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固定資産税の計算時に必要な固定資産税評価額の調べ方・計算方法を完全解説

2017/09/26

固定資産税評価額ってしってる?

固定資産税評価額ってしってる?

住宅をローンを借りて住宅を購入すると、住宅ローンの返済を毎年行っていかなければなりません。しかし、住宅を維持していくためには、ただローンだけを返済していけばよいわけではありません。
住宅を購入するということは固定資産を持つわけですから、賃貸物件に住んでいたときと違って、固定資産税を支払わなければなりません。
固定資産税はどのくらいかかるものなのかをしっかりと理解してから、住宅の購入を検討しないと、本当の意味での資金計画を立てることができません。
住宅を購入したら、毎年どのくらいの税金支払資金を用意する必要があるのでしょう?
この記事では固定資産税の計算方法と、計算に必要な固定資産評価額について解説し、検討中の家を買った場合の固定資産税のおおよその金額を知る方法を解説します。

固定資産税とは

固定資産税とは、毎年1月1日時点に固定資産を所有している人に対している人が、居住する市区町村に収める税金です。
固定資産には以下の資産が該当します。

  • 土地
  • 建物
  • 償却資産

土地から購入して建物を建築する場合には、土地と建物について固定資産が発生します。
償却資産とは構造物(看板、煙突、屋外プールなど)、機械や器具(建設機械、印刷機械など)、船舶や航空機など、車両や運搬具(大型運搬車など)、備品や工具(事務机、冷蔵庫、パソコンなど)で居住する市区町村の償却資産課税台帳に登録されている資産について課税されます。このため、一般の個人にはほとんど関係がないことになります。
基本的に、住宅購入の際に必要になる固定資産税は土地と建物について発生すると考えておけばよいでしょう。

固定資産税評価額×標準税率

固定資産税は、固定資産評価額に税率を乗じて求めます。
固定資産の税率は1.4%です。(2017年現在)

固定資産税評価額とは、標準税率とは

固定資産税評価額は、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づいて市区町村で決められる価格のことです。
3年に1度、評価替えが行われ、最近では2015年に評価替えが行われていますので、次は2018年に評価替えが行われることになります。
土地は『固定資産税路線価 × 土地面積× 評点』で計算し、建物は『再調達価格から年数の経過による減価分を減らして評価を行う』で計算します。
計算方法については後ほど詳しく解説していきます。
ここで計算された金額が以下の金額以下であった場合には、固定資産税は発生しません。

  • 土地:30万円
  • 建物:20万円
  • 償却資産:150万円

農地などには固定資産税がほとんどかからないとよく言われるのは、農地はこの固定資産税評価額が著しく低いためです。

固定資産税評価額の調べ方を紹介

自分の所有する土地や建物などの固定資産がいくらくらいで評価されているのかを調べる方法はいくつかあります。

固定資産税課税明細書を見る

毎年4月に市区町村から送付されてくる固定資産税課税明細書の中身をあまり確認されていない人も多いのではないでしょうか?
この明細書には固定資産税の課税標準額が記載されています。
課税標準額とは固定資産税評価額のことです。

引用:http://www.city.yokohama.lg.jp/kanagawa/kurashi/zei/324-26.html

写真は横浜市の固定資産税課税明細書ですが、建物と土地の課税標準額が記載されています。
この土地と建物の合計額に1.4%を乗じた金額が固定資産税となります。

役所で証明書を取得する

お住まいの自治体窓口に行けば固定資産評価証明書という証明書を取得することができます。
ここには、本人が所有する資産の面積と固定資産税評価額が記載されています。
1通350円から400円程度で、ちなみに東京都は400円です。

引用:http://www.city.yonago.lg.jp/18229.htm

写真は米子市の固定資産証明書の様式です。

  • 資産の地目
  • 筆数
  • 面積
  • 評価額
  • 家屋

といった項目に分かれて、それぞれ固定資産税評価額が記載される様式です。

役所で固定資産課税台帳を閲覧する

納税対象とされる資産は、役所の固定資産課税台帳に記録されています。
証明書を取得するために役所に行ってお金を払わなくても、その台帳を無料で閲覧することが可能です。
固定資産課税台帳は、役所の税務課などに、本人確認書類を持参して閲覧を希望することで閲覧できます。
記載内容は、固定資産評価証明書に記録されている内容と同じものです。

