みなさんのおうちにトランクボックスはありますか?
トランクボックスとは、衣類やその他の物品を保管したり、輸送したりするための、ヒンジ(ちょうつがい)とふたの付いた大きな箱です。
旅行用のスーツケースもトランクボックスの1つですが、今回ご紹介するものは、どちらかというと、アンティークな海賊の宝箱をイメージしていただくといいかもしれません。
収納として使うのはもちろん、リビングでコーヒーテーブルとして使用したり、その風合いからショールームのディスプレイとして使用されたり、とても実用的で注目したい、インテリアアイテムです。
ある30代のご夫婦が、古いスチール製の大きなトランクボックスを手に入れます。このトランクボックスをご夫婦がどう使うのか?
今回の刻まれた想い描き人シリーズ第一弾では、トランクボックスに込められた想いの物語とともに、トランクボックスを活用した素敵なアイデアをご紹介いたします。
押入れの中から、タイムカプセル
これは、郊外のマンションに住むご夫婦の物語です。奥様の実家が2世帯住宅に建て替えることになり、ご夫婦は奥様の実家の片付けの応援にやってきました。
おじいちゃんっ子だった奥様は、今はもういない祖父のお部屋の片付けから取りかかります。日焼けしたふすまを開け、押入れの奥に目を止めました。大きな箱が、たくさんのダンボールや風呂敷包みの下にありました。
旦那様に手伝ってもらい、取り出してみると、大きな古いスチール製のトランクボックスです。ところどころに何かがぶつかったような凹凸ができています。
船舶の輸送用などに使われていたのか、地面と設置する部分には木の板が貼られ、荷物を滑らせた跡が刻まれています。この板のおかげで、大きなトランクでも押入れから引っ張り出すことができました。
少し硬めの金具のついたふたを開けると、防虫剤の匂いがふわりとあたりを包みます。
出てきたのは奥様が小学生のときに書いた作文、読書感想文で入賞したときの賞状、それから冬休みの宿題だった書き初めに、図工の時間に作って祖父にプレゼントした作品などが一点一点、大切そうに納められていました。
そして、幼少期の思い出の品に紛れて、祖父から奥様に宛てた未開封の手紙が一通入っていました。
中を開けると、それはもうずいぶん前に書かれたもののようです。幼い奥様との思い出がつづられ、文の最後には「このトランクボックスを大人になった孫娘に贈ります」とのメッセージで締めくくられていました。古いトランクボックスはタイムカプセルとして、祖父から孫娘へのプレゼントになっていました。
奥様は祖父の想いに目を潤ませながら、今度生まれてくる子どもの思い出の品を詰め込んで、成人したときにタイムカプセルのようにプレゼントしてみるのもいいなと想いを馳せました。
もともと収納が得意なトランクボックスですから、タイムカプセルのように長期間の保管場所として使うのもよいでしょう。でも、それはもう少し先でもいいかもしれませんね。スチール製のトランクボックスにワクワクと胸躍らせたのは、奥様だけではないようです。
30代の会社員、DIYが趣味な旦那様は、このトランクボックスをDIYのツールボックスに使いたいと奥様に申し出てきましたよ。旦那様の考えも聞いてみましょう。
開けても閉じても絵になる、男前DIYツールボックス
旦那様は家の中のちょっとした収納棚を作ったり、壊れたものを直したり、今あるものを別のものに作り変えたりと、週末などを利用して趣味のDIYを楽しみます。そのため、お部屋にはDIY工具はもちろん、ネジなどの細かい部品もたくさんあります。
そんな旦那様のアイデアは、このスチール製のトランクを立てて使い、ふたを扉がわりにして、DIYツールをしまうロッカーにすることです。スチール製であることを活かし、強力な磁石を使ってドライバーやレンチを貼り付けたり、フックや可動できる簡易棚も磁石で設置したりします。
どこに何があるのか一目瞭然で、取り出しやすい男前DIYツールボックスの出来上がりです。ふたを開いた状態でお気に入り工具のディスプレイを楽しむのもいいですし、ふたを閉めれば、お部屋の中もスッキリと見えます。
ふたの表部分には、DIYレシピや不足備品などのメモをマグネット留めしたり、大きさを利用して、ちょっとしたディスプレイスペースにするのもいいですね。