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2018/08/15

【フラット35】の保険料比較、改めて見直したい団体信用生命保険VS収入保障保険

2018/08/15

配信元ARUHIマガジン

2017年10月から団体信用生命保険料(以下「団信料」)が金利組み込み型に変わった【フラット35】。これまでは毎年団信料を支払う必要がありましたが、毎月の返済額に含まれるようになったことで保険料の実質負担が軽減されました。一方、【フラット35】は団体信用生命保険(以下「団信」)の加入が任意という点は改正後の現在も変わりません。一部の【フラット35】利用者がしていた、団信の代わりに民間の保険会社が取り扱う「収入保障保険」に加入する裏ワザは今後も使えるようです。ところが、今回の改正により収入保障保険にあえて加入するメリットはないケースが増えているので注意が必要でしょう。

今回は、団信と収入保障保険について、それぞれのメリット・デメリットなど改めて比較検証してみたいと思います。

CONTENTS

かつては団信代わりに収入保障保険に加入すると▲100万円も支払額を削減できるメリットが!

2017年9月まで適用されていた団信料の年払い方式によると、4,000万円を金利1.14%・35年元利均等返済で借り入れした場合の団信料支払総額は約265万円となります。

【2017年9月融資実行分までに適用されていた年払い方式の団体信用生命保険料】

経過年数 保険料/年 経過年数 保険料/年 経過年数 保険料/年
1年目 13万9,100円 13年目 9万7,700円 25年目 4万8,900円
2年目 13万6,800円 14年目 9万3,900円 26年目 4万4,500円
3年目 13万3,400円 15年目 9万円 27年目 4万100円
4年目 13万円 16年目 8万6,100円 28年目 3万5,600円
5年目 12万6,600円 17年目 8万2,200円 29年目 3万1,000円
6年目 12万3,100円 18年目 7万8,200円 30年目 2万6,500円
7年目 11万9,600円 19年目 7万4,100円 31年目 2万1,800円
8年目 11万6,100円 20年目 7万100円 32年目 1万7,100円
9年目 11万2,500円 21年目 6万5,900円 33年目 1万2,300円
10年目 10万8,800円 22年目 6万1,700円 34年目 7,500円
11年目 10万5,200円 23年目 5万7,500円 35年目 2,700円
12年目 10万1,400円 24年目 5万3,200円 累計額 265万1,200円

※借入額4,000万円、金利1.14%・35年元利均等返済
住宅金融支援機構【フラット35】機構団信特約料シミュレーションより算出

一方、返済中の全期間においてローン残高をカバーする補償内容の収入保障保険に30歳の男性が加入した場合、保険料は一定で月額3,900円、35年分の累計額は約164万円です。

【損保ジャパンひまわり生命の収入保障保険 保険料】

30歳男性・非喫煙健康優良体 保険期間35年、保障額:保険金一括払い(1年目)4,067万円、以降ローン残高を全期間カバー
月額保険料 年間保険料 35年間支払総額
3,900円 4万6,800円 163万8,000円

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「収入保障保険 家族のお守り」シミュレーションより算出

35年分の保険料支払総額を比較してみると、収入保障保険の方が団信よりも約101万円も安く済みます。100万円の差は大きいので、後述するデメリットを考慮しても、収入保障保険を選ぶメリットが大いにありました。

ちなみに、40歳・非喫煙健康優良体の男性が同条件で収入保障保険に加入した場合、35年分の保険料支払総額は約339万円となり、団信に軍配が上がります。

団信は、被保険者の年齢や健康状態にかかわらず保険料が一定です。対して、収入保障保険は被保険者の年齢や健康状態によって保険料が異なるので、概ね20代・30代までの利用者にとっては、保険料が安く済むケースが多くみられました。

さらに、収入保障保険のメリットとしては、団信には適用されない生命保険料控除が適用されるので、確定申告(会社員は年末調整)によって税金の負担を減らすことができる点もあります。

金利組み込み型に改正後は30歳でも団信の方が安い!


