雑誌やテレビなどでも「老後にいくら必要なのか!?」という話題は度々みかけます。先日成立した年金改革法案も幅広くニュースに取り上げられて、公的年金に対する不安を抱く人がますます増えてきているようです。
公的年金だけに頼らず、自立した老後を送るために必要な貯金・貯蓄ノウハウについて、ファイナンシャルプランナー たかくわ氏に聞いてみました。
老後資金はいくら必要?
老後の夫婦の生活費は約25万円/月、65歳~90歳までの25年間で単純計算してみると
25万円×12カ月×25年=7500万円となります。
仮に今30歳の人が65歳までに7500万を貯金するとなると毎月およそ18万円も貯めなければいけません。
こう考えると現実味があまりないので公的年金によって老後が大きく変わってくるので不安が募るもの仕方がありません。
銀行預金のリスク
貯金や貯蓄と聞いてすぐに思いつくのは、銀行の定期預金ではないでしょうか。
預金した分が確実に積み上がっていくメリットがある定期預金ですが、予期せぬ落とし穴もあります。
新潟の銀行で取り扱っていた1915年(大正4年)に募集された100年定期預金が、2015年に満期を迎えました。この定期預金は年利6%の複利で運用される商品で、満期時には預けた金額が339倍になっている計算でした。しかし、満期の金額はすずめの涙ほどだったのです。
それは100年前と比べて物価の上昇が原因です。1915年の教員の初任給が10円ほどでしたので、年利6%複利で運用されるよりも、物価上昇による通貨価値の下落の方が大きく影響されてしまったのです。
極端な例に思えるかもしれませんが、老後の貯蓄は数十年先の話ですから、大きな物価変動がないとは言い切れません。現金は、額面上は変化していなくても価値は上下しているということを理解しておくことが重要です。
長期の定期預金は見えないリスクがあるので気をつけましょう。
長期で貯金・貯蓄するなら定額購入(ドルコスト平均法)がオススメ
長期の積み立てをする場合にオススメなのが、定額購入(ドルコスト平均法)という投資方法がです。銀行積み立てのように毎月一定額の現金を預金するのではなくて、値動きのある金融商品などを毎月一定額購入していきます。
以下の例を見てみましょう。
経過月数 | 投資累計額 | 株価 | 購入株数 | 累計株数 | 評価額 |
---|---|---|---|---|---|
1ヶ月 | ¥10,000 | 100 | 100 | 100 | ¥10,000 |
2ヶ月 | ¥20,000 | 90 | 111 | 211 | ¥19,000 |
3ヶ月 | ¥30,000 | 80 | 125 | 336 | ¥26,889 |
4ヶ月 | ¥40,000 | 70 | 143 | 479 | ¥33,528 |
5ヶ月 | ¥50,000 | 60 | 167 | 646 | ¥38,738 |
6ヶ月 | ¥60,000 | 50 | 200 | 846 | ¥42,282 |
7ヶ月 | ¥70,000 | 40 | 250 | 1096 | ¥43,825 |
8ヶ月 | ¥80,000 | 30 | 333 | 1429 | ¥42,869 |
9ヶ月 | ¥90,000 | 20 | 500 | 1929 | ¥38,579 |
10ヶ月 | ¥100,000 | 30 | 333 | 2262 | ¥67,869 |
11ヶ月 | ¥110,000 | 40 | 250 | 2512 | ¥100,492 |
12ヶ月 | ¥120,000 | 50 | 200 | 2712 | ¥135,615 |
上記の表では、値動きのある株を毎月10,000円購入しています。
1ヶ月目は10,000円で単価100円の株を買うので合計100株買っています。2ヶ月目は株価が少し下がって90円になったので、同じ10,000円で111株買えました。
このように値動きによって購入できる株数は変動しますが、ポイントは累計株数がドンドン増えていくことです。累計株数が増えれば増えるほど株価が回復した時の跳ね上がり方が大きくなります。
現金を毎月10,000円積み立てると、12ヶ月で貯まるのは12万円です。しかし定額購入(ドルコスト平均法)を用いた今回のケースでは、積み立てを始めた1ヶ月目の株価が100円で12ヶ月目の最終的な株価がスタートに半分の50円になった場合でも、結果的に135,615円となり、15,615円も多くなります。
老後のための貯金・貯蓄をお考えの方は、この定額購入(ドルコスト平均法)を検討してみてはいかがでしょうか?投資信託や変額保険でも用いられているのでそれらでも簡単に始められます。気になる方はご相談ください。
By ファイナンシャルプランナー たかくわ氏
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