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【マンガ】「でき婚かな?」と思ったら……聞く前に知っておこう! 妊娠週数の数え方【松本えつをの子育てあるあるvol.5】

この連載は、かつて、クリエイターならではの切なさや怒りの感情をマンガで表現し、多くのクリエイターたちの共感を呼んだ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” のスピンオフ企画。日影工房の主要メンバーであり、「妊娠・出産・子育ての中で、仕事をする機会を奪われがちな女性の “ 働く ” をサポートしたい!」という想いから生まれたウーマンクリエイターズカレッジの創設者でもある松本えつを(役名:きのこ)さんが自身の出産体験を元に、ニッポン人女性の視点から妊娠・出産・育児にまつわる「あるある」をお届けします。(いえーる すみかる編集部)
 
> 松本えつをの子育てあるある 他の記事はこちら

今回は、新しい時代の結婚の価値観をテーマにマンガをお届けするよ。



きのこ、スナック菓子を散らかして憤慨してしまいましたね。

このエピソード、そんなに昔の話じゃないんですよ。1〜2年前の実話が元。

そう、今や多種多様な生き方が認められている時代。それなのに、少し古い世代の方々を中心に、まだ、結婚と妊娠の順序にとらわれている人々がいる。

とらわれてしまうのは仕方ないとしても、それを相手に伝える前に、ちょっとした知識を入れておいて欲しいな……というのが女性の本音なのではないのかな。

「授かり婚」はまだしも、「でき婚」という響きにはあまり良いイメージはないのだし。だって、「でき “ちゃった” 結婚」の略なのだから。

妊娠週数の数え方くらい知っておこう

妊娠期間は「十月十日」っていわれるので、普通に知識なしで考えたら、「出生の10ヶ月10日前に卵子と精子が出会った」と考えられるのかもしれないけれども、医学上、そうじゃないのだ。

妊娠週数をカウントするときは、受精卵が排卵される前の生理の開始日までさかのぼる。その日が、「0週0日」。

仮にそのときの生理期間が7日間だとして、その5日後に排卵があり、さらにその2日後に受精したとする。

その時点で、妊娠2週目に突入している。

妊娠検査薬を使用するタイミングとして推奨されているのは、次の生理予定日を1週間過ぎた頃だから、妊娠検査薬が陽性反応を示す頃には、もう妊娠1ヶ月に入ってさらに1週間ほど過ぎているのが普通だ。

*わかりやすい妊娠週数一覧表
http://www.pixy.cx/~kamosika/1/syusu.htm

さらに、もともと体質的に生理不順だったり、何かしらの疾患を持っていたりする場合は、検査薬を使おうと思うタイミングも遅れるかもしれない。

だから、気づいた時点で「早くても」1ヶ月とされるのである。

それを知らずして、相手に「でき婚だね」などと言うと、悪気はなくてもなんだか嫌な気持ちにさせたりするし、「この人は数え方を知らないんだな」って思われるかもしれない。そうなると、お互いにいいことなんてないよね。気をつけよう。

でも、今回、本当に伝えたかったのは「妊娠週数の数え方を知っておこう」ってことじゃない。

大事なのは契約よりも実態ではないだろうか?

本当に伝えたかったのは、もっとシンプル。

それは、「この時代、結婚や入籍が先でも、妊娠や出産が先でも別にいいじゃないか」ということ。

どんな順番であれ、そこに愛があれば、おめでたいこと。それが望まれたものであるのなら、なおのこと。

そして、授かった命の重さは変わらない。

順番が前後することよりもよっぽどおかしいな、と思うのは、でき婚を揶揄する一方で、「絶対、結婚前に同棲しておいたほうがいいよ!」なんて、同じ口が言っていたりすることのほう。

それに、同棲期間があくまで結婚前のテスト期間みたいにとらえられていることのほう。

結婚制度に反対しているわけじゃないけれど、ちょっと言いたい。

そんなに結婚ばかりが偉いですか?

(ゼクシィのCMのコピー、見ましたか?)

大事なのは「しあわせだ」と思えることだよね。相手も、自分も、その間に生まれた子も。
堂々と、同棲したらいい。
そして、堂々と授かればいいのだ。

紙切れ一枚の契約よりも、ひとつ屋根の下という事実の方が、強い。そして、ハッピーなはず。

さぁ、気にすんな。愛する人と共に暮らせ!

文:松本えつを

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイブックス)等。

ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」
クリエイターあるある in 日影工房

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

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