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家の中が寒いなら断熱材を見直そう!費用や種類を完全解説

ファンヒーターと部屋

寒いのになかなか暖まらない部屋

夏は冷房が効かないし、冬はなかなか暖まらなくて寒い。
中古物件を購入して住みはじめると、購入時にはわからなかった断熱の問題が表面化することがあります。
室内が暑さや寒さに影響されやすいと感じているなら、断熱材の見直しを行ってみるのはいかがでしょう。

これから中古物件の購入を考えている人も知っておきたい、断熱材について解説していきます。

断熱材にはどのような効果がある?

断熱材とは、内部に空気を含ませて、室外の温度を部屋の中に伝わりにくくし、建物内の温度を一定に保つ部材のことを言います。熱を遮断する遮熱とは異なるものです。

1980年(昭和55年)に国土交通省の定めた、『住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準(旧省エネルギー基準)』によって断熱材の仕様や熱性能基準が定められるようになり、比較的新しい築年数の住宅は断熱対策ができています。

一方で古い物件は、断熱材が使われていないケースも少なくありません。断熱材があるのとないのとでは何が違うのか、断熱材のメリットを5つご紹介します。

断熱材の効果1.夏や冬に快適に過ごせる

快適に過ごせる

夏は暑すぎず、冬は寒すぎない

外の温度の影響を受けにくくするというのが、断熱材の役割です。
断熱材がない場合と比較すると、夏は暑くなりにくく、冬は寒くなりにくいので快適に部屋で過ごすことができます。

断熱材の効果2.部屋の中の温度差を抑えることができる

断熱材を使用することで、部屋の中の温度差が少なくなるというのもポイントです。
特に季節の変わり目は、温度の変化が激しくなりがち。温度変化が激しいと、からだが変化についていかずに体調を崩してしまうこともあります。
断熱材の使用によって、体調を崩しやすい子どもや高齢者のからだへの負担軽減に繋がります。

断熱材の効果3.省エネで節約にもなる

外気温の影響を受けにくいので、エアコンを使う頻度や温度調整の回数が少なくなり、省エネに繋がります。
節約にもなって、環境にも優しい。特に子育て世代で、部屋の数が多い家庭は嬉しいですね。

断熱材の効果4.家の寿命を延ばすことができる

結露を抑えられる

家の寿命を短くしてしまう『結露』

窓がくもって、水滴がついている状態を目にしたこともあるでしょう。まさに結露している状態で、気温の変化が激しいと起こりやすくなります。

問題なのは、結露が家にとっても人にとっても良くないということ。窓や壁、天井などで結露が起きるとカビやダニの原因になって、ダニなどの死骸がアレルゲンの原因になってしまいます。

さらに木材や壁の内部に結露が起こると、家が腐り、寿命が縮む原因に。断熱材を使用すると、室内の温度変化が小さくなるので、結露が抑制され、家の寿命を延ばす効果も期待できます。

断熱材の効果5.種類によっては防音効果も

断熱材にはさまざまな種類がありますが、中には多少、防音効果が期待できるものもあります。断熱材の素材にも注目したいものですね。

断熱材にはどんな種類があるの?

発泡ウレタンの壁

断熱材にはさまざまな種類がある

断熱材は、大きく分けて繊維系、天然素材系、発泡プラスチック系に分けることができます。それぞれの特徴を確認してみましょう。

1.繊維系の断熱材

セルロースファイバーのような木質繊維系とグラスウールやロックウールのような無機系に分けることができます。

無機系はリーズナブルで広く使用されている断熱材で、木質繊維系はやや高価でエコな断熱材です。水蒸気が入りやすいため、防湿をしっかりする必要があります。

2.天然素材系の断熱材

羊毛や炭化コルクなどのような、天然の素材を使用した断熱材のことを指します。

天然系の素材なので、人にやさしいという面が大きなメリットになりますが、コストパフォーマンスに少し不安が残ります。

3.発泡プラスチック系の断熱材

ビーズ法ポリスチレン、ウレタンフォーム、高発泡ポリスチレンなど。どれも、プラスチックを発泡させて作ることから、発泡プラスチック系と言われています。

広く普及している無機繊維系の断熱材よりやや高価な場合もありますが、防湿性に優れ、種類によっては繊維系や天然素材系よりも熱伝導性を抑えることが可能です。

断熱材の設置には2つの方法がある

壁の内に取り付けられる断熱材

設置のしかたでコストや快適さも変わる

断熱材の設置方法には、家の内側に設置する方法と、家の外側に設置する方法、大きく2つに分けられます。

家の内側に設置する

建物を支える柱をポイントに、壁と室内との間にある隙間の部分などに断熱材を設置する方法です。繊維系の断熱を充填する方法が良く用いられています。コストを抑えられるのがメリットです。

家の外側に設置する

発泡プラスチック系の断熱材を設置するときによく用いられる方法です。柱よりも外側に断熱材を設置します。家の内側に設置するのと比べて隙間が少なくなるので、結露が起きにくいのが特長です。ただし、断熱材の厚みに制限があります。

この他にも、内側と外側に断熱材を設置する併用工法が用いられることがあります。

断熱材はリフォームのときに交換すべき?

1980年(昭和55年)に制定された省エネルギー基準ですが、当時は断熱の基準が緩く制定されていました。(旧省エネ基準)
その後1992年(平成4年)新省エネ基準、1999年(平成11年)次世代省エネ基準基準、2013年(平成25年)改正省エネ基準というように、随時改正されてきました。

1992年の新省エネ基準を境に、断熱の基準が強化されました。
中古物件を購入する際に注意したいのが、1992年以降の物件であるかということです。1992年以前の物件の場合、先に紹介したように基準が緩かったため、断熱効果が低い、または断熱材がないこともあります。

2017年現在、築24年以上経っている家は、建物全体で断熱リフォームを考えていくと良いでしょう。なお、断熱材のリフォームには、国の断熱リフォーム支援事業により補助金を受けることが可能です。上限は補助対象額の3分の1まで、戸建ての場合は120万円が上限です。マンションでも補助金を受けることができます。

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