すみかる住生活版

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ホームインスペクションを徹底活用。些細なことでも相談してみよう!

2017/09/19

さくら事務所の創業者 長嶋修

さくら事務所の創業者 長嶋修さん

こんにちは、いえーる すみかる編集部のゆずきです。
ホームインスペクションという言葉を聞いたことがありますか?ホームインスペクションとは、ホームインスペクター(住宅診断士)が、主にマイホームを購入する際に中立な第三者として様々な観点で住宅を診断してくれるサービスです。

私も実際にホームインスペクションを使ってマイホームを購入したひとり。
そのときの実体験は以下の記事でご紹介しています。
【体験談】購入前の建売住宅をホームインスペクション

さて、今回はホームインスペクションを上手に活用する方法について、ホームインスペクションの第一人者であるさくら事務所の創業者 長嶋 修さんにお話を伺ってきました。

ホームインスペクションはマイホーム購入の強い味方

インスペクションを上手く使おう

インスペクションを上手く使おう


不動産という大きな買い物に慣れている方は、あまりいません。ですから「不動産屋さんの言っていることは、本当に正しいのだろうか?」などと疑う気持ちが沸き起こることもあるでしょう。

ホームインスペクションは、そんな不安を解消してくれる強い味方です。
不動産を売ることで収入を得る不動産会社と違い、中立的な第三者の視点から住宅をしっかり診断してくれます。購入前にホームインスペクションをしてもらえば、購入した住宅に欠陥が見つかるリスクも減らせるでしょう。また、修繕すべき箇所があれば、その内容と費用についても教えてくれます。

特に中古住宅で、近い将来メンテナンスをしなければならない箇所がある場合には、いつ・どこに・どのようなメンテナンスが必要なのかも確認してくれます。あらかじめかかるお金が分かっていれば、予算も組みやすいですね。

医療におけるセカンドオピニオン(*1)やインフォームドコンセント(*2)が近年一般的になっていますが、ホームインスペクションはそれと似ています。

*1セカンドオピニオン…担当医とは別の医療機関の医師に意見を求めること
*2インフォームドコンセント…患者や家族が治療について納得・合意すること

第三者であるからこそ信頼できる、ホームインスペクター

内見に行くと、不動産屋さんは住宅を購入する前提で話を進めることが多いです。
例えば、あなたが買おうか迷っている物件に気になる点があったとします。「この点が気になるのですが」「これって当たり前ですか?」と不動産屋さんに相談した場合、「このぐらい普通ですよ」「こんなことが気になる人は初めてです」と不動産屋さんに言われるかもしれません。

ここで頭に浮かぶのが、不動産屋さんは本当に自分の味方なのかということです。買ってほしいから適当なことを言っている可能性はないか、素人では判断しかねることが多々あります。家電のように返品しやすい商品ならまだ良いのですが、住宅となるとそうもいきません。

こんな時に役立つのが、第三者である専門家の意見です。購入前には売買に関与しない視点での意見が大切です。住宅に関する専門知識を持つホームインスペクターなら、その役割に適任です。

ホームインスペクターへ依頼が多い点検・チェックサービスとは?

施工不良を見逃さない『新築工事チェック』

施工不良を見逃さない『新築工事チェック』


ここ最近、連続して発生している災害や新築戸建ての施工トラブルのニュースを見て、自分の家は大丈夫かと不安に感じる人が増えています。
その影響からか、ホームインスペクターへの依頼も、「新築工事チェック」や「2年目点検やサービス」が人気を集めているそうです。それぞれ、どんなサービスか詳しくご紹介します。

新築工事チェック

ホームインスペクターが新築工事現場の第三者検査を行うサービスで、施工不良ニュースなどから依頼が多いメニューです。工事現場が汚い、施工会社から充分な説明がないといった不安も依頼背景にあるそう。

特に、台風や長雨の季節は工期がのびたり、他物件の遅れの煽りを受けて工事が遅れてしまった時、施主はどうすればいいのか悩むばかりではないでしょうか。
ホームインスペクターに依頼すれば、建築現場の施工状況をチェックし、公正な立場でアドバイスやサポートを受けることができます。

2年目点検サービス

新築戸建、新築マンションの多くの場合、アフターサービスによる無償補修サービスは1年もしくは2年(※)で終了します。しかし、不動産会社から充分なアナウンスがされず、気づかないうちに無償補修の機会を逃している人が多いのが現状です。
※構造や雨漏りに関する瑕疵は法律で10年保証されることになっています。

また、終了するといっても施工会社が自ら不具合を確認するわけではなく、そこに住んでいる人が自分で確認をして申告しなければいけません。

こんな時にホームインスペクターに依頼しておけば、高レベルの検査が受けられ、2年住んでみて感じる疑問にもアドバイスをもらえます。

指摘事項があった場合は、分譲会社、施工会社から提示された修繕方法の妥当性や修繕箇所の確認、調査後の無料相談に乗ってもらえるなどのメリットがあります。

不動産コンサルタントを合わせて活用すれば怖いものなし!

