今回は専門家がよく聞かれる住宅ローン控除に関する質問について、日本一住宅ローンに詳しいと自負する住宅ローン博士「窪田 光洋」がお答えしました。
住宅ローン控除の申請や手続きで疑問点をわかりやすく解説しています。
- 住宅ローン控除とは?
- 1. 住宅ローン減税、すまい給付金は住宅ローン控除と同じ制度か?
- 2. 中古マンション・戸建てでも住宅ローン控除は適用されるか?
- 3. 住宅ローン控除でよくある失敗とは?
- 4. どうやって住宅ローン控除の申請をするのか?
- 5. 住宅ローン控除の手続きを忘れた場合はどうなるの?
- 6. 住み替えでも住宅ローン控除は適用されるの?
- 7. ペアローンの場合は2人とも控除を受けられるの?
- 8. 住宅ローン控除はいつ住宅を購入しても受けられるの?
- 9. 控除されたお金はどうやって戻ってくるのですか?
- 10. ふるさと納税とも併用できるんですか?
- 住宅ローン控除の仕組みを知ってオトクに?
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは簡単に言うと、年末の住宅ローン残高の1%が所得税から還付される仕組みのことです。

例えば住宅ローン残高が3,000万円だった場合、30万円のお金が戻ってくるのですか?

たとえ5,000万円のローン残高だったとしても、返金されるのは最高40万円になるんですね。
ちなみに源泉徴収された所得税や納付した住民税から戻ってくる制度なので、自分が払う税金以上に還付されることはありませんので、注意してください。

控除期間は住宅ローン残高がある限り、ずっと続くものなのですか?


そうなんですね。もっと住宅ローンについて質問してもいいですか?

住宅ローン控除とは、年間で最大40万円のお金が所得税・住民税から還付される制度です。住宅ローンの借り入れをされる方は忘れずに利用してくださいね。
また、住宅ローン控除の仕組みや条件については下記の記事で詳細を説明しています。気になる方はぜひ、参考にしてください。
それでは、よくある質問をご紹介しましょう。
1. 住宅ローン減税、すまい給付金は住宅ローン控除と同じ制度か?
まず、「住宅ローン控除」と「住宅ローン減税」は同じものを意味しています。どちらの言葉を使うかは人それぞれですが、初めて聞く人は混乱されるかもしれません。
また、「住宅ローン控除(減税)」と「すまい給付金」は別の制度です。利用には条件はありますが、2つの制度を併用することも可能です。

すまい給付金とは、どんな制度なんですか?

なお、住宅ローン控除(減税)の恩恵が少ない方が、すまい給付金の恩恵を受けられるような設計がされています。

30万円がもらえるなんて、すごいですね!
それでは利用条件はどこでチェックすればいいのですか?

すまい給付金と住宅ローン控除について、下記の記事も参考にしてください。
2. 中古マンション・中古戸建てでも住宅ローン控除は適用されるか?
中古マンション・中古戸建てであっても、住宅ローン控除は利用できるので安心してください。
ただし、利用には条件がありますので、購入前に必ず確認するようにしてください。
【中古マンション・中古戸建てで住宅ローン控除を受ける条件】
・50平米以上の住居スペース(新築も同じ)
・耐火構造(コンクリート造り)築25年以内/非耐火構造(木造)築20年以内

なるほど。広さと築年数が条件にあるんですね。
もし、築30年の中古住宅だと絶対に受けられないんですか?

