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リースバックとリバースモーゲージはどっちがお得?違いを徹底比較

2020年03月26日(2022年12月27日更新) リバースモーゲージの基本

リースバックとリバースモーゲージはどっちがお得?違いを徹底比較不動産を活用して老後資金をの不安を解消したいと考えた際、「リースバックとリバースモーゲージどちらがいいのだろう」と悩まれる方も多いはずです。

自分のライフスタイルに合わないものを選んでしまうと、損してしまうかもしれません。

そこで今回は、リースバックとリバースモーゲージの特徴の比較やメリットデメリット、おすすめのポイントなどについてお伝えします!

リースバックとリバースモーゲージの違いは?

リースバックとリバースモーゲージの違いをひと言でまとめると、以下の通りです。

【リースバック】
自宅を「売却」し、毎月賃料を払って住み続ける

【リバースモーゲージ】
自宅を「担保」にお金を借り、毎月利息を払って住み続ける

2つの大きな違いは、自宅を売却するのか、担保にするのかの違い、ということになります。

それでは、さらに詳しくみていきましょう。

リースバックとは

リースバックとは

リースバックは、セールス アンド リースバックの略であり、自分の所有する不動産を「売却」し、新たな所有者となって毎月の賃料を支払って住み続けることを指します。

売却によってまとまったお金を手にすることができるだけでなく、引き続き住み続けることが可能です。

しかし、自宅を手放すことでいったんは法律上の所有者ではなくなり、賃借人になってしまう点には注意が必要です。

また、住宅ローンが残っている場合は、ローン残高以上の価格で売却できるかどうかを事前に確認しましょう。

そうでないと、リースバックする意味がなくなってしまいます。

例えば、3,000万円のローン残高が残っていて、2,500万円で売却するとなると、完済するためにさらに500万円を支払わなければならなくなる、ということです。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、毎月利息のみを支払って、自分と配偶者が死亡したときに債権者が自宅を売却処分して元本を返済する、というものです。

リバースモーゲージはリースバックと異なり家は所有したままなので、マイホームを手放す必要はありません。

しかし、自分(と配偶者)の死後は、債権者が家を処分するため、子どもに家を相続させることができない点には注意が必要です。

また現在のところ選べる金利タイプは変動金利のみですので、金利が上がると毎月の支払額も増える、という金利の変動リスクがあることも覚えておきましょう。

リースバックのメリットデメリット

リースバックのメリットデメリット

メリット

リースバックのメリットは以下の通りです。

  • 短期間で自宅を現金化できる
  • 売却したことが周りにバレない
  • 周辺地域の相場高騰時は売却益が出ることも
  • 家賃を払っている限り住み続けられる
  • 将来的には買い戻すことも可能

短期間で自宅を現金化できる

リースバックは物件を売却するものの、買主は自分自身であるため買い手を探す必要がありません。

そのため、短期間でまとまったお金を手にすることができるのは大きなメリットといえるでしょう。

また、リバースモーゲージには資金の使い道に条件がありますが、リースバックの場合は資金使途が自由であるのも魅力的ですね。

固定資産税の支払いが不要になるのもメリットといえます。

売却したことが周りにバレない

リースバックは不動産会社とのやりとりのみで完結するため、近所の方にバレることがありません。

また、契約者が亡くなった際にも相続人が売却先を探す必要がないため、相続問題をクリアにしたい場合にもおすすめです。

周辺地域の相場が上がっているときは売却益が出ることがある

住んでいる地域の相場が高くなっている場合には、売却することで売却益がでることもあります。

売却する際には、その土地の相場の流れをチェックしておくと良いでしょう。

家賃を払っている限り住み続けられる

リースバックをすると、利用形態が所有から「賃貸」に変わりますが、家賃を払えば今までと変わらず住み続けられ、引っ越しをする必要がありません。

将来的には買い戻すことも可能

リースバックで売却した物件も、条件次第では将来的に買い戻すことが可能です。

買い戻しを検討する際には、不動産売買契約時に、「買い戻し特約」をつけるようにしましょう。

デメリット

リースバックのデメリットは以下の通りです。

  • 売却価格が相場よりも安くなることが多い
  • 家賃が相場よりも高くなることが多い
  • 長く住むと家賃が売却金を超えることも…
  • 売却価格によってはリースバックを利用できない
  • 買い戻すことは可能だが、売却費用よりも高くなることが多い