インターネットで調べられるのは路線価だけ

固定資産税評価額をインターネットで知ることはできません。役所に行くか、郵便で証明書を発行してもらうしか方法がありません。
また、本人だけしか、知ることができません。
インターネットで知ることができるのは。固定資産税評価額計算の基礎となる固定資産税路線価です。
この価格をもとにご自身の固定資産のおおよその評価額を計算することが可能になります。
また、インターネットで固定資産税路線価を公開しているのは一部の自治体のみで、すべの自治体のホームページで路線価が確認できるわけではありません。

固定資産税評価額はどうやって決められるのか

ここまでは、固定資産をすでに持っている人が、自信の固定資産評価額を知る方法についてのお話でした。
これから住宅の購入を検討している人は、どのように固定資産税を計算すべきでしょうか?
固定資産税評価額は土地と建物によって計算方法が異なるため、ここから詳しく説明していきます。

土地の評価方法

先ほども述べたように、固定資産税評価額は以下の式で決定します。

固定資産税路線価 ×土地面積 × 評点

この計算で使用される固定資産税路線価、土地面積、評点については以下のように求めます。

固定資産税路線価

固定資産税路線価とは、道路に付けられた価格を示します。その道路に接している土地の1平方メートルあたりの価格を示しています。
路線価10万円の道路に接している土地は1平方メートルあたり10万円の評価額となり、路線価5万円の道路に接している土地は1平方メートルあたり5万円の評価額となります。
固定資産税路線価は市区町村が定めているため、役所に行けば知ることができます。また、先ほど述べたように、一部の役所ではインターネットで固定資産税路線価を確認することができます。

面積

面積は登記簿謄本に登記されている面積を使用します。

評点

評点とは、路線価から土地の立地や形状などによって路線価から加減を行い、補正を行うことを示します。
評点の決め方は以下のようになります。

  • 土地の接道状況:複数の道路に接している、角の土地のような場合には評点が高くなります
  • 奥行の長さ:奥行が長い(細長い)土地の場合は、評点が下がる傾向があります。
  • 間口の狭さ:間口(道路に接している長さ、土地の入り口)が短いと、評点が下がる傾向があります。
  • 不整形:土地の形状が三角形などのいびつな土地の場合には、評点が下がる傾向があります。

つまり、複数の道路に接している土地、正方形に近い土地で間口が広い土地は評点が大きくなり、この逆の場合には評点が低くなります。

固定資産税路線価が10万円/1平方メートル、登記面積が100平方メートル、評点が0.8の場合の固定資産税評価額は以下のように計算します。
10万円×100平方メートル×0.8=800万円
固定資産税の税率は1.4%ですので、この土地にかかる固定資産は年112,000円となります。

建物の評価方法

建物の評価方法は、再調達価格から年数の経過による減価分を減らして評価を行うという方法で計算すると先ほど述べました。
以下、詳しい指標についてご説明します。

再調達価格

再調達価格とは、同じ建物を再び建築した場合にはいくら必要になるのかという価格です。
建物の評価は非常に複雑です。
屋根・基礎・外壁・柱・壁体・内壁・天井・床・建具・建築設備・仮設工事・その他工事などから詳細に評価を決定しています。
屋根でいえば建材型ソーラーパネルであれば評価が高くなり、銅板波板であれば評価が低くなります。
外壁であればタイルであれば評価が高くなりますが、合成樹脂であれば評価が低くなります。
このように、項目ごと、住宅の構造を詳細に評価を行い、そこから算出された金額が再調達価格になります。
自分で、再調達価格を計算するのは非常に困難ですので、おおよその再調達価格を知りたい場合には、建物の工事金額を算出のもととしてもかまいませんし、ハウスメーカーに聞いてみてもよいでしょう、

減価分

年数の経過とともにどの程度の減価を行うのかは、建物の再調達価格が高くなればなるほど減価率も高くなります。
良い家であれば、年数が経過しても価値があるというように思っていただいて構いません。
減価率は建物によって異なりますが、概ね、10年経過で50%程度、20年経過が20%程度と考えてください。
再調達価格が3,000万円の住宅が築10年経過した場合の固定資産税評価額は概ね以下のように計算します。

