健康状態に何らかの不安があり、団体信用生命保険に入れるか心配な方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、団体信用保険に入れないケースや病気の種類について詳しく解説します。団体信用生命保険の種類や、加入できない場合の対処法についても紹介するのでぜひ参考にしてください。

団体信用生命保険に入れないケース

団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が死亡、または病気やケガで高度障害になった場合に、残ったローンを保険会社等 が支払う生命保険です。ただし、団体信用生命保険の保険金は比較的高額になるため、だれでも無条件で入れる訳ではありません。

住宅金融支援機構では、機構団信特約制度の申し込み年齢制限を満15歳から満70歳未満としています。ただしプランによっても異なるため、加入前に必ず確認しましょう。

健康状態は、過去の病歴や持病があるなど何らかの問題がある場合に、加入が難しくなる可能性があります。団体信用生命保険への加入条件として、下記のような健康状態の告知を行わなければなりません。

  • 過去3か月以内に医師の治療や投薬を受けたことがあるか
  • 過去3年以内に病気での手術、もしくは2週間以上にわたる医師の治療や投薬を受けたことがあるか
  • 手や足の欠損や機能障害、背骨、視力、聴力、言語、そしゃく機能に障害があるか

上記の項目に該当したとしても、判断基準は保険会社や商品によって異なるため、必ずしも加入ができないわけではありません。ただし、現在の状況や病名によっては加入が難しいケースもあることを認識しておきましょう。

団体信用生命保険に入れない病気


団体信用生命保険への加入が難しいとされる病気は下記のとおりです。

部位 病名
心臓・血圧 狭心症・心筋梗塞・心臓弁膜症・先天性心臓病・心筋症・高血圧症・不整脈
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)・脳動脈硬化症
精神・神経 統合失調症・うつ病・神経症・てんかん・自律神経失調症・アルコール依存症・知的障害・認知症
肺・気管支 ぜんそく・慢性気管支炎・肺結核・肺気腫・気管支拡張症
胃・腸・すい臓 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病・すい臓炎
肝臓 肝炎・肝硬変・肝機能障害
腎臓 腎炎・ネフローゼ・腎不全
緑内障・網膜の病気・角膜の病気
がん・腫瘍 がん・肉腫・白血病・腫瘍・ポリープ

上記のほか、糖尿病やリウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病なども当てはまります。

過去3年以内に上記の病気にかかったことがある場合、団体信用生命保険への加入が難しいケースがあります。審査に通るか不安な場合は金融機関に足を運び、団体信用生命保険の告知書を入手して確認してみるのがおすすめです。

団体信用生命保険に入れない場合の対処法

ここからは、団体信用生命保険に入れない場合の対処法について解説します。

ワイド団信に加入する

ワイド団信とは、団体信用生命保険の引き受け基準が拡大された商品のことです。金融機関により異なりますが、住宅ローンの契約時に、糖尿病や高血圧症、うつ病、脳卒中、心臓病、肝炎、ぜんそくなどの持病がある場合でも、ワイド団信であれば契約できる可能性があります。

審査基準は公表されていないものの、契約できる病気の基準が緩和されているのがメリットです。

ただし、住宅ローンの金利に年0.3%程度を上乗せして融資を受けるなど、追加の費用負担が発生する場合があります。また、申込時の年齢を50歳までに制限している金融機関もあるため、あらかじめ認識しておきましょう。

フラット35を利用する

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して取り扱っている、長期固定型金利タイプの住宅ローンです。住宅ローンを組む際に団体信用生命保険への加入義務がなく、健康状態に何らかの問題があっても加入できます。

フラット35は、返済終了までの借入金利や月々の返済額が、住宅ローンの契約時に確定する長期固定金利住宅ローンです。そのため、返済額が金利上昇によって増加するリスクがなく、返済計画が立てやすいのがメリットといえます。

しかし変動金利型の住宅ローンと比較して、毎月の返済額が高くなる傾向にあります。また、当初の借入時の金利水準が高くなりやすいというデメリットもあるので、よく検討してから利用しましょう。