売却価格が相場よりも安くなることが多い

一般的に、リースバックでの物件の売却価格は周辺地域の相場よりも安くなることが多いです。

地域や物件にもよりますが、相場の60%程度になると考えておくとよいでしょう。

家賃が相場よりも高くなることが多い

リースバックの際は、周りの物件の家賃相場よりも高くなる場合が多いです。

それは、一般的な賃貸物件と家賃の決め方が異なるためです。

年間のリース料は、売却価格の7%〜13%で設定されることが多いです。

売却価格が高ければ一時的にもらえるお金は多くなりますが、その分毎月の家賃も高くなりますので、注意しましょう。

長く住むと家賃が売却金を超えることも……

先ほどもお伝えしましたが、年間のリース料は売却価格の7%〜13%で設定されているため、リースバック後10年で家賃の総額が売却金額を超えることになります。

売却後も長く住むことを検討している場合には、売却のタイミングを慎重に考えた方がよいでしょう。

売却価格によってはリースバックを利用できない

売却価格が住宅ローンの残債を下回る際には、リースバックを利用することができません。

売却の際に住宅ローンを完済できず、融資先の金融機関から抵当権を外す許可をもらえないためです。

物件の所有者が自分ではなくなってしまうことでのトラブル

リースバックすると、物件の所有者が自分ではなく買取業者に移転します。

通常であれば家賃を払って問題なく住み続けられるのですが、まれに違う業者へ転売され、オーナーが変わることがあります。

その際、家賃の値上げをお願いされたり、リフォームやリノベが行われるなど、思いもよらぬ展開になることもないとはいえません。

リバースモーゲージのメリットデメリット

リバースモーゲージのメリットデメリット

メリット

リバースモーゲージのメリットは以下の通りです。

  • 毎月の支払いが利息のみでOK
  • 物件に住み続けることができる
  • 好きなタイミングに担保価値の範囲で必要な資金を借りられる
  • 高年齢でも借り入れが可能
  • 相続対策に役立つ

毎月の支払いが利息のみでOK

リバースモーゲージでは、金融機関によりますが毎月の支払いが利息分のみでいいことが多く、中には毎月の支払いが必要のない商品も出ています。

老後の支出はなるべく抑えたい、という方におすすめですね。

物件に住み続けることができる

リバースモーゲージではリースバックと違い、土地を「担保」に融資を受けるため物件の所有者が変わりません。

そのため、リバースモーゲージ契約後も変わらずに今の家に住み続けることができます。

また、契約者本人が亡くなった際に配偶者が同居している場合には、配偶者が契約を引き継ぐことが可能です!

変わらず家に住み続けることができますので、安心してくださいね。

ご自身のライフスタイルに合わせた借り入れ方法の選択が可能

リースバックでは売却金が一括で振り込まれますが、リバースモーゲージではご自身のライフスタイルに合わせた借り入れ方法の選択が可能です。

例えば、年金のように毎月振り込まれるものや、融資可能額内で自由に借り入れができるものなどがあります。

高年齢でも借り入れが可能

リバースモーゲージは、利用できる年齢を50歳〜55歳以上としている金融機関が多いため、シニア世代が積極的に利用できるサービスとなっています。

さらに、定年を迎えたシニア層がターゲットであることもあり、年収の制限のない金融機関があるのもメリットといえるでしょう。

相続対策に役立つ

自分が亡くなったあとは金融機関が売却の手続きを行ってくれるため、子どもに売却手続きなどをしてもらう必要がありません。

また、不動産を相続する場合は親族間でトラブルに発展する場合が多くありますが、自分が亡くなったあとは売却されることが決まっているので、そういった相続トラブルを防ぐ効果も期待できますね。

面倒な売却の手続きで子どもに負担をかけることがないのは、親として大きなメリットといえるのではないでしょうか。

デメリット

リバースモーゲージのデメリットは以下の通りです。

  • 利用条件が比較的厳しい
  • 金利上昇によって返済額が増えることも(金利上昇リスク)
  • 契約期間がすぎると家が売却されてしまう(長生きリスク)
  • 担保評価額によっては差額分を返済しなければいけない(担保割れリスク)

利用条件が比較的厳しい

リバースモーゲージでは各金融機関が利用条件を定めていますが、その条件が比較的厳しいことがあげられます。

そもそもリバースモーゲージの対象物件は持ち家に限られている金融機関が多く、申し込み時に年齢制限があったり、推定相続人の同意や保証人が必要であることがほとんどなのです。