ジェスチャーをする女性

プロの知識・目線をもっと活用!

ホームインスペクター以外にも、不動産屋さんが言っていることは正しいのか、この物件は本当に良い物件なのかなどのアドバイスをくれる不動産コンサルタントがいます。ホームインスペクションとあわせて活用することで、物件購入に悩む方にぴったりのパートナーになってくれることでしょう。

1.そもそも買うべき?のアドバイスをくれる

不動産は決して安くない買い物です。特に初めて買う場合には、分からないことも多いでしょう。そもそも、本当に買った方が良いのか悩んでいるという方もいるかもしれません。不動産コンサルタントは、こんな悩みでもにのってくれます。

何を相談したら良いのかはっきりしていなくても大丈夫ですし、最終的に「今は買わない」という判断をしても大丈夫です。買ってから後悔しては損をするだけですので、気軽に相談してみましょう。

2.物件の見学(内見)に同行してもらえる

購入前に物件を見学・内見する際、何を確認すればよいのかわからない場合は、不動産コンサルタントが同行してくれます。

不動産屋さんが口にする専門用語も解説してもらえるので、初めての内見でも心配ありません。住まいの希望を伝えておけば、他の物件と見比べるべきか、どの部分が生活に影響しそうかなども教えてもらえます。

3.購入する物件へのアドバイス

新築か中古か、戸建てかマンションかに関わらず、購入を希望する物件への指摘やアドバイスをもらうことができます。

特に中古物件の場合、リフォームが前提になっていることも珍しくありません。今はそのまま使えるところも、少しすれば修繕が必要になることもあるでしょう。ホームインスペクションをしてもらえば、時期や規模、金額が事前にわかるため、自分にとってお得な物件なのか、購入を控えた方が良い物件なのかの判断がしやすくなります。この他、設置すべき機器のアドバイスももらえるため、計画的にリフォームができるでしょう。

4.マンションの管理度チェック

中古マンションの購入を検討している場合、管理が行き届いているかどうかを確認する必要があります。しかし、管理規約などの資料がたくさんあって、全てを把握しきれないこともあるでしょう。そんなときも不動産コンサルタントに相談してみてください。専門家の視点で資料を確認してくれたり、資料の通りに物件が管理されているか現地確認を行ってくれたりします。

不動産コンサルタントに確認してもらえる書類には、たとえば以下のようなものがあります。

(例)

  • 管理規約・使用細則
  • 長期修繕計画表
  • 管理委託契約書
  • 重要事項調査報告書
  • 新築時の重要事項説明書
  • 通常総会の議案書・議事録

管理規約や管理状況をしっかりと理解しておけば、購入後にマンションの禁止事項に触れてしまったり、修繕積立金が増額されてお金の工面が大変になったりすることもないでしょう。特に初めてマンションに住むという場合、理事会や管理組合の運営で戸惑うことも多いそうです。事前に不動産コンサルタントに確認してもらうことで、様々なリスクを低減できます。

ホームインスペクターや不動産コンサルタント選びは大切

自分で見れないところもきちんとチェック

自分で見れないところもきちんとチェック


今回は、さくら事務所さんに、ホームインスペクションや不動産コンサルタントの上手な活用方法を教えていただきました。
サービスによっては、初回無料で相談に乗ってもらえることもあります。最初からすべて有料だと相談しづらく感じてしまう方も、無料の時間があれば気軽に相談できそうですね。この他、子連れOK、自宅まで出張可というサービスも。ライフスタイルに合わせて相談先が選べます。

なお、無料や格安を売りにしている会社は、リフォームの営業が目的ということもあるので要注意。ホームインスペクターや不動産コンサルタントは、価格だけでなく、実績やアフターフォローまで含めて選んでください。

第三者の立場で活躍してくれるホームインスペクターと不動産コンサルタントのアドバイスを賢く取り入れて、後悔しない家づくりをしましょう!

監修:株式会社 さくら事務所
https://www.sakurajimusyo.com/

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