団信料が金利組み込み型になったことにより、実質負担がどれくらい軽減されたか検証してみましょう。同じく4,000万円を35年・元利均等返済、2017年12月実行金利の1.34%(※1)で借り入れした場合、毎月返済額は11万9,362円、総返済額は5,013万円です。

団信に加入しなかった場合は、金利が1.14%(※2)となり、毎月返済額11万5,542円、総返済額4,853万円。総返済額の差、約160万円が団信料相当額になる計算です。

借入額 返済期間・方法 金利 毎月返済額 総返済額
4,000万円 35年元利均等返済 1.34%(団信加入) 11万9,362円 5,013万円
1.14%(団信不加入) 11万5,542円 4,853万円
差額(団信料相当額) 3,820円 160万円

先ほどの30歳・非喫煙健康優良体の男性の例で、収入保障保険の保険料支払総額は約163万円。僅差ですが、30歳の健康な男性であっても団信に軍配が上がります。生命保険料控除を加味しても、そもそも控除額が少なく、他の保険で上限まで使い切っている人もいることやその他のデメリットを考えると、収入保障保険を選ぶメリットはないでしょう。

住宅ローンにつく団体信用生命保険ならではのメリットとは?

ここまでは、支払総額という費用面だけで団信と収入保障保険を比較してきましたが、仕組みも大きく異なるので注意が必要です。まず、そもそも団信とはどういうものなのかおさらいをしておきましょう。

一般的な住宅ローンには団信がセットされています。万一、借入人が死亡・所定の高度障害となった場合、保険金でローン残高が弁済される仕組みです。残された家族は、ローンがなくなったマイホームに住み続けることや、売却して現金にかえることができ、遺族にとって安心の保証制度といえるでしょう。

団信は、金融機関(【フラット35】の場合は住宅金融支援機構)が契約者となり、借入人が被保険者となる仕組みです。万一の際、遺族が窓口の金融機関に連絡をし、所定の手続きをとれば、後は金融機関が保険会社に保険金を請求してローンを完済するので、遺族にとって完済の手続きがスムーズです。

通常、銀行に死亡した旨の連絡をすると、被相続人の預金口座は凍結され、遺産分割協議が整うまでは遺族が自由にお金を入出金することができません。それに対して、保険金の受け取りやローン完済資金の支払いを、被相続人や遺族の口座を介さないで済む団信の仕組みは、遺族にとって煩わしい手間を省けるメリットがあるといえるでしょう。

収入保障保険のデメリットは万一の際にトラブルがおこる危険性

一方、収入保障保険を団信代わりにした場合、遺族が保険金を受け取った後、自分自身でローンの完済手続きをする必要があります。完済手続きには、完済申込書の記入や抵当権抹消登記に必要な書類を受け取る手続きも含まれ、金融機関によっては借り入れした本人が窓口にいかないと手続きできないケースも。その場合は、遺産分割協議終了後、相続人全員の同意がないと完済手続きが出来ないおそれがあります。最悪のケースでは、相続財産が自宅しかなく遺族間で揉めるようなことがあると、保険金を完済資金に充当できない可能性もあるでしょう。

団信代わりに収入保障保険に加入する場合は、こうした万一の際のリスクや相続人自身で完済手続きが必要なことを借入人本人はもちろん、家族もきちんと理解しておくことが必要です。

いかがでしたでしょうか? 団信と収入保障保険の比較検証をしましたが、そもそも団信の加入が任意なのは【フラット35】くらいです。その他の一般的な住宅ローンを利用する場合は、収入保障保険を団信代わりにするという選択肢はないでしょう。

【フラット35】を利用する場合であっても、現在は収入保障保険を団信の代わりにするメリットは薄れていますが、比較検討する際は、支払総額とメリット・デメリットを総合的に比較して、慎重に判断するようにしてください。

(※1)ARUHIフラット35 2017年12月実行金利、自己資金1割以上・返済期間21年~35年の1.34%

(※2)団信不加入の場合、適用金利は▲0.2%となり、ARUHIフラット35 2017年12月実行金利、自己資金1割以上・返済期間21年~35年の適用金利は1.14%となる

配信元:ARUHIマガジン

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