3,000万円×50%=1,500万円

固定資産税率は1.4%ですので、1,500万円×1.4%=21万円となります。
ちなみに住宅建築から最初の年は減価がほとんどないため、40万円以上の固定資産税となります。

マンションの評価方法

マンションの評価は以下のように行います。
まず、マンション全体の土地と建物の評価額を上記と同じ方法で決定します。
その後、持分割合によって評価額を按分します。
例えばマンション全体の固定資産税評価額が3億円の場合、持分が10%であった場合には以下のようになります。
3億円×10%=3,000万円
固定資産税評価額が3,000万円ですので、固定資産税はこの価格に1.4%を乗じて計算します。
3,000万円×1.4%=42万円となります。

固定資産税優遇制度

固定資産税には優遇制度があります。
新築建物の場合には減価率が低いため、固定資産税が高くなってしまいます。
そのため、新築建物の場合には固定資産税は所定の期間優遇されるという措置があります。

長期優良物件の場合

  • マンション:築後7年→固定資産税が2分の1
  • 戸建て住宅:築後5年→固定資産税が2分の1

一般住宅の場合にはさらに以下のような優遇があります。

  • 3階建て以上の耐火構造、準耐火構造住宅:築後5年→固定資産税が2分の1
  • その他の一般住宅:築後3年→固定資産税が2分の1

ご自身が購入しようとしている物件がどの建物の属するのかはハウスメーカーに聞いてみましょう。

また、宅地についても軽減措置があります。

  • 小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)→固定資産税評価額が6分の1
  • 一般住宅用地(200平方メートル超の部分)→固定資産税評価額が3分の1になります。

つまり、300平方メートルの土地(路線価10万円、評点1(100%))に長期優良の戸建て住宅(再調達価格3,000万円)を建築した場合の初年度の固定資産税は以下のようになります。

  • 土地:(小規模部分)200平方メートル×10万円×6分の1=333万円
  • (一般部分)100平方メートル×10万円×3分の1=333万円
  • 土地固定資産税=(333万円+333万円)×1.4%=約93,000円
  • 建物固定資産税=3,000万円×1.4%÷2分の1=21万円

合計で30万3千円程度の固定資産税となります。

固定資産税評価額が影響する税金は?

固定資産税評価額を知っているとどんなことがわかるの?

固定資産税評価額を知っているとどんなことがわかるの?

固定資産税評価額が影響する税金は、固定資産税以外にも以下のようなものがあります。

固定資産税

固定資産税は市区町村に支払う所有する資産にかかる税金です
ここまでご説明した通り、固定資産評価額に1.4%の税率を乗じた金額によって算出します。

都市計画税

都市計画税とは、固定資産税と一緒に市区町村に収める税金です。
固定資産税評価額に0.3%の税率を乗じた額を納めます。

不動産取得税

不動産取得税は、土地・建物などの不動産を売買や交換などによって取得した場合に収める税金です。
固定資産税評価額に税率を乗じて算出します。

  • 土地・家屋(住宅)の場合:3%
  • 住宅ではない家屋の場合:4%

登録免許税

登録免許税とは、登記を行う場合に発生する税金です。
建物を新築したときに所有権を登記する「所有権保存登記」
不動産を売買する際、所有権を売主から買主へ移転する「所有権移転登記」
これらの登記を行う際にも固定資産税評価額に所定の税率を乗じて計算を行います。

まとめ

住宅ローンを購入すると、固定資産税を毎年支払っていかなければなりません。
計画的な生活設計を行うためには、自分が購入しようとしている物件の固定資産税がいくらくらいになるのかを事前に知っておくことが重要です。
固定資産の税率は1.4%です。
建物や土地の固定資産税評価額に1.4%を乗じることで、固定資産税を求めることができます。
固定資産税評価額の計算はやろうと思えば自分で行うことも不可能ではありませんが非常に複雑です。このため不動産屋さんやハウスメーカーや役所の税務課などに聞けばおおよその金額を教えてくれます。
購入前には1度、評価額を試算してみましょう。

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