どんな条件かというと耐震性に問題がない、もしくは瑕疵(かし)保険に加入していることです。

なるほど!
ただ、自分で判断するには少し難しそうですね。。。

住宅ローン控除の条件に該当するかどうかは、専門家に相談することをオススメします。
詳しい条件や耐震基準適合証明書・瑕疵保険は、下記の記事で説明をしています。併せてご覧ください。
3. 住宅ローン控除でよくある失敗とは?
「住宅ローン控除の申請を忘れてしまう」、または「中古住宅で適用条件を満たしてない」。
おそらくこの2つが代表的な失敗例なのではないでしょうか。
住宅ローン控除申請は確定申告で行うのですが、会社勤めの方はそもそも確定申告の経験がなかったり、年度末で慌てて忘れてしまうのが原因かもしれません。

確定申告は面倒臭そうなイメージがあるから、後回しにしてそのまま忘れてしまう……、なんてことがありそうですね。

ただ、住宅ローン控除(減税)の制度は本当に得する制度なので、せひとも頑張って利用してほしいですね。
住宅ローン控除で見落としがちなポイントを詳しく解説した記事もご参考ください。
4. どうやって住宅ローン控除の申請をするのか?
繰り返しになりますが、住宅ローン控除(減税)の申請は確定申告で行います。
大切なのはサラリーマンの場合、最初の1回だけ申請すれば、2年目以降は確定申告の必要がないことです。
確定申告をするタイミングは、住居を取得後に住み始めた翌年です。
また、取得から6ヶ月以内に居住を開始し、12月31日まで居住していることが条件になります。

2018年3月に取得して5月から居住開始した場合、12月31日まで住み続ける必要があるということですか?

そして、2019年1月から3月までの間に確定申告で申請するという流れですね。
なお、確定申告の具体的な手続きは、下記の記事をご参考ください。
5. 住宅ローン控除の手続きを忘れた場合はどうなる?
5年以内であれば、遡って住宅ローン控除の還付を受けられます。ただし、5年を経過した分は、還付を受けることができません。

よかったです!
でも、だからといってのんびりしていないで、ちゃんと申請したいですね。

住宅ローン控除の確定申告を忘れたときはこちらの記事を参考にしてください。
6. 住み替えでも住宅ローン控除は適用される?
住宅ローン控除が使える条件を満たしていれば、もう一度1から10年間の控除を受けることができます。

例えば、6年間も住宅ローン控除を利用していたとしても、住み替えることでまた最大10年間も利用できるのですか?

住み替えたときも住宅ローン控除が受けられます。詳細はこちらの記事を参考にしてください。
7. ペアローンの場合は2人とも控除を受けられるのか?
ペアローンであったとしても、それぞれが住宅ローン控除(減税)制度を利用することができます。

例えば、夫婦それぞれが3,000万円ずつ住宅ローンで借り入れると、合計60万円も還付されるということですか?

(※夫と妻ともに持分があることが条件)
また、夫婦で住宅ローンを借り入れる場合には、「ペアローン」と「収入合算」で違いがあります。
詳しくは下記の記事をチェックしてくださいね。
8. 住宅ローン控除はどのタイミングで住宅を購入しても受けられる?
平成30年1月末時点では、平成31年6月30日までに居住開始された方が対象となります。
ただし、期間が延長される可能性もありますので、最新情報は専門家や国土交通省のホームページをチェックするようにしましょう。
9. 控除されたお金はどのように戻ってくるのか?
確定申告をした最初の年は、指定した口座に振り込まれます。
なお、サラリーマンの方の場合であれば、2年目以降の住宅ローン控除は年末調整で還付されます。

自営業の方は毎年確定申告をすることになるから、毎年指定した口座に振り込まれるということですよね?

ちなみに振込の時期は4月前後ですね。ただし、地域や年度によって多少異なるようですね。
10. ふるさと納税とも併用できるんですか?
ふるさと納税や医療控除も併用できます。
ただし、計算が複雑になるので仕組みをしっかり理解することが大切です。下記の記事をご参考ください。
住宅ローン控除の仕組みを知ってオトクに?
今回は住宅ローン控除とは何か、そしてよくある質問をご紹介いたしました。
ほとんどの方が住宅購入時に住宅ローンを利用されると思いますが、住宅ローン減税は金利分を相殺するぐらいのインパクトがあります。
とても価値のある制度ですので、利用できる方は必ず利用してくださいね。
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