30~40代でマイホームを購入すると、老後を迎えるタイミングで大規模リフォームの時期が訪れます。
定年退職し、これから収入が少なくなる時期です。若い頃と同じように「ローンを組めばいい!」の手段は使えません。
ですので老後のリフォームを見越して、早め早めの段取りがポイントです。
この記事では老後リフォームのポイント、検討するタイミングについて解説します。
今からできることを、少しずつ準備していきましょう!
老後のリフォームの4つのポイント
「老後のリフォーム、何から始めたらいいのか分からない!」
そんなときは、次の4つのポイントをおさえてリフォームを考えましょう。
老朽化した部分をリフォームして、劣化を防ぐ
老後のリフォームでまず検討したいのが、老朽化した部分のリフォームです。
購入した当時は新築ピカピカでも、築年数が古くなるにしたがって家は劣化しています。
もし劣化した部分をそのまま放置してしまうと、雨漏りの原因になり、さらに家が劣化することに・・・。
ですので、老朽化した部分をリフォームすることはこれ以上の劣化を食い止める意味でもあります。
老朽化しやすいのは、「屋根」と「外壁」です。
劣化状況に応じて、再塗装や交換をしておきましょう。
段差をなくし、バリアフリー化する
老後リフォームでは、バリアフリー化して段差をなくすことが大切です。
段差は転倒につながりやすく、ケガのもとになります。
段差の解消は、次のリフォーム工事がおすすめです。
- 玄関の段差をスロープに変更
- ドアの仕切りをなくす
- お風呂の段差をなくす
また階段など段差がなくせない部分は、手すりをつけておくと、転倒防止になります。
断熱性を高め、ヒートショック対策をする
老後の生活で怖いのが、ヒートショックです。
ヒートショックとは、暖かい場所から急に寒い場所に移動したときに、血圧が乱高下したり、脈拍が異常になること。
一軒家ですと、お風呂やトイレでの発生が多いです。
築年数が古い住宅は断熱性が低くく、ヒートショックが起きやすい環境です。
ですので老後のリフォームでは、断熱性を高めるべきでしょう。
断熱材で家全体の断熱性を高める断熱リフォームはもちろん、
- タイル張り浴室から、ユニットバスに変更
- 浴室暖房をつける
- 脱衣室暖房機をつける
- トイレに暖房をつける
- トイレにインナーサッシをつける
などのヒートショック対策をしておくと安心です。
耐震リフォームで、安心して暮らせる家に
築年数の古い物件で心配なのが、耐震性。
新築住宅に比べると耐震性が低く、安心して暮らせません。
ですので老後を迎える前に、耐震リフォームをしておくと安心です。
耐震リフォームとは、柱・梁などを補強して、地震に強い構造にすること。
また制振ダンパーなど揺れを吸収する装置をつけるのも、耐震リフォームに含まれます。
耐震技術は年々進歩しており、新築住宅の耐震性は非常に高くなりました。
「大きな地震で倒壊するのは、築年数の古い住宅だった…」というデータもあります。
老後を迎える前に、耐震リフォームをしておくと安心です。
老後のリフォームのタイミングはいつやるべき?
では老後のリフォームは、どのタイミングでやるべきなのでしょうか?
大規模リフォームは、20~30年周期で訪れる
老後のリフォームと深く関係するのが、大規模リフォームの周期。
費用のかさむ大掛かりなリフォームは、およそ20~30年の周期で訪れます。
【大規模リフォームの例】
- 外壁の交換(20~30年に1回/100万円~/サイディングの場合)
- 外壁のコーキングの打ち直し(10~15年に1回/50万円~)
- 屋根材の交換(15~20年に1回/50万円~/コロニアル・アスファルトシングルなど)
- 給湯器の交換(15~20年に1回/20万円~)
もし30~40代で住宅を購入していると、大規模リフォームのタイミングは老後を迎える前の時期と重なります。
老後のリフォームとしてバリアフリーなどを考えているなら、大規模リフォームの時期にまとめてリフォームした方が効率的です。
大規模リフォームのタイミングと合わせて、老後のリフォームを検討するのも1つのタイミングです。
子どもの独立など、家族構成が変わるタイミング
また老後のリフォームを検討する時期として、家族構成の変化があります。
- 子どもが独立した
- 子どもとの同居の選択肢がなくなった
家族構成に合わせて、必要な間取りも変わります。
子どもが独立して一緒に暮らさないことが決まったら、住みやすいサイズにリフォームするのもおすすめです。
老後のリフォームとして、
- 段差をなくす
- ヒートショック対策の断熱リフォーム
- 耐震リフォーム
をしておくと、これから迎える老後を安心して暮らせます。
建て替えと大規模リフォームで迷ったら…?
リフォームの規模が大きくなると、それだけ費用も高くなります。
リフォームの費用が高くなると、「建て替えした方がお得になるのでは…?」と思いますよね。
では大規模リフォームと建て替えで迷ったら、どう選べばいいのでしょうか?
建て替えの方が問題点を一気に解決できる
- 老朽化した部分を直したい
- バリアフリー化したい
- 断熱性の高い家にしたい
これらの住まいの課題を一気に解決できるのは、建て替えです。
最新の技術を盛り込んだ新築住宅を建てることで、これまでの課題を丸ごと解決できます。
また新築住宅は性能を数値化しやすく、断熱性・耐震性などハウスメーカーによる保証も充実しています。
建て替えと大規模リフォームの費用に差がないのであれば、新しい家を建ててしまった方がコスパはいいでしょう。
注意すべき建て替えのデメリット
ただし建て替えにはデメリットがあります。
建て替えの最大のデメリットは、「建て替えできない土地がある」ということ。
建て替えができない土地では、リフォームでしか対応できません。
【建て替えできない土地】
- 幅4m以上の道路と接続していない
- 道路と2m以上と接していない
このような条件の土地では、建て替えができません。
またそのほかにも建て替えには、次のデメリットがあります。
- 解体費用が高額になることがある
- 仮住まいの費用が必要
- 工期が4~6カ月と長い
- 各種税金(不動産取得税、固定資産税、登記費用)がかかる
大規模リフォームと比べて、建て替えの方が費用は高くなりがちです。
もしリフォームや建て替えの費用に困っているなら、50代以上の方はリバースモーゲージはおすすめです。
老後のリフォームのポイントまとめ
老後に向けたリフォームは、次の4つがポイントになります。
- 老朽化した部分をリフォームして、劣化を防ぐ
- 段差をなくし、バリアフリー化する
- 断熱性を高め、ヒートショック対策をする
- 耐震リフォームで、安心して暮らせる家にする
また老後のリフォームを検討する時期は、
- 大規模リフォームの時期(20~30年周期)
- 子どもの独立など、家族構成が変わる時期
で検討するのがおすすめです。
無計画にリフォームしてしまうと、無駄が多くなってしまいます。
できるだけまとめてリフォームできるよう、老後のリフォーム計画まで考えておくのがポイントです。
老後のリフォームは、新築のような住宅ローン(リフォームローン)頼みは難しいでしょう。
今からできる準備をしっかりして、安心して老後を迎えられるようにしたいですね。