ほかの銀行で審査してもらう

団体信用生命保険に加入できない場合、ほかの銀行で審査してもらう方法もあります。団体信用生命保険は住宅ローンを引き受ける保険会社が査定しており、保険会社によって提携している銀行が異なるためです。

そこで、団体信用生命保険の引受先の保険会社と、主要な銀行・ネット銀行の一覧を下記にまとめました。

銀行名 一般団信 ワイド団信
りそな銀行
埼玉りそな銀行
第一生命保険株式会社 クレディ・アグリコル生命保険株式会社
みずほ銀行 第一生命保険株式会社 SOMPOひまわり生命保険株式会社
三井住友銀行 住友生命保険相互会社
三菱東京UFJ銀行 日本生命保険相互会社
明治安田生命保険相互会社
クレディ・アグリコル生命保険株式会社
三井住友信託銀行 住友生命保険相互会社
中央労働金庫 明治安田生命保険相互会社
イオン銀行 日本生命保険相互会社 イオン・アリアンツ生命 保険株式会社
住信SBIネット銀行 SBI生命保険株式会社 SBI生命保険株式会社
auじぶん銀行 ライフネット生命保険株式会社 ライフネット生命保険株式会社
楽天銀行 住友生命保険相互会社
ソニー銀行 クレディ・アグリコル生命 クレディ・アグリコル生命

万が一団体信用生命保険に加入できなかった場合は、上記の表を参考に、引受保険会社が同一ではない金融機関を探してみるのがおすすめです。

病気が治るまで待つ

団体信用生命保険に入れなかった場合、病気が治るまで待つという方法もあります。団体信用生命保険の告知義務の期間は3年以内です。そのため、告知対象である病気を持っていても、完治してから3年経てば告知の義務はなくなります。

ただし、年齢が上がるにつれて保険料が高くなることには注意が必要です。また将来的な住宅ローン金利の変動や、購入を検討していた物件が再び出てくるのかなど不確定な部分もあります。

完治するまで待つという選択肢を取る場合は、さまざまなことを考慮したうえで決断しましょう。

配偶者が住宅ローンを組む

共働き世帯の夫婦で、一定以上の年収をそれぞれ確保できている場合は、配偶者が住宅ローンを組むというのもひとつの手段です。

たとえば、夫婦のどちらか一方の健康状態に不安があり、団体信用生命保険への加入が難しいケースがあるとします。健康状態のよい配偶者が代わりに加入することで、住宅ローンの借り入れが可能になることがあるのです。

しかし契約者を変更することで、借り入れ限度額や金利優遇条件なども変更になることに注意が必要です。配偶者の年収によっては、所得制限によって住宅ローン控除が受けられなくなる可能性もあるためよく検討しましょう。

団体信用生命保険の種類

ここからは、団体信用生命保険の種類を紹介します。

一般団信

一般団信は、住宅ローン契約者が死亡や高度障害などの事態に陥った場合に、残りの住宅ローンの返済を肩代わりしてくれる保険です。高度障害とは、病気やケガなどにより身体の機能を失った状態や、生活に重大な支障をきたす状態のことをいいます。

住宅ローン契約の際は団体信用生命保険への加入が必須条件となっていることが多いですが、フラット35であれば加入するかどうかを選択できます。一般団信は基本的に契約者が別途で費用を負担する必要はありません。しかし健康状態に問題がある場合は加入できない可能性があります。

また、一般団信は死亡と高度障害のみをカバーするため、病気やケガになった場合の保障はありません。幅広い疾病リスクに対応する場合は、がん保障などの疾病団信に別途で加入する必要があります。

疾病団信

疾病団信とは、一般団信にさまざまな特約を付けられる団信のことで、主にがん団信、3大疾病団信、7大疾病団信、8大疾病団信などがあります。それぞれの疾病団信について、下記の項目から詳しく解説します。

がん団信

がん団信とは、所定のがん(悪性新生物)と病院で診断を受けると、保険金が支給されて住宅ローンの返済が免除される団体信用生命保険です。住宅ローンの契約者はそれ以降、住宅ローンを返済する必要がありません。

