すみかる住生活版

メニューを開く メニューを閉じる

香り(匂い)で癒されよう! 身近なセルフセラピーのすすめ

お花畑に犬を抱く少女

イラスト・ツキヤタケコ

忙しい毎日の中、知らず知らずにたまってしまうストレス。ストレスそのものをなくすことはできませんが、香りを使って和らげることはできます。

例えば、気分がすぐれない憂鬱な時でも、好きな花の香りをかぐと、ホッとして優しい気持ちになる人は少なくありません。さらに、それまでの憂鬱が少しは軽減されているのではないでしょうか。

香りを使う気分転換は、一瞬でできるうえに効果は絶大です。もっと香りを意識することで、気分転換の達人になり、自分自身と大切な人たちを笑顔にしていきましょう。

香りの効果 ~人間は香りで癒される生き物です~

さっきまでイライラしていたのに、コーヒーの香りをかいだ途端ちょっと落ち着いたなど、好きな香りをかぐという行為は、即効で気分をリフレッシュさせてくれますね。

これは、鼻から入った嗅覚に関する情報が、喜怒哀楽や不快を支配する『大脳辺縁系』にダイレクトに届くからです。さらに、このようなルートを巡るのは五感の中でも嗅覚だけなので、香りと感情の結びつきは特に深いと言われています。

出典:全日本コーヒー協会
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/doctor/health69-2

ストレスから逃れる最も良い方法は、『一瞬、ほかのことに夢中になること』といいます。
「一瞬」であれば、何となくできそうな気になりますね。ダイレクトに脳に伝わる香りを、ひとつの対処法として取り入れてみてはいかがでしょうか? 

臭覚と記憶 ~人間は匂い(香り)で、より記憶する生き物です~

映像や音、味、感触よりも、「匂い(香り) 」がいちばん記憶に残ることをご存知ですか?記憶をつかさどる海馬に直接情報を送ることができるのが嗅覚だけなので、匂いと記憶の関係は密接につながっているのです。

出典:脳は「匂い」に逆らえない。匂いで記憶をコントロールする方法
http://studyhacker.net/columns/aroma-brain

ふとすれ違った人の香りから、突然、懐かしい人の顔が浮かび、当時の様々なシーンや抱いていた感情まで思い出すという経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか。 香りを通じて過去とアクセスできるなんて不思議ですよね。

大人だけではなく、小さなお子さんにとっても香りは重要です。
「感覚の敏感期」といわれる3歳前後の嗅覚教育は、豊かな人格形成のために特に大切といいますから、できるだけ自然の香りを体感させてあげたいですね。

出典:初等教育において「香り」を感じることの大切さについて
http://kaorinonez.com/cn39/cn41/kyoikugenbanoaroma.html

空間を彩る ~人間は香りを楽しめる生き物です~

アロマセラピー

植物から抽出した芳香性の物質である精油(エッセンシャルオイル)を用いてリラックスを促し、体や心の健康と美容に役立てる植物療法のひとつで、使われている方も多いのではないでしょうか。

アロマディフュザーやアロマ加湿器も人気ですが、道具を使わず、ハンカチに精油を1~2滴おとして、香りをかぐのも、手軽にリフレッシュできる方法です。また、バケツに精油を数滴おとした水で拭き掃除をすると、きれいになるうえ、部屋中にほのかな香りが広がって、とてもいい気分になれますよ。

お香

平安時代から、貴族の女性たちが心を穏やかにし、さらには体臭をごまかすためにも使われていたお香。日本版アロマセラピーといえますね。
最近は、香りや煙が控えめなマンション向けのお香もあり、隣近所を気にすることなくお香を焚くことができます。

また、歴史を感じる白檀や伽羅、花や草木の自然な香りに加え、フルーツやチョコなど、さまざまな種類の香りが増え、選ぶ段階から楽しめます。
私は年に数回、お香立てを新調しますが、こちらもお手頃で可愛らしいものが増え、今やすっかりコレクターの域に入りました。

ほしいものリストNO.1 心の余裕

ハンバーガーの匂いを嗅ぐ犬

イラスト・ツキヤタケコ

香りは、生活に「豊かさ」と「安らぎ」をもたらしてくれます。TVやSNSなど、情報があふれている今だからこそ、改めて、「見る」「聞く」以外の五感も大切にしながら、丁寧に過ごしていきたいものです。
香りを感じる心の余裕を持ちながら、毎日を暮らしていけたら素敵ですね。

文:ツキヤタケコ

関連記事

CLOSE