また、リバースモーゲージは一人暮らし、または夫婦二人暮らしを対象としているため、子どもと同居している場合は利用することができません。

そういったさまざまな条件をクリアしなければなりませんので、そもそも申し込めないという人も多いのがデメリットといえます。

金利上昇によって返済額が増えることも(金利上昇リスク)

リバースモーゲージは変動金利の商品が多いため、「金利上昇のリスク」にも注意しましょう。

金利が上がることによって毎月の利息返済が増えてしまったり、当初想定していた金額よりも融資金額が少なくなってしまうかもしれません。

契約期間がすぎると家が売却されてしまう(長生きリスク)

リバースモーゲージでは契約時に契約期間が決められており、契約期間が終了した際には、家を売却して一括返済しなければならない仕組みとなっています。

そう、契約期間を過ぎて長生きすると、住む家を失ってしまうんです!

契約時期が早過ぎすと将来的に家を失ってしまうリスクも高くなるため、契約のタイミングなどは慎重に考える必要があるでしょう。

担保評価額によっては差額分を返済しなければいけない(担保割れリスク)

リバースモーゲージでは定期的に担保評価額の見直しが行われていますが、急な地価下落などによって担保評価額が下がってしまうことがあります。

ここで注意しなければいけないのは、すでに融資されたお金がその評価の限度額を超えてしまった場合にはその差額を返済しなければならない、という点です。

今、土地の価値が上昇しているエリアに住んでいる方は、将来的に不動産価値下落のリスクがあることについても考えておいた方がよいでしょう。

リバースモーゲージのリスクについてはこちらの記事も参考にしてください。

リースバックがおすすめの人

リースバックがおすすめの人リースバックがおすすめの人は以下の通りです。

  • まとまった資金が必要な方
  • 受け取ったお金を自由に使いたい方
  • 将来的には老人ホームなどへの入居を検討されている方
  • 住宅ローンを完済させたい方

リースバックは物件売却時に一括でお金が振り込まれるため、住宅ローンの返済が厳しい方や、まとまったお金を必要とする方におすすめです。

売却金には使用用途などはないので、もらったお金は好きに使うことができるのもいいですね。

しかし、リースバックは長く住むことで家賃を売却金を上回るリスクなどがありますので、将来的には子どもの家に同居したり、売却金を使って有料老人ホームへの入居などを検討されている方のほうが安心といえるでしょう。

リバースモーゲージがおすすめの人

リバースモーゲージがおすすめの人リバースモーゲージがおすすめの人は以下の通りです。

  • 老後も今の家に住み続けたい方
  • 自宅をバリアフリーにリフォームしたい方
  • 毎月の支出を抑えたい方
  • 自分が亡くなった後に子どもに迷惑をかけたくない方
  • 年金だけでは老後資金に不安のある方

今住んでいる物件を、「終の住処」にしようと考えている方にとって、リバースモーゲージはとてもおすすめです。

「家は気に入っているけれど、家の段差が気になる」という場合には、受け取ったお金をもとにバリアフリーリフォームするのもいいですね。

また、リバースモーゲージでは毎月の支払いが利息だけのことがほとんどです。

そのため、毎月の出費を抑えたい方や、年金だけでは老後資金に不安がある方にもおすすめです。

自分のライフスタイルにあった住まいの在り方を

自分のライフスタイルにあった住まいの在り方をリースバックとリバースモーゲージのそれぞれの特徴は以下の通りでした。

【リースバック】

  • まとまったお金が短期間で手に入る
  • 住宅ローンを完済できる
  • 売却金の使い道が自由
  • 固定資産税の支払いが不要

 
【リバースモーゲージ】

  • 毎月の支払い負担が少ない
  • お金をもらいながら家に住み続けることができる
  • 相続対策にも役立つ
  • 高年齢でも申し込み可能

最近では、老後資金としてリバースモーゲージを活用するシニア層も増えていますので、戸建てに住んでいて「老後にゆとりのある生活がしたい!」という方にはリバースモーゲージがおすすめです。

しかし、「絶対にこっちがいい!」というものはないので、最終的にはご自身のライフスタイルにあったものを選ぶことが大切です。

いざという時に焦らなくて良いように、今のうちから考えておくと良いでしょう。

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