このお話は、アレルギー持ちのM子さんが主人公の物語です。
「ハックション!」
くしゃみとともに帰宅のM子さん、お化粧を落とし部屋着に着替え、ソファーでごろりとリラックス。
テレビをつけようとして、またまた「ハックション!」
やれやれ、リラックスできたのも束の間のようです。
ティッシュを片手に、何度かくしゃみをしてじっとソファーを見つめます。
M子さんはハウスダストと花粉などが原因のアレルギー性鼻炎で、マスクが欠かせない生活をしています。
つらいくしゃみを軽減する方法はないのか?
『さようならくしゃみ計画〜窓辺編〜』で、くしゃみの原因となるカーテンにさようならをしたM子さんは、おうちのファブリックをできるだけ減らしていくのが効果的なことを知っています。
アレルギー持ちM子さんの『さようならくしゃみ計画』〜窓辺編〜はコチラ
今回M子さんは座るものにも注目し、工夫をしてみたようです。
そんなM子さんのアイデアをのぞいてみましょう。
さようなら、ソファー
ソファーといえば、リビングでも主役級の家具です。
M子さんのソファーは、全面布張りの3人がけで背あて部分が少し高め、座面も少しゆったりしたサイズで足のついたタイプです。
このソファーはM子さんが想い描いていたソファーそのもので、ひとめ惚れをし、今の住まいに引っ越しをする際、少し奮発して購入したものです。
そんな想いの詰まったソファーですが、同居する猫さんに爪とぎにされてしまったり、花瓶をひっくり返した時にシミができてしまったり、おまけにどちらかといえば、M子さんが使うというよりは猫さんの特等席となっています。
足つきのソファーで比較的掃除がしやすく、またカバーを交換できるものですが、やはり、くしゃみの原因となるハウスダストの温床になってしまっているようです。
ついにM子さんはおもいきって、このソファーを手放すことにしました。
ソファーの代わりになるものは?
ソファーは足を伸ばせてゆっくりくつろげるけれど、それに代わるものはないかしら? とM子さんは考えを巡らせます。
座椅子や大きなクッションはどうかしら?
なるほど、ソファーに比べて大きく布面積を減らすことができますね。でも、体を委ねられるほど大きいものは、頻繁に動かすことはなさそう。
そうすると、脚があるソファーと違って、じかに床に置いている分、内部に湿気がこもり、かえってカビの心配も出てきそうです。
木製のベンチシートはどうかしら?
座る時にクッションを添えるくらいなら、そんなにお掃除の手間がかからないのでは? なるほど、木製ベンチシートなら、お掃除も簡単そうです。
ファブリックをゼロにするのは難しいですが、洗濯ができたり、干したり、メンテナンスがしやすいものなら、ハウスダスト対策に効果が期待できますね。
ベンチシートを壁や背の高い家具に寄せるなど配置を工夫すれば、壁や家具がソファーの背あて代わりになります。
クッションを使用しないときには、ベンチの下のボックスに入れて収納することで、見た目もスッキリします。
猫さんを飼っている方へのワンポイントアイデア
自由気ままに家の中を動き回る猫さん。なぜか、広げたノートや新聞の上に座ろうとしますよね。個体差はあると思いますが、猫さんは同じ場所なら布1枚でも高い場所を好むことが多いようです。
それなら、ベンチシートの座面の1箇所に猫さんのお気に入りの布や新聞紙などを用意して折りたたみ、少し段差をつけるように置いてあげましょう。
布や新聞紙が敷かれたこの場所が、きっと猫さんの専用の特等席となることでしょう。気になる抜け毛なども、場所を限定させることでお手入れの手間を緩和できます。
クッションの代わりになるワンポイントアイデア
冬場におなじみの湯たんぽ。ウェットスーツと同じ素材でできている座布団タイプの湯たんぽなら、中にお湯や水を入れなくても座布団として使用できます。
中に入れる水量を調節して好みの座り心地を調整し、使わないときには水を抜くだけなので、メンテナンスも簡単です。
冬場はお湯を入れて使うのはもちろんですが、夏場は冷水を入れて使用すれば、人だけでなくペットの体温調節にも役立ちます。温度調整のための布カバーが不要な点も、ファブリック削減になりますね。
参考商品:クロッツ「やわらか湯たんぽ」
http://www.cloz.biz/SHOP/HY-201.html
目指すべきは、ファブリックゼロではなく心のゆとり
見渡すと、おうちの中にはたくさんの布素材のものが使われています。これらを全てなくしてしまっては、逆に生活に支障が出てきてしまうかもしれません。
大切なのは、ファブリックを使う場所を限定すること。さらに、お手入れがしやすい方法で取り入れると、生活に馴染みやすく無理なく続けることができます。生活に馴染むことで、心のゆとりができ、また別のところを工夫してみることにつながります。
こうして工夫を積み重ねていくことで、少しずつ少しずつM子さんのくしゃみの回数も減っていくことでしょう。
文:柳井風凛