がん団信には、がんと診断されたときに残りの住宅ローンの半額が保障される「がん50%団信」と、住宅ローン残高の全額が保障される「がん100%団信」があります。

がん50%団信であれば一般的に 上乗せ金利はありませんが、がん100%団信は金利を上乗せして保険料を支払う必要があります。

ただし、上皮内新生物や皮膚がんは保障の対象外となっています。また、がん団信の保障開始日から90日以内にがんと診断された場合、保険金が支払われないケースが多いです。

3大疾病保障団信

3大疾病保障団信とは、一般団信で保障される死亡と高度障害に加えて、3大疾病と診断された場合に残りのローンが支払われる制度です。3大疾病保障団信に加入する場合は、一般的に年0.1〜年0.3%程度を住宅ローン金利に上乗せします。

3大疾病とは、がん(悪性新生物)、心筋梗塞、脳卒中です。がん団信と同様、所定のがんと診断された場合に保険金によって住宅ローンの全額が返済されます。

ただし心筋梗塞や脳卒中の場合は、診断されるだけでは保障の対象とならない商品もあります。金融機関によって適用条件が異なるため、加入前に条件をしっかり確認しましょう。

7大疾病保障団信

7大疾病保障団信とは、3大疾病に4つの生活習慣病を加えたもので、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変を指します。金融機関および引受先の保険会社によって、保障の対象となる疾病の条件が異なります。

8大疾病保障団信

8大疾病保障団信とは、先ほど紹介した7大疾病に慢性膵炎を加えたものです。8大疾病を患った場合に、住宅ローンの残債が返済されます。診断されただけで適用される保障や、治療によって就業が困難になった際に適用される保障など、適用条件がそれぞれ異なります。

11大疾病保障団信

11大疾病保障団信とは、がんと診断を受けた場合、または10の生活習慣病に罹って180日以上入院した場合に、住宅ローンの残高が0円になる団信です。10の生活習慣をカバーする守備範囲の広い保険で、収入が途絶えて返済不能となるリスクに備えられます。

全疾病保障団信

全疾病保障団信は、死亡や高度障害に加え、すべての病気やケガにより就業不能の状態になった際に残債が返済される団信です。金利の上乗せは基本的にはありませんが、なかには住宅ローンの年0.1〜0.3%程度の上乗せ金利を設けている金融機関もあります。

ワイド団信

ワイド団信は、一般の団信よりも引き受け基準が緩和されており、比較的だれでも加入しやすいのが特徴です。通常の団信よりも告知項目が少ないため、健康状態に不安がある人も加入しやすいのがメリットです。

ワイド団信への加入時には、住宅ローンの金利に年0.3%程度の金利を上乗せする必要があります。

団体信用生命保険の選び方


団体信用生命保険を選ぶ際は、下記の3点をチェックしましょう。

  • 保障内容
  • 保障が適用される条件
  • 上乗せ金利や保険料

団体信用生命保険に加入する際は、保障内容を必ず確認しましょう。死亡、高度障害のみに適用される一般団信は、がんや脳卒中などには適用されません。返済期間が長期にわたる場合は死亡以外の病気のリスクも高まるため、特約付き団信を選ぶのがおすすめです。

また、保険金の支払い条件についてもよく確認しましょう。たとえば病気によって一定期間就業不能となることを条件としている特約でも、金融機関によって30日、または60日など適用期間の条件が異なります。支払い条件を確認することに加えて、複数の商品を比較することも大切です。

最後に、上乗せ金利や保険料がいくらになるかもチェックしましょう。特約付きの団信の場合は、金利に上乗せして保険料を支払う必要があります。同じ保障内容であっても金融機関ごとに上乗せ金利が異なりますが、おおよそ0.1%から0.3%程度が相場です。

「団信の審査は厳しいの?」とご不安な方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、団信の告知書で尋ねられることや注意点について詳しく解説しています。

まとめ

団体信用生命保険への加入が難しくなるケースとして、申し込み年齢が70歳を超えている、または健康状態に何らかの問題がある場合が挙げられます。

団体信用保険に加入できない場合は、ワイド団信に加入する、フラット35を利用する、ほかの銀行で審査してもらうなどの方法があります。住宅ローンの団信は金融機関によって保障内容や加入条件が異なるため、それぞれの特徴やタイプを理解し、自分に合った金融機関を検討しましょう。

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